この記事のもくじ
経営不振にあえぐ現状を打破するために、低カロリーという要素を上手に取り込んでみてはいかがでしょうか。たとえば、低カロリーで高タンパク質、少量でボリュームのあるものなどが挙げられます。
これから少しずつカロリーについて勉強していきたい、メニューを工夫していきたいという方は是非目を通してみて下さい。

外食だからこそカロリーを気にする!?現代の異常な健康志向
飲食店を利用する場合は、当たり前なことですが外食をする時になります。また、弁当形式で持ち帰る、または惣菜のみ購入するというのも大きく見れば外食に分類されます。
外食時に商品を選ぶ要素として価格と味はマストで外せないと思いますが、この2つ以外にもう一つ要素を加えるとすれば何を挙げるでしょうか?
例えば、サービスや安全など様々な意見があると思いますが、近年低カロリーであることが求められてきています。2000年の少し古いデータで飲料水のものとなりますが、インターネットで18年間意識調査を行っている会社からこんなアンケート結果が提示されています。
低カロリーの清涼飲料水に関する調査
http://www.myvoice.co.jp/biz/surveys/1801/
内容は健康ブームで広まった健康志向で低カロリーが商品を選ぶ際、どれくらいの判断基準になるのかというものです。簡単に言うと低カロリーだからその商品を購入するのか、しないのかがパーセンテージで表されています。
表を見るとまず、商品選択の際に低カロリーを意識している人が47%おり、約半数の消費者が基準として取り入れていることがわかります。さらにダイエット意識の有無のグラフでは、心掛けている人が51%です。上記結果からわかることは商品を選ぶ人の半分はダイエットしているという意識を常に持っており、低カロリー商品を購入する、またはしやすい算段になります。
ここから何が読み取れるかというと、51%の健康志向である顧客を捕まえることができればリピーターになってくれる確率が非常に高いのです。
ジャンルを問わず、またBtoB(企業対企業)BtoC(企業対消費者)どちらであってもリピーターは喉から手が出るほど得難い顧客ですね。それを消費者の半分が求めていると言っても過言ではない、低カロリーという要素を上手く加えれば比較的容易に顧客を取り込むことができるかもしれません。
また、実店舗型の飲食に置き換えるとまた違いますが、日本政策金融公庫からこのような調査結果も提示されています。
日本政策金融公庫 消費者動向調査:食の志向
https://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_160901d.pdf
日本政策金融公庫は政府の出資率100%である政府の機関なのでかなり確度の高い情報だと言えます。
見ていただければわかる通り、金銭的要素や簡易的かどうかよりも健康であることを重視しているのが見て取れます。この傾向は12半期に渡ってほぼ下がることはなく、安定した需要があることがわかります。
それでは、どうやって低カロリー要素を取り入れるのか、または他社と差別化すれば良いのでしょうか?
まず、根本的なことですが商品ごとにカロリーを表示するというのは有効的です。例えば、牛丼大手チェーンのすき家のメニューを例に見てみましょう。
すき家:メニュー表
http://www.sukiya.jp/menu/in/gyudon/100100/nutrient.html
どの商品を食べれば何キロカロリー摂取することになるか一目瞭然で、一回の食事にある程度カロリー上限を決めている人にとっては、多品目頼み易いメニュー構成です。
カロリーの表記がないと、どれだけ食べていいかわからず、一つだけにしておこうと考えるパターン容易に想像がつきます。それでは、機会の損失と同意義です。
低カロリーメニューの定番
低カロリーメニューの定番に言えることは、メインとなる炭水化物や糖質を置き換えたものが多いということです。ハンバーグであればタネに豆腐を使う、麺類は糸こんにゃくなど食物繊維たっぷりの素材を使ったものなど、代替食材で工夫されています。
一点注意として、低カロリーメニューはただ単にカロリーさえ低ければ受け入れられるというものではありません。たとえばラーメンに糸こんにゃくを麺として使用すると、従来のラーメンとの違いに拒否反応を示す人もいます。ですが、同じ低カロリーでも低糖質の麺であれば喜んで食べるという場合もあります。このことからもわかる通り、とにかく試行錯誤と工夫することが大切です。
また、牛丼と言えば高カロリーの代名詞とも言えます。普通であればさきほど紹介した健康志向の消費者たちは敬遠してしまうものかと思います。しかし、すき家には定番の低カロリーメニュがいくつか存在し、上手く健康志向の消費者の心を刺激していることがわかります。もっともわかりやすいのが牛丼ライトという商品です。
牛丼なのに268キロカロリーでボリューム感まであるという商品で、ダイエットしたいけどお肉も食べたいしおなか一杯になりたいという欲求に見事に応えています。ほかにもおろしポン酢でさっぱりと仕上げた商品や、かつおぶしとオクラを全面に出した商品などがあります。
男性にも人気!高タンパク低カロリーのメニューとは
低カロリーのメニューは女性がより多く好み、男性はあまり選ばないイメージが一般的にあるのではないでしょうか。同要素を特徴として打ち出しているお店でも女性向けの商品やメニューが多く見られます。
しかし、同じ低カロリー商品でも少し目先を変えて、低カロリーで高タンパク質なものにすると男性ユーザーも取り入れることができます。
たとえば定期的に運動する人や身体を鍛えている人は、余分な脂肪を付けないように筋肉を付けようとするために好まれます。代表的な食材としてよく挙げられるのが鳥肉である、ささみです。
カロリーSlism 鳥ササミ 成分表
http://calorie.slism.jp/111227/
45kcal中、約40kcalがタンパク質であることがわかります。脂肪に代わる主な栄養素である脂質は約3kcalとほとんどなく、糖質に至っては0です。考えられるメニューとしては、栄養素をバランスよく取れる蒸したササミと野菜のサラダ、低カロリーサラダ油で揚げたささみカツやステーキなどは主食としてもおすすめです。
ほかにも牛肉の場合はヒレやモモ肉も低カロリーで高タンパク質なので、メニュー開発の参考にしてみてください。
ちなみにポイントとしては、“お店だからこそ食べられる低カロリー高タンパク質メニュー”にすることです。自宅や自前で用意するものは味気なく、どうしてもボリューム感や満足感の低いものになりがちです。そこで飲食店だからこそ出来る一手間、一工夫を加えた商品を提供することによって、多少割高であってもあそこに食べに行こうと考えてくれます。
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低カロリーのデザートは最強のサイドメニュー
今まで主力商品、メインメニューについて触れてきましたが、次はサイドメニューにおける低カロリーについて考えていきたいと思います。
まず、低カロリーのデザートは魔法のメニューです。
料金よりもカロリーを優先して食事の上限を決めているようなケースでは、心理的に自分へ言い訳が効くことによって追加注文率が高く、締めとしても最適です。多くのテーブル、グループで客単価を上げてくれることでしょう。
業態にもよりますが、軽食を提供しているような店舗の場合、低カロリーのデザートを目当てで来店するお客様もいます。これを原価率の低い、つまりは粗利が大きい商品とセット販売すればどうでしょうか?当然販売率は上昇し、顧客側からすると単品でそれぞれ頼むよりも価格は安く、満足感は上昇します。ほとんど場合、低カロリーのデザートというのは、利益を促進してくれる最強のメニューなのです。
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新たにお店へ低カロリーを取り入れる際の注意点
最後にいくつか注意点についても触れたいと思います。
まず、さきほどの低カロリーデザートの例ですが、客の回転率が下がるケースがあります。店の雰囲気、客層によってはおしゃべりを楽しんで料理はあまり頼まずとなる場合です。対策としては、時間限定のメニューとすることで、特別性を打ち出すとともにこちら側である程度コントロールするという方法が考えられます。
次に、そもそも低カロリーを目当てでやってくる顧客層を受け入れる店づくりが出来ているかどうかです。例えば、ラーメン店で晴れて低カロリーメニューを導入し、低カロリーのデザートも新たに開発したが、もっともヒットする客層である女性が全く来店しないという事態にという場合もあります。実は、お店が油でギトギト、上着を掛けるスペースすらなく、トイレは和式しかありません。これではいくら女性にドストレートの商品があったとしても、実際に利用する人は少ないかと思います。
このように自店舗未開拓の客層にメニューがヒットし、潜在的な顧客を掘り出すことに成功しているのに無駄にしているケースというのは多々あります。もしも改善しているのに結果が出ないという場合は、お店自体に問題がないか考えてみましょう。
例えば、においが気になる場所なら消臭スプレーを常備する、女性専用席を少数でいいから設けてみるなど工夫することが大切です。
まとめ
今回は低カロリーについて一つ掘り下げてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?
一口に低カロリー要素を取り入れると言っても、カロリーと料理品種で商品をグループ化し、カテゴライズして一種の目玉メニューとして打ち出す場合や、全体的に表示を強化して明文化したり、低カロリー+栄養素を組み合わせて提案することによって、新たな顧客層を獲得するなど選択肢は様々です。
ぜひ、低カロリーを上手に取り入れて、利益向上に活用してみてください。少しでも皆さまの気づきとなり、普段の業務や経営の一助になれば幸いです。
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