バー開業に必要な費用や資格、準備とバー経営で知っておくべきこと

最終更新日: 2022/06/21
開業・経営

バーのオーナー

最近では、バーの開業をされる方が増加傾向にあります。数十年前までは、バーを経営するのは若い頃から何十年と修行し、お酒の知識やお客様の人脈などを築いてから独立する場合がほとんどでした。しかし、近年は脱サラしてバー経営に乗り出す方が増えているのです。

そこで今回は、人気のバー開業に必要な予算、開業届けなどの準備事項や注意点などを詳しく解説いたします。

バー開業が人気の理由

カクテルを作るバーのオーナー

昨今バーの開業ラッシュが続いているのには、どういった背景があるのでしょうか?その理由を考察してみました。

おしゃれでかっこよいイメージがある

バーは夜の営業が主体になるため、営業の時間帯から考えると、男性で開業を希望されている方の方が圧倒的に多いでしょう。 「BARのオーナー」というとおしゃれでかっこ良いイメージがある、女性にモテやすいというのも背景にあります。

お酒と人が好き

お酒や人との会話が好きな方にとって、バーという場は向いているでしょう。そのような人が、今度は自分が経営する側に回りたいと考えて開業に至ることもあります。

儲かりそうなイメージがある

バーは、カフェや居酒屋など他の飲食店に比べ、ドリンクをメインに提供する業態です。そのため、単純に考えても「バーは儲かる」という発想に繋がりやすいでしょう。

バーにはどんな種類があるの?

バーといってもいろんな種類のバーがあり、どのタイプが自分のコンセプトに合っているかを考慮して開業するといいでしょう。

オーセンティックバー

オーセンティックバーとは格式の高いバーのことを指します。オーセンティックバーには本格的なバーカウンターがあり、経験豊富なバーテンダーが確かな技術でカクテルを作ってくれます。これぞバーという雰囲気を楽しめます。その一方で、大人としての振る舞いが求められます。静かな雰囲気の中でお酒をたしなむ人が多いので、ゆっくり自分の時間を過ごしたい人に向いています。

ショットバー

ショットバーとは、ボトルではなくワングラスずつオーダーを受けて、お酒を提供します。客側はいろいろな種類のお酒を堪能でき、お店側は一杯ずつの料金で注文を受けられます。オーセンティックバーよりも幾分カジュアルな印象のバーなので、気軽に立ち寄れるのも人気のようです。

スタンディングバー

これは名前の通り「立ち飲みバー」です。店内で立ってテーブルだけを囲み軽く一杯飲で帰宅するのに適しています。最近ではこのスタイルのお店が多くなっていますが、椅子がない分装飾をシンプルにでき、お酒も安く提供でき集客数を高められます。

ダイ二ングバー

このスタイルのバーは食事も一緒に楽しむことがメインで、家族や友人とわいわい楽しみながら時間を過ごせると人気のお店です。こちらもいくらかカジュアルな印象のお店ですので、わいわい話ながら盛り上がれる雰囲気のお店もあります。場所によってはちょっとおしゃれな女子会にも向いているかもしれません。

その他

上記のバー以外に、スポーツバー、プールバー、マジックバー、ミュージックバーなど、そのお店のターゲットに特化したバーがあります。

バー開業に必要な資金は?

開業資金の計算

開業に向けて夢は膨らむものの、きちんとした資金計画は経営を維持するためにも欠かせません。

では、開業のための資金額はだいたいいくらぐらいが目安なのでしょうか。一般的にバー開業には1000万円準備するといわれています。では、なぜこれくらいの資金が必要なのでしょうか?「開業するために必要な資金」に500万円、「開業後の運転資金」のために500万円で、最低1000万円ぐらいが必要になってきます。

開業するために必要な資金

「開業するために必要な資金」の内訳としては店舗の保証金の割合が大きく、バーが入るようなテナント用物件では家賃の6ヶ月〜10ヶ月以上が相場だといわれています。例えば、毎月の賃料が20万円であれば初期費用として、保証金だけで120万円〜200万円以上が必要です。さらにバーの開業における物件取得費や改装費の平均は380万円程度といわれており、この時点で500〜600万円以上が必要です。

上記は、新規で物件を借りた場合の費用を目安にしています。もっとコストダウンをして開業するには、以下のような方法もあります。

1.居抜き物件をうまく探す

バー開業のコストダウンをする方法の一つに、居抜き物件(前回の使用者が厨房機器、什器備品、内装をそのままにして退店した店)を使う方法があります。物件の中には、バー営業する方のみに貸したいと家主が考えている場合もあるために、あえて退店状況をそのままにしている事も多いです。こういった居抜きの物件の場合は、内装工事も最低限で済む場合が多いので、設備投資のための費用も削減でき、備品などもそのまま活用できるため大幅なコストダウンに繋がることがほとんです。居抜き物件を専門に扱っている不動産屋もありますので、マメに情報を収集しながら物件選びを行いましょう。

2.バーを譲りたいと考えている物件を探す

バー開業をしたい方も多数いる反面、お店を閉店したい方の割合も多いようです。なぜなら、いざ閉店するとなると、物件の「現状回復費用」に数百万必要になるため、あっさり「止める」と言い出せない事業者も多いのが現状です。こういったお店は思いのほかたくさんあります。その場合は、双方の契約内容・話し合い如何では翌月からでもすぐに営業が可能ですので、お互いにメリットもあり一番手っ取り早い方法かもしれません。

自己資金が不足している場合は、日本政策金融公庫などから融資を受けて資金調達するなど、調達方法も検討してみましょう。こちらの記事も参考にしてみてください。創業計画書、事業計画書の書き方も紹介しています。

融資審査が必要な理由やその仕組みとは?開業成功のためのコツ

開業後の運転資金

「開業後の運転資金」とは、毎月かかる家賃、そして新規開業当初の数ヶ月赤字が続くことを見越した資金のことを指します。店舗経営はいくらか浮き沈みがあり、お金の問題がついてくるのが常ですが、この資金があることで余裕を持たせることができます。また開店後常連客がつき、安定して集客できるようになるにはいくらか時間がかかるでしょう。そのため、運転資金として500万円前後を用意しておくなら、すぐに集客が見込めなくても焦らずにすみます。

バー開業に必要な資格や許可は?

開業について勉強する女性

バーの開業を検討するにあたり、真っ先に考えなくてはならない項目の1つとして、「必ず行っておく申請や習得すべき資格」があります。深夜に営業する飲食店ですから、深夜酒類提供飲食店営業の届出など、さまざまな手続きや提出作業が必要であり、これを怠ると警察のお世話になったり各行政機関から指導や立ち入り検査が入ったりなど、後々面倒なことに発展する可能性があります。バーに限らず、スナックやパブなど深夜営業でお酒を提供するお店はなにかと指導が入りやすいので、日中に営業するカフェなどの飲食店開業と比較して、この辺りの手続きは開店時に完璧にしておくことが重要です。

事前にこれらの情報を把握しておくことで、開業後のストレスも少なくて済むでしょう。

必要な申請や資格

具体的な内容

食品営業許可申請

開業10日〜2週間前までに管轄の保健所に届け出る。場合によっては、保健所の現場検証が入ることもある。

食品衛生責任者の資格

約半日講習を受け、営業開始までに管轄の保健所に届け出る。※調理師免許や栄養士の資格を持っている方は、受講しなくても食品衛生責任者の資格を取得できます。詳細は管轄の保健所に確認してください。

防火管理者選任届

店舗の収容人数が30人以上の物件の場合、管轄の消防署への届け出が必要。

深夜酒類提供飲酒店営業開始届

午前0時以降もお客様に酒類を提供する場合、警察の生活安全課への届け出が必要となる。これを違反すると、風俗営業法違反で摘発を受け、営業も停止になるため必ず届出をしておく。

特定遊興飲食店営業許可

お店でダーツやカラオケなどの遊戯施設を合わせて行う場合、この資格が必要になる。詳しくは、店舗物件を借りる際に業者に確認、不明な点は物件を借りる前に警察署に確認することもできる。

その他、バー開業に必要な準備は?

バーのカウンター

その他必要な準備はもちろん諸々ありますが、最低限以下の点は必須になります。

酒屋の仕入れ先を確保する

お酒の仕入先は、バーの経営の明暗が分かれる大切なポイントです。また、仕入れるお酒によっては酒屋からグラスや備品など、提供品をもらえることもあるので、仕入れ先の酒屋との人間関係を大切にしましょう。酒屋は色々なバーとの付き合いがありますので、さまざまなノウハウなどを情報提供してくれる存在にもなります。

従業員を入れるかどうかを決め、必要であれば人材募集

お店の混雑時に一人で営業していた場合、飲み物の提供が遅れるなど対応しきれない事が多々あります。また、トイレや休憩も頻繁にいけないこともあるので、多少の人件費はかかりますが、1日数時間だけでも誰かに来てもらう方が助かるでしょう。店舗の規模や予想される混み具合を想定した上で募集人数を決定して、求人媒体を利用し開業に間に合うよう人材募集をかけておきましょう。

コンセプト決め

バー営業を開始する前に、きちんとコンセプトを決めておくことも大切です。

そうすることで、お店の宣伝をする際にお店のコンセプトがお客様に伝わり易くなり、SNSや口コミでも広がりやすくなります。

お店のメニュー作り

他店と差をつける大きなポイントはなんといっても、提供するお酒の種類やフードメニューでしょう。どのお店とも大差なければ、お客様は容易に他店に流れてしまいます。食品を提供する予定があればおすすめのフードメニューを考案し、客層・立地や店のコンセプトに合わせて積極的にメニュー開発をしていきましょう。さらに、どんなフードメニューがお店で提供する予定のお酒に合うかなども研究や工夫が必要です。

 

備品準備についてはこちらの記事も参考にしてください。

飲食店開業時の備品リストは?準備しておくべき備品一覧

バーを経営していくにあたり知っておくべきこと

苦労して開業準備を進め、やっとお店をオープンしたら、その次に必要なのは安定したバー経営です。ではバーを経営していくにあたり、どのような事を意識したら良いのでしょうか。

リピーターを増やす

リピート客が増えるとそれだけ集客数も高まり、収益に繋がります。開店後は何かと忙しいとは思いますが、来店してくれたお客さん一人一人を大切にしていく必要があります。最近では、ネットの書き込みなども集客に大きな影響を与えますから注意が必要です。店内での振る舞いにも十分気を配り、顧客に満足してもらえるよう努力することで、徐々にリピーターが増えていきます。

チャージ料

少しでも収益を上げるためチャージ料金をとっているお店もあります。確かに客単価は多少向上しますが、そうすることが客足を遠ざける結果にもなっています。もちろん必要に応じてチャージ料の導入を検討できますが、客層などを見ながらメリット・デメリットをそれぞれ考え慎重に考慮しましょう。

顧客とのコミュニケーション

お客様とのコミュニケーションは収益につながります。オーナーの人柄を気に入ってリピートしているお客様もとても多く、売上を左右すると言っても過言ではありません。機械的な接客がありふれている外食産業が多いだけに、人間味のある接し方や、温かみのある話し方やサービスなどを心がけるなど、ちょっとしたコツで他店と差をつけることができます。店舗経営にあたって接客力やコミュニケーション力を鍛えていくことを忘れないようにしましょう。

まとめ

屋外のバー

バーを開業するために、準備しなければならないことは満載です。バー経営は成り行き任せでは成功しません。開業前の最初の準備をどのくらい計画的にきちんと行えるかが、その後の安定した経営の鍵になります。起業や店舗開業時に受けられる助成金や補助金も多くの種類が存在しており、助成金や補助金のリストは、厚生労働省や経済産業省、中小企業庁のホームページなどから検索することができます。各自治体のホームページも定期的に確認すると良いでしょう。資産状況を現実的によく計算し、しっかり手順を確認しながら計画的に進めるようにしていきましょう。もちろん、夢が現実となる素晴らしい機会でもあるため、楽しみながら準備できるといいですね。

バーを開くために必要な準備は?

バーの開業を検討するにあたり、真っ先に考えなくてはならない項目の1つとして、「必ず行っておく申請や習得すべき資格」があります。深夜に営業する飲食店ですから、深夜酒類提供飲食店営業の届出など、さまざまな手続きや提出作業が必要であり、これを怠ると警察のお世話になったり各行政機関から指導や立ち入り検査が入ったりなど、後々面倒なことに発展する可能性があります。

バーを開くために必要な費用は?

一般的にバー開業には1000万円準備するといわれています。では、なぜこれくらいの資金が必要なのでしょうか?「開業するために必要な資金」に500万円、「開業後の運転資金」のために500万円で、最低1000万円ぐらいが必要になってきます。


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