素敵なディナーにはアルコールがつきものですが、その中でもワインは記念日やお祝い事にもぴったりで、幅広い世代に人気があります。そんなハレの日に最適なワインですが、実は保存方法を誤ると、味がガクンと落ちてしまうデリケートなお酒なのです。
そこで今回は、飲食店でワインを保存する際の適切な方法についてご紹介していきたいと思います。
ワインの保存方法が重要な理由
ワインは温度や湿度、光によって品質が変わりやすいため、誤った保存方法を続けていると価値が大きく下がってしまうお酒です。よって、ワインを取り扱うお店や熱心な愛好家の中には、専用のワインセラーを用意している場合も多くみられます。ワインは丁寧に扱わなければいけないということを覚えておきましょう。
ワインの中には、長い期間保存することで風味が増し、価値の上がるものがあります。高級なワインの中には何十年も前につくられたものもありますが、あれはつくりたてよりも熟成が進んだ方が美味しいとされているためです。一方で、新鮮なうちに飲んだ方が良いとされている種類もあります。
ワインによって適切な保存方法は異なりますので、お店で扱うワインがどのタイプなのか、あらかじめ把握しておくことが大切です。
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ワインの保存に適した場所とは
ワインにとって適した環境とは、涼しく、湿度があり、暗くて振動のない場所です。また、においの強いものと一緒に保存するのはNGとされています。
家庭ではワインを冷蔵庫のドアポケットに立てて収納する場合もあるかと思いますが、庫内は光がある上、開け閉めの際ワインに振動が伝わってしまうので適切な環境とは言えません。また、他の食材と一緒に食糧庫に保存する際も、にんにくなどにおいの強いものとは離しておく必要があります。こうしたことは、飲食店にも同じことが言えます。
ボトルワインの保存方法
お店でワインを扱う場合は、やはりワインセラーを用意するのがベストな選択と言えます。安いものでは3万円程で30本収納できる製品もありますので、ワインを多く取り扱う場合は導入を検討するのも1つの手でしょう。
スペースに余裕がない、ワインの本数が少ないといった場合は、ワインセラーを使わずつも冷暗所で保存することが可能です。しかし、振動やにおい、湿度や温度など気を付けなければならないことはたくさんあります。特に5月~9月にかけての常温保存は適さないとされていますので、いくつかのワインを長期保存する場合はワインセラーを購入する方がよいでしょう。
ワインの本数が少なく、店舗に大きめの冷蔵庫がある場合は、野菜室での保存も良いでしょう。基本的にワインは横にして保存するのが良いとされていますので、冷蔵庫で保存する場合も決して立てて保存してはいけません。また、他の食材からのにおいには十分気を付けましょう。
また、未開封の場合は、季節に応じて以下の点に注意するようにしましょう。
暑い季節の保存方法
乾燥を防ぐため、ワインボトルを新聞紙で包むようにします。その際、コルク部分までしっかりと包み込むようにしましょう。ワインセラーや大きな冷蔵庫がない場合は、床下を代用することもできます。
寒い季節の保存方法
地域にもよりますが、寒い季節は常温での保存も十分可能であるとされています。とはいえ、光や振動には十分気を付ける必要があります。また、火を使う厨房は自然と室温が高くなったり、お客様をお通しするスペースも暖房をきかせている場合がほとんどでしょう。そのため、冬場に常温保存をする場合も、やはり倉庫や床下収納が適していると考えられます。
ただし、あまり低すぎる温度で保存するとワインの果実味が損なわれてしまいますので、著しく気温の下がる地域においては、屋外の倉庫にワインを保存するといった行為は控える方が無難です。
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栓を開けたワインの保存方法
ワインをグラスでも提供している場合、1度栓を開けたワインを保存しておく必要があります。
基本的に、ワインは開封後も1週間程度であれば保存しておけると言われています。しかし、ワイン本来の持つ風味を楽しめるのは開栓後3日程となるため、お客様にお出しする際はこの目安を守るよう注意しましょう。一方で、白ワインの中には2週間、3週間と美味しく飲むことのできる種類もありますので、お店で取り扱っているワインがどのタイプなのか見極めるのが肝心です。
一度開栓したワインを美味しく保存するためには、できる限り酸素に触れさせないことが大切になります。そのため、封を開けた後は「バキュバン」と呼ばれる道具でボトル内を真空状態にしたり、窒素ガスを注入して酸素を抜いたりといった工夫が必要になります。
もっと手軽な方法としては、残ったワインを小さ目のビンに移してしまうのがおすすめです。そうすることでボトル内の空気が自然と少なくなり、鮮度を保つことができます。しかし、この方法ではどうしても酸素と触れる面ができてしまうので、ワインをメインに取り扱う場合はあらかじめ道具を揃えておくようにしましょう。
ワインコルクの扱い方とは
ワインを保存する際は、コルクが乾燥しないように注意することも大切です。
ワインを寝かせて保存するのもコルクを乾燥させないことが主な目的ですので、前述のように全体を新聞紙にくるんだりといった工夫も有効になります。
ワインセラーを用いずワインを保存する際は、特にこのコルクの乾燥に気を付ける必要があります。湿度管理を十分にし、コルクにとっても最適な環境を用意することが肝心です。
まとめ
いかがでしょうか?
ワインは環境によって品質が左右されやすい、デリケートなお酒です。しかし、適切な環境に置きさえすれば、長く熟成させることでより深みが増し、また違った美味しさを引き出すこともできます。ワインを取り扱う場合は保存状態に十分注意し、お客様に最高の状態で提供できるようにしましょう。
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