飲食店経営に必要な知識とは?経営に必要な資格と開業までの流れ

飲食店開業・経営

競争の激しい飲食業界では、3年で7割ほどの飲食店が廃業します。開業すること自体は簡単だと言われますが、店舗経営を長く続けるには経営ノウハウが必要です。ただ、具体的に何を学べば良いか分からない方は多いのではないでしょうか。

本記事では、飲食店経営の成功に必要な知識、スキル、資格を解説します。オープンまでの流れもご紹介するので、飲食店経営者の方はもちろん、これから開業を予定している方はぜひご確認ください。

飲食店の経営に必要な知識や能力は?

飲食店経営では専門的な知識だけでなく、対人スキルや発想力が求められます。代表的なものは以下の4つです。

経営に関する知識

経営に関する知識は、事業を起こすうえで重要な知識です。事業計画の策定や集客方法の考案など、店舗の収益を増やすアイデアの土台となるからです。また、営業利益率やFLコストなどの経営指標を正しく理解することも大切です。

まず営業利益率とは、売上高に占める営業利益の割合です。この指標により、自分の店舗の利益効率や安定性を把握できます。

次にFLコストとは、フードコスト(食材費)とレイバーコスト(人件費)を合計した費用です。売り上げに対するFLコスト(FL比率)を確認すれば、経営状態の良し悪しを判断することができます。

これらは一例ですが、飲食店経営者とって経営の知識は欠かせない要素だと言えます。

マネジメントに関する知識

マネジメントとは、目標達成に向けてリスク管理をしながら組織を機能させることです。飲食店経営においては、マネジメントに関する知識を活用して、スタッフをまとめる必要があります。

また、スタッフの採用と育成もマネジメントの一部です。適切な人材育成によって店舗の接客や調理レベルが安定すれば、顧客満足度は向上します。

コミュニケーション力

スタッフとのコミュニケーションが上手く取れると店舗運営が円滑に進みます。経営は周囲の協力があって初めて成り立つものであり、コミュニケーション能力の向上、および従業員を巻き込む力は重要です。

同様に、店の魅力を伝えるためには顧客との適切なコミュニケーションが欠かせません。提供する料理や店の思いはコミュニケーションを通じて伝わり、顧客が心地よさを感じることでリピーターになる可能性が高まります。

メニュー開発力

店独自の魅力が伝わるメニューを提供すると、顧客の再来店につながりやすいです。「ここでしか食べられない」メニューを開発できれば、リピーターは増えていくでしょう。また、顧客を飽きさせない工夫として、イベントや季節に合わせた限定メニューを提供するのも効果的です。

飲食店経営に必要な資格と申請

飲食店を開業する際は、各種の資格と申請が必要です。以下では、それぞれの概要を解説します。

食品衛生責任者

食品衛生法に基づいて、食品営業施設において衛生管理の責任者として選任される人のことです。食品衛生協会が開催している講習会を受講すると資格を取得できます。食品衛生責任者が必要な理由は、飲食業において食中毒などの発生を防止し、食品衛生法の遵守を徹底するためです。

防火管理者

多くの人が利用する建物において、防火管理上必要な業務を行う人のことです。建物の収容人数が30人以上の場合は防火対象物と見なされ、防火管理者を選任する必要があります。日本防火・防災協会が開催している講習を受講すると資格を取得できます。

保健所への届け出

保健所には、飲食店営業許可を申請する必要があります。飲食店営業許可は飲食店が営業するために必ず取得しなければならないもので、大まかに事前相談、書類提出、立ち会い検査の流れで交付されます。

消防署への届け出

火を扱う飲食店の場合、消防署で以下の4つの届け出を申請します。

  • 防火管理者選任届
  • 防火対象物使用開始届
  • 火を使用する設備等の設置届
  • 消防計画の届出

届け出は消防法で義務付けられており、届け出をしない場合は行政指導や行政処分の対象となります。

警察署への届け出

店舗の営業時間や営業形態によっては、警察署に以下の届け出を行います。

  • 深夜酒類提供飲食店営業開始届(深夜にお酒を提供)
  • 風俗営業許可申請(風俗営業に該当)
  • 特定遊興飲食店営業許可申請(深夜に遊興とお酒を提供)

必要な届け出が判断できない場合は、警察署の担当者に確認しましょう。

開業に関する各種届け出

飲食店の開業時には、ここまでご紹介した以外にもさまざまな届出が必要です。必須ではないものもありますが、自店舗に必要な届け出や手続きは怠らないようにしましょう。

例えば、税務署への開業届、スタッフを雇用する際の労災保険や雇用保険、社会保険の加入手続き、法人の場合は法人設立届出書、青色申告承認申請書などが必要になります。

飲食店開業の流れ

最後に、飲食店開業までの流れを8ステップでご紹介します。これから飲食店経営をしようと考えている方にとっては、オープンまでの流れも重要な知識です。

Step1.コンセプトを設計する

コンセプト設計で、目指す飲食店の特徴やイメージを明確にします。コンセプトが定まれば、ターゲット層やメニュー、内装、販促などの方向性が見えてきます。ターゲット層に刺さるものを調べたり他店と差別化を図ったりするためには、リサーチする能力が必要です。

Step2.物件を探す

資金調達より前のタイミングで物件を探しましょう。融資をお願いする際には業種、立地、物件の家賃などの情報が必要になるためです。魅力的な物件が見つかったら、仮押さえします。なお、物件の契約後に希望する内装・外装工事ができないことがわかるケースもあるので、物件探しの段階で内装・外装業者に同行をお願いすると安全です。

Step3.資金を調達する

必要な開業資金が算定できたら資金調達の方法を考えます。店舗の経営が軌道に乗るまでは資金繰りに苦労するケースも多いため、当面の運転資金(人件費、仕入原価など)や生活費を準備しておくと安心です。一般的に自己資金だけで開業するのは難しいため、日本政策金融公庫に融資を申請したり、補助金や助成金などの制度を利用したりすることになります。

Step4.メニュー開発を行う

提供するメニューの開発を行います。メニュー作りのコツは以下の通りです。

  • 店舗のコンセプトを意識する
  • 競合店の商品と被らないようにする
  • 対象顧客のニーズを汲み取る

これらを踏まえつつ、食材選びや価格設定を行ってください。また、原価率を抑える方法を模索するのも重要な作業です。

Step5.内装と外装を設計し施工する

店舗のコンセプトに合わせた内装・外装を施工します。内装・外装工事会社に外注する際の注意点として、飲食店の設計・施工の実績が豊富な会社を選ぶようにしましょう。内装・外装はお客様からの印象を左右するため、業者選びは慎重に行うのがポイントです。

Step6.スタッフを採用し教育する

開業1ヶ月前くらいになったら、スタッフの求人・採用活動を始めます。マニュアルなどを活用しつつ、調理や接客がスムーズに行えるよう指導し、万全の状態でオープンを迎える準備をしてください。

Step7.開業手続きや届け出を行う

各所で必要な手続きと届け出を行います。飲食店の業態によりますが、保健所、消防署、警察署、税務署など、さまざまな官庁に届け出をします。なお、資格がなければできない手続きもあるので、必要な資格は早めに取得しておきましょう。

Step8.オープン

いよいよオープンですが、開業2週間前〜2日前の間に数日間のプレオープンを行うことをおすすめします。プレオープンとは、関係者や店舗近隣のお客様を対象に、無料あるいは割引価格でサービスを提供することです。従業員同士のロールプレイングも大切ですが、実践でしか見えない問題点や課題が浮き彫りになります。

また、同時期にチラシ配りやポスティング、Webサイト、SNSなどで販促活動を行いましょう。店舗の顧客層を考慮し、効果的な宣伝方法を選ぶことが大切です。

飲食店経営には多様なスキルと知識が必要です

今回は、飲食店経営や独立開業を成功させるヒントを解説しました。飲食業界は廃業率が高いため、開店前の事前準備は念入りに行い、開業後も本記事でご紹介したような知識・スキルを磨くことが重要です。

既に開業している方は日常業務を並行して行いつつ、マーケティング知識、マネジメント知識、コミュニケーション力、メニュー開発力のうち、不足している部分があれば学び直すのも良いでしょう。

また、将来的に飲食店経営を検討している方は、経営に関連する基礎知識や資格の勉強が必要です。上記の8ステップを参考に開業準備を進めてください。


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