近年、Uber Eats(ウーバーイーツ)などをはじめとしたフードデリバリーサービスが急速に普及しています。フードデリバリーは顧客にとって、いつでもどこでも食事を手軽に楽しめる、便利なサービスです。
一方で、飲食店がフードデリバリーサービスをはじめることに、メリットはあるのでしょうか。
この記事ではフードデリバリーサービスの普及した背景をふまえたうえで、飲食店がフードデリバリーを行なうメリットやデメリットについて解説します。
また、人気の高いおすすめのフードデリバリーサービスを比較してご紹介するので、ぜひご参考にしてください。
フードデリバリーサービスとは
フードデリバリーサービスとは、料理を配達するサービスで、出前と同じ意味を持ちます。顧客は電話や専用サイトから料理を注文し、届け先や配達時間を指定するだけで、いつでもどこでも美味しい料理を受け取って食べることができます。
一方、飲食店側はというと、予約を受けたら配達時間に合わせて料理を開始します。直接店舗で接客をしたり、注文管理をしたり、金銭のやり取りをする必要はありません。
飲食店がフードデリバリーサービスを導入するために特別な資格は要りません。フードデリバリーサービス会社に加盟するだけで、デリバリーサービスを手軽にはじめることができます。
このように、飲食店にとってフードデリバリーサービスは意外にも簡単に導入できるものなのです。
需要が高まるフードデリバリー
フードデリバリーは年々、市場規模を拡大しています。
その理由の1つに、共働き世帯の増加が挙げられます。夫婦どちらもフルタイムで働く世帯が増えた結果、各家庭で料理に割く時間は減少し、フードデリバリーサービスの需要が伸びているのです。
また、新型コロナウイルスの影響でフードデリバリーへの需要がさらに高まっています。
2020年5月時点で、フードデリバリーを利用している国内のアクティブユーザー数はおよそ370万人です。これは前年同月と比べて28%増であり、フードデリバリーの需要が急激に伸びていることが分かります。
飲食店がフードデリバリーを導入するメリット・デメリット
フードデリバリーを導入するのはなにかと面倒に思えて、つい腰が重くなりがちな飲食店は少なくないでしょう。しかし、フードデリバリーは一度導入してしまえば、飲食店側に大きなメリットがあるといえます。
ここからは、フードデリバリーの導入におけるメリットとデメリットを、整理してご紹介します。
飲食店がフードデリバリーを導入するメリット
混雑具合を考えずに売り上げを伸ばせる
フードデリバリーを導入すれば、たとえ店内が満席でも売り上げを伸ばすことができます。
デリバリーにおいて、席の開店やホールスタッフの人員を考慮する必要はありません。飲食店側は、注文を受けたら配達時間に合わせて調理し、配達員に商品を手渡すだけです。効率よく売り上げを伸ばすことができます。
知名度を上げやすい
フードデリバリーを導入すれば、フードデリバリーの専用サイトに店舗名が掲載されます。これにより、より多くの顧客に自店を知ってもらうことができるのです。
また、「外食はしないが、デリバリーは利用する」という顧客にも自店を知ってもらえる機会が増えます。このように、フードデリバリーを導入することで知名度が上がり、より多くの顧客を獲得できるのです。
商圏を広げられる
店内飲食のみの営業をしている場合、客層は地元地域の住民がメインとなるでしょう。しかし、フードデリバリーを導入すれば、さらに広い範囲の顧客を獲得できる可能性があります。
フードデリバリーのサイトでは、顧客の住所から配達可能圏内にある店舗を表示するのが一般的です。つまり、顧客が自ら足を運ぶエリアよりも広い範囲で飲食店を探すことができます。結果的に、店内飲食のみの営業をするよりも商圏を広く持てるのです。
初期投資が少額で済む
自店で出前サービスを行なおうとすると、電話注文の対応や注文管理に時間をとられます。しかしフードデリバリーサービスを利用すれば、注文を受ける作業から決済までを委託することが可能です。
つまり飲食店にかかる初期費用は、使い捨て容器の代金とサイトへの掲載料金のみです。さらに、サイトへの掲載を無料でできるサービスもあるため、フードデリバリーサービスを利用することで、面倒な手間やコストを抑えることができるのです。
接客を行なわずに済む
フードデリバリーサービスを利用すれば、実店舗で接客をする必要がありません。
また、Uber Eatsのような委託された配達員が料理を配送してくれるフードデリバリーサービスがあるため、こうしたサービスを使えば自店のスタッフが顧客と接する必要がなくなります。
ほとんどのフードデリバリーサービスはネット上で決済が完結できるものが多いため、お金の受け取り時にミスやトラブルが起きるリスクもありません。
飲食店がフードデリバリーを導入するデメリット
配達トラブルが起きるリスクがある
フードデリバリーでは、配達中に中身がこぼれてしまったり、形状が崩れたりするリスクが考えられます。
自転車やバイクで配達をするとなると、細心の注意を払っていても揺れが生じます。このような事態を防ぐには、密閉性の高い容器を使うなどの対策が必要です。
デリバリー用のオペレーションを追加する必要がある
フードデリバリーサービスは専用端末、もしくはアプリを使うものがほとんどです。受注を受けて配送するまでの流れをスムーズに行うためには、こうした利用画面の操作にスタッフ全員が慣れる必要があります。
操作をスタッフ全員に周知することや、オペレーションに慣れるまでは、少々手間がかかるかもしれません。
料理の味や見た目で他店と差別化する必要がある
フードデリバリーで売り上げを立てるには、サイト上で顧客から商品を選んでもらう必要があります。そのためには、商品の見た目や味に対する顧客からのレビューが重要です。
つまり、売り上げを伸ばすには、商品のビジュアルと味を追求する必要があります。接客の質の高さや店内の雰囲気で他店との差別化を図っている飲食店にとっては、やや運用しにくいかもしれません。
おすすめのフードデリバリーサービスを比較
では、飲食店ではどのようなフードデリバリーサービスが人気なのでしょうか。ここからは、おすすめのフードデリバリーサービスを比較しながらご紹介します。
ぜひ、自店に合ったサービスを探しながら、ご覧ください。
Uber Eats(ウーバーイーツ)
国内最大級のフードデリバリーサービス、Uber Eats(ウーバーイーツ)です。
掲載店舗数 |
2,300店舗以上 |
会員数 |
非公開 |
初期費用 |
5万円 |
サービス手数料 |
35% |
配送料 |
50円~ |
配送エリア |
東京・横浜・川崎・埼玉・千葉・大阪・京都・神戸・名古屋・広島・福岡 |
公式サイト |
Uber Eatsは注文の最低料金を設けていないため、1品から気軽に注文する利用者が多いです。また、サービス利用者も非常に多く、自店の知名度を上げるにはうってつけのフードデリバリーサービスといえるでしょう。
ただし、サービス代行料で商品の12%、配送代行料として23%、計35%が売り上げから手数料として差し引かれます。初期費用が5万円と、ほかのサービスよりもやや高い価格設定となっています。
出前館
出前館は掲載店舗数が日本で最多のフードデリバリーサービスです。
掲載店舗数 |
20,000店舗以上 |
会員数 |
830万人 |
初期費用 |
2万円 |
サービス手数料 |
40% |
配送料 |
0円~420円 |
配送エリア |
日本全国 |
公式サイト |
出前館はフードだけでなくお酒を含むドリンクのデリバリーも扱うなど、対応店舗は多種多様です。
Uber Eatsにない店舗を探すために、出前館に登録する顧客は少なくないでしょう。配送料は0円から、そして配送エリアは日本全国と、顧客にとって非常に使いやすいサービスです。このように、大いに集客には期待できます。
ただし、サービス手数料はUber Eatsと比較してやや高く40%かかり、売り上げの40%がサービス手数料として差し引かれます。
楽天デリバリー
大手通販サイトの楽天が運営する楽天デリバリーです。
掲載店舗数 |
12,000店舗以上 |
会員数 |
非公開 |
初期費用 |
5,000円 |
サービス手数料 |
10% |
配送料 |
370円~ |
配送エリア |
日本全国 |
公式サイト |
楽天市場や楽天カード、さまざまな楽天関連サイトから、自店を顧客に紹介してもらえるのが特徴です。ネットワークの広い楽天グループが運営しているだけあって、あらゆる方面から集客ができます。
さらに、サービス手数料は10%です。これはほかのサービスと比較して、比較的安い価格設定といえます。初期費用も5,000円とリーズナブルなので、はじめやすいフードデリバリーサービスです。
LINEデリマ
LINEデリマは、LINEが運営するフードデリバリーサービスです。
掲載店舗数 |
14,000店舗以上 |
会員数 |
2,700万人以上 |
初期費用 |
無料 |
サービス手数料 |
非公開 |
配送料 |
420円~ |
配送エリア |
配送可能な店舗がある地域 |
公式サイト |
LINEデリマは、LINEアカウントを持っていれば手軽に注文ができる新感覚のフードデリバリーサービスです。LINEデリマの注文用アカウントには既に2,700万人以上が登録しており、それだけ多くの潜在顧客に自店の情報を知ってもらうことができます。
また、LINEデリマの最大の魅力は、初期費用がかからないという点です。元手がなくても簡単に導入できるため、試しにフードデリバリーをはじめてみようと考えている飲食店にもおすすめです。
ただし、サービス手数料は非公開のため、資料請求ののちに検討する必要があります。
なお、LINEデリマは2020年12月20日をもって出前館と統合されます。
menu
menuは2020年に登場した比較的新しいフードデリバリーサービスです。
掲載店舗数 |
2,300店舗以上 |
会員数 |
非公開 |
初期費用 |
無料 |
サービス手数料 |
34% |
配送料 |
300円~ |
配送エリア |
東京都一部地域 |
公式サイト |
menuもLINEデリマと同様、初期費用がかかりません。さらに、Uber Eatsや出前館と比較すると、サービス手数料が安いのも特徴です。
ただし、配送エリアが東京都の一部地域と限定されているため、集客力はほかのサービスと比較してやや劣ると考えられます。
しかし、menuはサービスを始めてから間もないフードデリバリーサービスなので、今後配送エリアが拡大し、会員数が増えることが期待できます。
まとめ
飲食店におけるフードデリバリーのメリットや、おすすめのサービスについてご紹介しました。フードデリバリーは、今後も需要が拡大することが予想されます。そのため、今のうちにフードデリバリーに対応する体制を整えておいて損はありません。
また、利用するフードデリバリーサービスを選ぶ際は、手数料など価格面だけでなく、集客力やサービスの使い勝手など、総合的に判断して導入をしましょう。
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