はしって割りばしで本当にいいの!?お客様に合わせたはし選びとは

飲食店

箸置きとはし

みなさんの飲食店では「はし」を用意していますか?和食系のお店であれば当然あるでしょうが、洋食系の場合はどうでしょうか。また、「割りばし」と洗って使いまわす「エコばし」のどちらを使用していますか。そして、その選択が間違ってないということに自信をお持ちでしょうか。なぜなら、消費者はその選択を嫌がっている可能性があるかもしれないからです。

これらの投げかけに少しでも疑問を持った人のために、今回ははしを用意すべきなのか、またどんなはしを使用するのがよいのかなど、さまざまな視点から考えていきたいと思います。

はしはどの業態でも準備しておくべき?

洋風料理とはし

はじめに、はしを用意しておくべきがどうかについて結論を述べましょう。

はしは「用意すべき」です。もちろん、洋食系のお店や高級なフレンチレストランなどの場合は、テーブル上に最初からはしをセッティングしない場合もあるでしょう。

しかし、年配のお客様などが来店し、はしを使いたいと要求された場合には、しっかりと応えられるようにしておいたほうがよいでしょう。「当店ははしをおかない方針です」というのは、よく言えば客層を選ぶということになります。ところが、お客様からすると店の勝手な都合と思われてしまうかもしれません。

こうした事態を避けるためにも、はしをデシャップに用意しておいて、要求があればすぐに提供できるという体制をとっておくことをおすすめします。細かい点ではありますが、そのようなおもてなしは店舗の従業員を含めた全員にホスピタリティの精神を浸透させ、接客レベルを上げるポイントとなるでしょう。

はしは本当に使い捨てがいいの?

大量の割りはし

はしをお店に用意することにした場合には、使い捨ての割りばしでよいのでしょうか。それとも、洗って使いまわすことができるエコばしがよいのでしょうか。それぞれメリットとデメリットがありますのでご紹介していきます。

割りばしのメリットとデメリット

メリット

割りばしのメリットは、「常に新品である」ということからくる清潔感とそれに伴う安心感です。エコばしを必ず洗浄しているとはわかっていても、人の口に入ったものを自分の口に入れることに生理的な嫌悪感を抱く人は必ずいるでしょう。そうなると、はしに不衛生さを感じ、足が遠のいてしまうかもしれません。その数は多くはないかもしれませんが、集客に対してマイナスの影響であることは否定できないでしょう。

また、店舗で祝事や神事に伴った宴会が企画された場合には必ず真新しいはしを用意しますから、そういう場合にも割りばしであれば簡単に対応できます。

さらには、割りばしを入れる「はし袋」を販促ツールとして活用できます。ある店舗では、はし袋にLINEのQRコードを印刷し、登録によるプレゼント内容を記載することで、LINE会員の増加に成功しています。テーブルPOPは見てくれなくても、はし袋は必ずお客様の手元に届くものです。上手く使えば、販促ツールとして有効活用できるのです。

違った発想の収益源としても活用できます。それは、異業種の商品やサービスなどをはし袋に印刷することで、タイアップ広告の宣伝媒体として活用できるのです。たとえば、女性客が多い店のはし袋に、美容院やエステティックサロンの広告を入れるようなものです。広告料を1膳当たり1円程度で契約すれば、はしのコストを低減させてくれているのと同じという考え方ができるのです。

デメリット

一方でデメリットもあります。それは、何といっても「コストがかかる」点でしょう。使い捨てということは、1顧客あたり必ず数円の費用がかかるということです。利益率の低い飲食店にとって、このコストはバカになりません。

また、割りばしは使った後に廃棄しなければなりません。生ゴミを含めたゴミは、店舗で産廃業者と契約する必要があります。その際、廃棄量単位の従量制での契約の場合では、割り箸分だけ料金が増えることになります。

また、営業スタンスとして「エコに逆行している」ということにもなるでしょう。エコに気を配るのは経営者の方針としてどうかということもありますが、もっと重視すべきはお客様の目です。世の中はどんどんエコなものや行動を評価する方向になっています。ですから、天然の木材を材料にした割りばしを採用しているお店は、世の流れに逆行して、環境破壊に加担していると厳しい目が向けられてしまうかもしれません。

エコばしのメリットとデメリット

では、エコばしのメリットとデメリットはどうなのでしょうか。

メリット

エコばしを利用することで、このお店は環境破壊を認めていないという社会性をアピールすることができます。これにより、店舗の好感度アップにつながり、集客の後押しになるでしょう。マーシュという調査会社が消費者に対して行った「飲食店のエコばし(ゴミ削減等)の取り組みに対する評価」という調査では、「非常に評価している」が33.1%、「まあ評価している」が44.7%で、お店への評価としてエコばしをポジティブにとらえている人は、全体の8割近くになりました。このことからも、エコばしは集客に間接的ながらも効果があると言えるのではないでしょうか。

また、エコばしは1膳あたりの購入費用が割りばしに比べて割高ですが、劣化するとはいえ複数回使用することができます。割りばし10膳分のコストとと、エコばし1本のコストで比較をすれば、コスト全体では節約できることも魅力です。

また、かつてのエコばしは、塗りばし形状の樹脂製や金属製だったため、滑りやすく使いにくいという欠点がありました。そうしたことが、お客様には不評でした。しかし、最近では先端に溝が刻まれてつかみやすくなったはしや、握りやすい5角箸、テーブルの上で転がりにくい10角箸などが登場して、その欠点が解消されています。

デメリット

デメリットは、割りばしとは逆の「不衛生感」を抱くお客様がどうしても存在するということでしょう。割合から言えば、エコを評価する人の方が増えてきています。しかし、一部のお客様にとっては、ネガティブ要素であることには間違いありません。

中には、「コスト削減のためにエコばしにしている」と考えるお客様もいるかもしれません。それは「お客様の満足度を考えずコスト削減に走っている店」という印象につながり、マイナス要因になります。

エコばしには洗う手間も必要です。食洗器で洗えますから労力が大きくは増えることはありませんが、食洗器のないお店の場合ですと、当然工数が増えます。また、箸を食洗器からとり出す作業でも、トータルすればそれなりの工数になり、人件費アップにつながる可能性があります。

さらにいえば、エコばしも劣化します。樹脂製であれば欠けてしまう可能性があり、金属製でも先の方に使用感がつくことがあります。はし1本1本を毎回チェックすることはできませんから、欠けたり劣化した状態のままお客様に提供してしまう危険性もあります。それはお客様の満足度を下げる原因となるかもしれません。

エコばしには基本的にはし袋がないため、販促効果は発揮できません。もちろんはし袋にエコばしを入れているお店もありますが、お店で1膳1膳はし袋にはしを入れる作業が発生します。つまり、はしを入れる人件費を考えたら、決してプラスにはならないだろうと推測されます。

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割りばしとエコばし、コストの違いは?

積み重なったはし

経済的な観点でどちらのはしにするかを決める場合、割りばしとエコばしのコストは、どの程度の差になるのか確認しておく必要があります。

割りばしのコストは?

ある飲食店専門の消耗品販売サイトを見てみると、一般的な割りばしのコストは8,500円(3,000膳)ほどで、1膳3円弱です。これははし袋ありのものですから、もっとコストを削減したければ、はし袋をなしにすることもできます。あるいは割りばし自体の材質を下げれば、さらに安いものがあります。それらを考えても、コストは1膳2円から5円でしょう。また発注ロットを増やせば、さらに単価は下がります。

仮にオリジナルのはし袋にして販促効果を目指すのであれば、

  • フルカラー名入れタイプはし袋:10,000枚 17,600円(1枚1.76円)
  • 1色刷名入れタイプはし袋:10,000枚 12,600円(1枚1.26円)

ほどとなります。先に書いたLINEのQRコードを入れる程度であれば、1顧客1円ほどにすれば販促をすることができるということです。

エコばしのコストは?

飲食店専門の消耗品販売サイトを見てみると、ステンレスばし(10膳)2,900円、業務用ばし (12膳)2,400円となっており、1膳120円〜290円ほどです。もっとシンプルな四角ばしなら1本40円程度のものもありますが、値段相応といったところでしょう。ここで挙げたものであれば、耐久性があるため数年単位で使えますので、総コスト的にはかなり抑えられるのも事実です。

両方を併用するという方法も

では、最終的に割りばしとエコばしのどちらがよいのか決めなければならないとすると、判断に困る場合もあるでしょう。その時、コストを考えながらお客様の要望も受け入れられるようにしたいというのであれば、併用という折衷案もあります。

使い回しによる不衛生への抵抗は、女性のお客様に多くみられます。お客様を差別するのではなく「区別する」という意味合いで、普段はエコばしをメインに提供し、女性客だけのグループや女性のおひとり様の場合にだけ限って、割りばしで提供するといった方法が考えられるでしょう。また、高齢の方の割りばし要求にも応えられます。

その場合、はし立てやメニューに「割りはしの用意もあります」というインフォメーションを記載してもよいでしょう。

まとめ

畳とはし

いかがでしょうか?

たかがはし1膳の話ですが、用意の仕方に店舗の姿勢が垣間見られてしまったり、お客様の満足度が上下してしまうこともあるのです。ぜひ今回の内容を参考にして、店舗にとって最適な選択をしていってください。

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