焼肉店の利益率とは?業態の持つ特徴や利益を増やす方法

開業・経営

飲食店の経営者にとって、店舗のコストを正しく分析し、損益分岐点がどこかを把握し、改善することは非常に重要です。
飲食業界の中でも、焼肉業態は客単価が高く、人件費が低く済むという特徴を持っています。
本記事では焼肉店の利益率について説明します。店舗の開業や経営をするために必要となる観点がいくつもあるため、ぜひチェックしてください。

焼肉店を運営するメリット

焼肉店は仕入れにかかる費用は他業態より高いものの、客単価が高くなりやすく、少ない人件費で店舗を運営できるというメリットがあります。ポイントを一つずつみていきましょう。

客単価が高くなりやすい

一般的に、焼肉店はほかの飲食業に比べ、平均客単価が高い傾向にあります。単品価格を高く設定できるほか、サイドメニューやアルコールドリンクなどの追加注文が多くなりやすいことが理由です。店舗によりますが、ディナーの客単価は3,000円以上となるのが一般的です。中には、客単価1万円を超える店舗もあることから、単価が高く設定できるのは焼肉店のメリットと言えるでしょう。

人件費が低い

焼き肉店では客が自ら肉を焼くため、厨房の負担が少なく済みます。「カルビなどの食材にタレをつけて出すだけ」という、アルバイトでも提供できる商品が多いのが特徴です。
人件費を抑え、食材費にコストをかけてより美味しい食材を提供するのが、焼肉店の一つの成功パターンと言えるでしょう。

フードロスを抑えられる

焼肉店はほかの業種に比べ、使用する食材自体が少ないことから、仕入れに対する廃棄の比率が低い傾向にあります。特に、メイン商材である肉は冷凍保存ができ、提供時に解凍することができます。また、古くなり始めた肉もスープやカレーなどのサイドメニューの材料として利用できます。これらの特徴から、焼肉店はフードロスが出にくいメリットがあります。

焼肉店の利益と利益率

飲食店を経営する上では、売上、経費などの数字を意識し、シミュレーションを実施しながら戦略を立てることが重要です。ここでは、焼肉店の利益について、数字の面から見ていきましょう。

焼肉店の利益

利益とは、売上から経費を引いた儲けのことです。
まず、店舗の利益には「粗利益」と「営業利益」の2種類が存在します。
粗利益は、売上高から商品の仕入れにかかったコスト(売上原価)を引いたものを指します。「売上総利益」とも呼ばれます。
営業利益は、粗利益からさらにその他の諸経費(人件費や販管費、水道光熱費など)を引いたものを指します。ここが赤字ということは、店舗の本業で儲けが出ていないことを示します。

焼肉店の利益率

店舗の経営戦略を考える上では、利益率を計算し他店や前年と比較することが効果的です。
利益率とは、売上高に対する利益の割合です。店舗で実際に発生した利益を、売上で割ることで算出できます。例えば、焼肉店の粗利益率の相場は70%程度が相場とされています。粗利益率が高いということは、原価以上の価値をつけて商品を販売できていることを意味します。
一方、営業利益率は店舗をどのように運営するかで変わります。粗利益率が高いのにも関わらず、営業利益率が低いということは、人件費や広告費など、材料費以外にコストがかかりすぎている可能性があります。

焼肉店の営業利益の事例

では、焼肉店の利益構造について、事例から見ていきましょう。
客数25席・1日に席が1回転する店舗の場合、月間客数は25席×1回転×30日=750人となります。
これに客単価4,500円をかけると、月商は300万円です。
この店の利益率をイメージでみてみましょう。

月商3,000,000比率
原価900,00030%
人件費900,00030%
家賃300,00010%
その他諸経費390,00013%
営業利益510,00017%

コストの中で大きな割合を占めるのは、やはり原価と人件費です。人件費を削減することで、より売上原価に割合を割くことができ、良い商品を提供できます。
こういったことから、人気の焼き肉店をつくるためには、人件費を削減できる仕組みづくりをが大きな要素と言えます。

焼肉店の利益率を上げる方法

商品の値上げは利益率を上げる一つの手法ですが、これだけではお客様はお店から離れていってしまいます。ここでは、焼肉店の利益率をアップさせる戦略を4つ紹介します。

サイドメニューやドリンクを充実させる

利益率を上げるために必要なのが、客単価の向上です。客単価を向上させるのに有効なのが、メインメニュー以外のサイドメニューやドリンクメニューを充実させ、ついで注文を増やすことです。特に、ドリンクメニューは原価が低いことから、注文を増やすことで全体の利益率のアップにつながります。
こういったサイドメニューの充実は幅広い客層の獲得にもつながることから、ぜひ実践しましょう。

客層を見極める

店の立地や客層を考慮したメニューを提供するのも重要です。例えばビジネス街であれば、ランチメニューを充実させることで昼・夜の客数アップにつながるでしょう。住宅街であれば、ファミリー向けのメニューを充実させることで全体の客数アップにつながるでしょう。こういった客層を見極めたメニュー提供・価格付けを行い、それに合わせた仕入を実施することで、利益率の改善が見込めます。

すべてのメニューの原価率を下げようとしない

集客目的のメニューと利益を得るためのメニューを分けることも重要です。飲食店業界では、原価率が高く割安感のあるメニューで客を惹きつけることを目的とした商品を「集客商品」、原価率が低く利益を得ることを目的とした商品を「収益商品」と呼びます。
全ての原価率を一定にしようとすると、ありきたりなメニュー構成になってしまいます。メニュー開発においては、その商品が集客商品なのか、収益商品なのかをきちんと線引きするようにしましょう。

人件費を抑える

営業利益を確保するためには、原価以外の販管費にも対策が必要です。飲食店の場合は、固定費である人件費を抑えることが、儲かりやすい店舗づくりにつながります。
人件費を抑えるためには、従業員の生産性を上げ、一人あたりができる業務の量を増やすことが重要です。例えば、POSレジの活用や、タブレットを使ったオーダーシステムの導入により、ホールスタッフの人数を少なくし、同じ業務量をこなすことができるようになります。こういった店舗運営に欠かせないシステムは、ぜひ導入するようにしましょう。

焼肉店の利益率を参考に、儲かりやすい店をつくろう

今回は、焼肉店の利益率について説明しました。

焼肉店は人件費が低く、単価を高く設定できるため、高い利益率が見込める業態です。しかし、どんな店舗でもまずは客数を増やし、客単価を高くし、儲けの元となる売上を稼がなければ、利益は残りません。客層に合ったメニューを提供することに加え、集客商品と収益商品の双方を販売しましょう。また、店舗運営のシステムを導入することで人件費を抑え、儲かりやすい店舗の体質をつくりましょう。