飲食業界の経営者には、売上データなどから店舗の状況、お客様のニーズを分析し、経営戦略を立てることが求められます。
しかし、こういった分析においてはノウハウが必要です。
本記事では、飲食店の経営者が知っておきたい、おすすめの分析手法を紹介します。後半では飲食店の経営を成功させる戦略のポイントも解説しますので、最後までチェックしてください。
飲食店の戦略立てに有効な分析手法
昨今、POSレジなどの経営管理システムの活用によって、簡単にデータの把握・分析ができるようになりました。まずは、飲食店で使える分析手法をみていきましょう。
FLR比率
飲食店の売上を分析するための指標として、FLR比率(%)が挙げられます。
FLRとは、飲食店にかかる主なコストである「Food(食材費)」「Labor(人件費)」「Rent(家賃)」の頭文字を取ったものです。これらの合計を売上で割ることでFLR率を出すことができます。
FLR比率=(食材費+人件費+家賃)÷売上×100
FLR比率は低いほど利益が高いことを示しています。一般的に、飲食店においては材料費と人件費が60%、家賃10%が理想とされています。店舗の業態やターゲット層によってこの比率は異なりますが、自店においてもFLRそれぞれの目標比率を設定することで、具体的な施策が生み出しやすくなります。
4P分析と5P分析
マーケティング戦略でよく用いられる分析方法として、4P分析と5P分析があります。
4Pとは、「Product(商品)」「Price(価格)」「Place(立地)」「Promotion(販売促進)」の頭文字を取ったものです。商品の提供を以下の要素に分けて考えることで、体系的な分析が可能になります。
- Product(商品):どんな商品を提供するか
- Price(価格):商品をいくらで提供するか
- Place(立地):商品をどのように提供するか
- Promotion(販売促進):商品をどのように告知するか
また、5P分析は、4Pに「People(人々)」「Package(梱包)」「Process(業務・手順)」「Popularity(人気・大衆性)」のいずれかを加えたものです。飲食店においては、以下のような視点が挙げられます。
- People(人):スタッフ・顧客など、商品提供に関わる人を広く分析します。
- Process(業務・手順):商品提供に至る業務プロセスを分析します。
- Package(梱包):商品のパッケージやデザインを分析します。
- Popularity(人気・大衆性):「多くの消費者に受けいれられるか」という大衆性を分析します。
自分だけで漠然と集客方法を考えるのではなく、こういったフレームワークを用いて、体系的な分析を行ってみるとよいでしょう。
売上アップにつなげる飲食店の戦略
売上アップには大きく、客数の増加と客単価の向上両方が必要です。これらを達成するためには、複数の戦略を実施することが重要です。具体的な営業施策を紹介します。
テイクアウトやデリバリーサービスを始める
飲食店では、店内の席数によって客数の上限が決められてしまいます。ランチ・ディナーという限られた営業時間の中では接客できる数に限りがあるため、それ以上の売上は見込めません。
しかし、テイクアウトやデリバリーサービスであれば、客数の制限を受けずに売上を伸ばすことができます。昨今ではウーバーイーツなどのデリバリーサービスが発達し、デリバリーに参入しやすくなりました。周辺地域のニーズに合わせたデリバリー用のメニューを用意しましょう。
宣伝を行って情報発信をする
昨今では、集客方法として口コミグルメサイトやSNSへの投稿が主流となりました。
これらのデジタルな媒体は、看板などの媒体と比べて少ない費用で利用することができます。
新規の来店客は、口コミを来店の参考にする場合が多いため、口コミをチェックし、よいところを伸ばし、悪いところを改善する変化を続けることが重要です。クーポンの登録や予約機能を利用できる口コミサイトもあることから、店舗への問い合わせ対応の手間を減らす効果も期待できます。
SNSは、情報の拡散効果が高いのが特徴です。店舗で提供する料理や食事風景をUPすれば、他のユーザーが拡散して広く告知できる可能性があります。
新規顧客の獲得を目指す
リピーターの定着と同じくらい重要なのが、新規顧客の獲得です。新規顧客を獲得するためには、目を惹く魅力的なイベントを開催することが有効です。イベントの例としては、春夏秋冬やハロウィン、クリスマスといった季節に応じたイベントや、それらの時期に期間限定メニューを提供することなどが挙げられます。
ちょっと行ってみようかなと思わせる仕掛けを、シーズン毎に考えてみるのがよいでしょう。
飲食店の経営を成功させる戦略のポイント
飲食店を開業する上で心がけなければいけないのは、自店のブランディングをしっかり確立すること、コストに対する意識を持っておくことです。それぞれポイントを確認しましょう。
店のブランディングを行う
飲食店を成功させるために、競合他店との差別化は必須です。
他店と差別化するためには、自分の店のコンセプトを明確にし、打ち出すことが重要です。コンセプトを確立するのは容易ではありません。自分の店の強みはなんなのかをしっかりと把握し、強みに繋がっていないものは削ぎ落とすことが重要です。自己分析を行い、自店の強みを認識しましょう。そして、その強みを最大限に発揮できる外装、インテリア、メニュー、接客を提供することを心がけましょう。
QSCを向上させる
QSCとは、飲食店には欠かせない3つの要素「Quality(クオリティ)」「Service(サービス)」「Cleanliness(清潔さ)」の頭文字を取ったものです。繁盛する店舗は、このQSCを高いレベルで達成している傾向にあります。
- Quality(クオリティ):品質の高い商品を安定して提供する
- Service(サービス):お客様が来店から退店まで快適に過ごせる気遣いを提供する
- Cleanliness(清潔さ):店舗の内外、料理、スタッフにまで清潔感を出す
QSCを向上させるためには、店長だけでなくスタッフにまでもこの概念を浸透させる必要があります。「料理は10分以内に提供する」「シャツは毎回クリーニングに出す」など、QSCを達成するためのマニュアルを整備し、順守することもおすすめです。
コストを抑える
飲食店経営においては、高い利益率を維持する仕組み作りが大切です。
そのためには、不要なコストをかけすぎないことが重要です。もちろん、何もかも経費削減をしていては、お客様が魅力を感じない店舗になってしまいます。メニュー作りにおいては、原価を抑えた高収益商品と、原価をかけた集客商品の両方を作り、メリハリをつけましょう。
また、フードロスを少なくする工夫を行いましょう。単一の食材で色んなメニューを作れるようにしたり、在庫管理を行い客数やメニューに対応した発注量にとどめる訓練を行いましょう。
最新機器を活用して飲食店の戦略を立てよう
今回は、飲食店の経営者が持っておきたい戦略について説明しました。店舗の戦略を立てるには、自店の売上やコストを細かく分析しなければなりません。こういった分析をするためには注文や会計などの業務をデジタル化(DX)することが効果的です。
POSレジなどの飲食店支援システムを活用すれば、分析が簡単にできるようになります。また、日々の通常業務が効率化されるため、分析に充てる時間も作ることができます。一度試してみましょう。
【店舗経営においてはPOSレジが欠かせない】
店舗を経営するにあたって、今やなくてはならないのが「POSレジ」です。POSレジ一つで日々の業務効率化だけでなく、売上管理・分析等を行うことが出来ます。
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