飲食店を繁盛させようと思った時には料理や接客のレベルを上げることが大前提ですが、それがそろった状態でロケットエンジンに火をつけるのは販売促進です。その中でも主な方法はインターネットと、そして多少かつてより反応は落ちているとはいえ、押さえておきたいのが販促チラシです。これについては既に実施している経営者の方もいるでしょう。
その時に気になるのがチラシの内容もそうですが、何より印刷コストです。従来はそれを印刷屋さんに注文していましたが、やはりコストが1枚当たり5円以上はかかり、これをいかに安くするかが頭の悩ませどころでした。
しかし、今そのチラシをインターネットで注文できるサービスがどんどん増えてきているのをご存知でしたか。それであればコストは何と半額近くにまで落とせるのです。
しかし「安かろう悪かろうでは困るよ」という方もいるでしょうから、ここではネットでチラシ印刷ができるサービスの安い理由と上手な活用方法、そしておすすめのサービス会社をご紹介します。
ネットでチラシを印刷する4つのメリット
メリット1:とにかく安い!従来の印刷費の半額も可能
ネットでチラシを印刷して作成することの最大のメリットは何といっても安さです。 過去の実績から見ると、3万枚印刷の場合、デザイン代を2万円ほどかけたとして総額は最低でも15万円ほどはかかっていました。
1枚当たり5円です。しかしこれをネットで印刷すると、最低価格で提供するサイトでは1枚当たり2.4円と半額以下が可能です。これにはデザイン代が入っていませんが、それでも総額で5万円以上は安くなる計算です。これはただでさえ利益率が低い飲食店の経営の上では大きいです。
しかし一方ではコストの安い印刷はその分クオリティを落としているのではないか、「安かろう悪かろう」なのではないか、というところも心配です。ところが、このコストの安さにはそれができるだけの理由があるのです。それをご紹介しましょう。
まず1つは営業マンがいないので、その分の人件費がかかっていない、ということです。今までの印刷会社はその規模に応じて複数の営業マンを置き、その営業マンが注文主を訪問して企画から印刷内容の打ち合わせ、そして校正を行ってしました。そのため非常に人件費の比率が高かったのです。
しかしネットでの印刷サービスの場合は、それらはすべてネット上で行われます。印刷をしたい人が、自分でサイトにアクセスをし、紙のサイズ、質、厚さ、枚数、加工を決め、デザインを入稿する方式です。デザイン入稿後の校正などのやり取りも、メールかまたは1社に1人程度で対応している担当者との電話です。このことによって安さが実現しているのです。
2つめは、自前の印刷機を持っていないということです。ネットでの印刷サービスのほとんどは自前の印刷機を持っていません。それでどうやって印刷しているかというと、全国数十社の大型輪転機などを所有している印刷会社と提携して、ネットで受けた注文の印刷と発送の委託をしているのです。
大量の印刷をするのであれば大型の印刷機が必要になりますが、これは最低でも1台1000万円、大型の輪転機の場合は億単位の投資コストになります。さらにここにオペレーターの人件費、年間の維持コスト、保守コスト、印刷工場の賃料、保管倉庫の賃料などのコストが乗ります。それを考えると、相当の注文を受けないとペイしません。
しかしネット印刷の場合は、この費用が委託費用以外全くかからないので、その分コストが非常に安くできるのです。
3つめは、受託する側の印刷機を持った印刷会社との問題ですが、印刷機械というものは当然ですが稼働すればするほど1枚当たりの費用が安くなります。極論すれば、年間の総コストが1000万円かかる印刷機で年に1000枚しか印刷しなければ1枚当たりのコストは1万円です。しかし1000万枚印刷すれば、1枚当たり1円になります。
つまり、どの印刷会社も「印刷機の稼働をいかに止めないか」ということが死活問題なのです。ほとんどの印刷会社は基本的に大手雑誌社などの印刷物を優先して稼働スケジュールに組み込みます。しかし、それは注文主の作業の進行に左右されるので、全く隙間なくスケジュール化するということはできません。
ネット印刷は、その隙間に自社の注文をすべり込ませているのです。受託側からすれば、稼働しなければ利益を生まない、コストも吸収できないわけですから、そこを埋めてくれるのであればかなり安くても注文を受けます。ちょうど、閑散期のホテルが通常よりもかなり安く宿泊料を抑えて部屋の稼働率を上げるのと同じです。これによって、ネット印刷はかなり安い委託費用で印刷してもらうことを可能にしているのです。
ただこうすると、「スケジュールに隙間がないと印刷できない」ということになるので、ネット印刷のサービス会社は大手印刷会社10社以上と提携して、必ずどこかの会社では希望に沿ったスケジュールでの隙間を見つけられる体制にしているのです。
いかがですか。ネット印刷は「安かろう悪かろう」ではなく、大手印刷会社のきちんとした印刷機を使って、むしろ高いクオリティで印刷しているにも関わらず安く印刷ができる、ということがお分かりいただけましたでしょうか。
メリット2:短納期!早ければ最短1日で納品
2つのメリットは、発注、入稿してから納品までの期間を非常に短くすること可能、ということです。 従来の自前の印刷機を持っている印刷会社の場合は、以下のような流れで納期が決まっていました。
- 注文主が、営業マンと打ち合わせる
- その内容が決まったら、見積もりが出てくる
- 見積もりにに納得したら、希望納期と一緒に発注する
- 営業マンは自社工場の印刷機の空き具合を確認し、いつ印刷できるか調整する
- その結果、スケジュールを組み、注文主に伝える
- 注文主が納得したら、正式発注する
以上で見るようにスムーズに進んでもざっと6つのステップがありました。しかしネット印刷の場合は、これらはすべて事前にネット上に表の形で注文主に示されています。つまり、何枚の注文であれば単価はいくらで、納期は中何日、ということが初めからわかっているのです。注文主はそれを見て自分で判断するだけですから、この6ステップは全く不要です。
そして、上記で書いたように常に印刷機を押さえられるネットワークを作っているので、非常に短納期で納品することが可能なのです。現在、価格と内容によっては、注文した当日の納品まで可能になっています。
メリット3:便利!24時間ネットで注文可能
ネットでの注文ですから、「24時間対応」です。営業マンに連絡してアポを調整して、ということは全く不要です。ですので、こちらの都合ですべてを進められる、ということが3つめのメリットです。
メリット4:従来の印刷会社との同等のサービスが受けられる場合も
従来の多くの印刷会社の場合、新聞の折り込みを行う販売店や、ポスティング代行業者とのネットワークを持っていて、印刷会社にチラシの印刷を頼むと折込地域の提案や手配なども併せてしてくれていました。当初ネット印刷の会社にはそのような機能はありませんでしたが、最近はそれらも含めてワンストップで折込チラシやポスティングチラシが実施できるサービスを行うところも出てきました。
ネットチラシ申し込みの手順
このようなネット印刷は、そのサイトにアクセスし、フォーマットに沿って入力するだけで注文できるのですが、念のためネットでのチラシ印刷の申し込みの流れを簡単にご紹介しておきます。
- サイズ、枚数、色数、納品または新聞折込希望日をフォーマットに記入し送信する(メール対応の会社もあり)
- 請求金額がメールで通知される
- クレジットカードなどで支払う。会社によっては請求書の発行も可能。
- 原稿制作→確認 ※チラシ原稿を注文側で用意し、PDF、ワード、イラストレーター、エクセル、フォトショップなどで入稿すれば、このステップは不要 パソコンが苦手な場合は、紙に書いてファックスでの対応をしてくれる場合もあり
- 制作開始
- 初稿がメールで送られてくるので校正。OKであれば印刷。
- 納品
ネットチラシを利用する場合の注意点
このように非常に使い勝手がよく、かつコスト的にも助かるネット印刷ですが、しかし利用するうえではいくつか注意点もあります。それについてご説明します。
最安価格に惑わされれないこと
ネットで見ていると「業界最安値!」などと大きくキャッチフレーズを出しているところや、「A4チラシ1枚3円から!」などと金額を訴求しているところがあります。しかし、これはたとえば「A4片面・白黒・原稿持ち込み・10万部・納期1週間」などのように、ある限定された条件の場合のみの価格であることが多いのも事実です。
また業者を比較してもA4の場合はこちらの会社が安いがB4はあちらが安い、という場合も多いです。 ですので、自分の発注したい内容を明確にして、それで各社の料金比較をすることが、本当に1番安いところを利用するためのポイントです。
こちらの希望に100%合わせられないことも
ネット印刷は安いですが、これは印刷形式やサイズなどの展開を絞り込んでいるから、ということも反面あります。ですので、こちらが紙質やカラーの風合いなど、何らかのこだわりを持って印刷したい場合は、それに対応していない場合も多いです。
実物の見本を確認できない
また、ネット印刷には「試し刷り」がありません。原稿の確認方法は、メールで送られてきた原稿をパソコンのディスプレイで見るか、自分の持っているプリンターで印刷して見るか、しかありません。しかし、色味などはディスプレイによっても違いますし、印刷の場合もプリンターの機能によって全く実物と違うことはしばしばです。また、紙質、紙の厚さ、大きさなども確認できません。
ですので、仕上がったものを見たら考えていたものと全然違った、ということもあり得ます。特に飲食店のチラシで料理写真を載せた場合、その色味が全く美味しそうに見えない色で出てしまっていたら、チラシの効果も半減します。しかしそういうデメリットがつきものなのがネット印刷なので、利用する場合はそれを理解したうえで行いましょう。
再現性が低い場合がある
また、前回頼んだ時の仕上がりには満足したからといって、「同じもの」を発注しても、今度は全然違ったものが上がってくることもあり得ます。それは先ほど書いたように、ネット印刷は多くの提携している印刷会社の印刷機の空き時間に印刷してコストを抑える方式ですから、前回の印刷工場と今回の印刷工場が違う場合も多々あるのです。
そうなると、印刷機も違う、オペレーターの技術も違う、印刷工程も違う、などの要因が重なって、全く違うものが仕上がることもあるのです。つまり再現性の点ではかなり低いということも注意点です。
相手は印刷のプロではない
ネット印刷サービスを提供している会社は「印刷会社」ではありません。正確に言うと「印刷仲介会社」です。ですので、印刷に関しての知識ははっきり言って深くありません。もちろん基本的な部分は押さえていますが、しかし細かい要望を印刷工場に伝えてそれを間違いなく実現することや、印刷する上での相談ごとへの対応、などはかなり難しいでしょう。
特にデザイン込みで依頼する場合は、一応デザイナーを雇ってはいるでしょうが、どこまで飲食店の販促に詳しいかというと非常に疑問です。どういう文言やデザインなら集客できるか、他の飲食店での成功事例を参考に提案する、などのことはほぼ無理でしょう。ですので、そういうことを期待するのであれば、コストアップを覚悟のうえで本業の「印刷会社」に頼むしかありません。
便利なネット印刷サービスを3社比較
とは言え、やはり安くて便利で速い、ということは捨てがたいメリットです。それを生かせるネット印刷のサービスを3社比較してご紹介します。なお費用は、「A4・両面カラー・コート紙・紙の厚さは73-90kg・1万部印刷・原稿持ち込み」の場合での比較です。
印刷通販JBF
- 料金:26,600円
- 珍しいことに印刷から出荷まで自社工場で一貫生産しています。
- 初回利用の場合は、A4カラー100枚390円というサービス料金が適用されます。
- また利用金額によるキャッシュバックもあります。
- 当日の正午12時までの受付で当日出荷が可能ということなので、やはりこの速さは自社工場ならではでしょう。
グラフィック
- 料金:33,960円
- 印刷技術に定評があり、ある程度のクオリティは期待できます。
- チラシだけではなく、より高度な技術が必要なパンフレットの印刷などにも対応しています。
プリントパック
- 料金:23,390円
- 業界最大手です。
- 印刷見本や用紙見本などのサンプルを取り寄せられるので、事前にある程度の印刷のクオリティの確認ができます。
- 問題がなければ当日出荷も可能です。
まとめ
いかがでしょうか。
販促コストが抑えられる点ではネット印刷は非常に魅力的ですが、しかし安さと引き換えの注意点もあります。利用するときには、その点とリスクをよく理解したうえで行いましょう。
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