飲食店開業時の備品リストは?準備しておくべき備品一覧

最終更新日: 2023/03/02
開業・経営
飲食店備品

飲食店を開店させる際の設備投資といえば、キッチンの設備から内装・外装まで、大きなものばかりをイメージしがちですが、椅子や机、食器、料理道具などの備品も必要な設備投資です。食器類や調理道具は種類も多く、何をどのくらいそろえたらいいのかわからないといった声をよく聞きます。

今回は、飲食店でよく使われる備品一覧と、そのなかでも業態別で選定基準が異なり、選ぶ際に迷いやすいと思われる備品をピックアップして解説します。備品をそろえるまでの流れを紹介しますので、飲食店の開業を検討している方は参考にしてみてください。

飲食店開業時に必要な備品リスト

一般的な飲食店で必要な備品リストを紹介します。開店準備の際にチェックリストとしても活用できます。さっそく、リストを見てみましょう。

カテゴリ 備品
厨房 調理台、シンク、冷蔵庫、冷凍庫、食材保管用の棚などの設備
調理機器

炊飯器、電子レンジ、ミキサー、泡立て器 調理用品 スライサー、包丁、まな板、鍋、フライパン、バット、ボール、ざる、タッパー、はかり、計量スプーン、計量カップ、お玉、トング、しゃもじ、菜箸、調味料入れ、キッチンバサミ、缶切り、ピーラー

食器

皿(大・中・小)、皿(大・中・小)、小鉢(大・中・小)、茶碗、汁椀、丸皿、角皿、深皿、パスタ皿、なます皿、コップ、グラス、ワイングラス、カクテルグラス、ティーカップ、コーヒーカップ、ジョッキ(大・中・小)、徳利、お猪口、急須 カトラリー 箸(大人用・子供用)、ナイフ(大人用・子供用)、フォーク(大人用・子供用)、スプーン(大人用・子供用)

エプロン、ユニフォーム
清掃用品(客席用は別途準備) ほうき、ちりとり、ゴミ箱、雑巾
設備 冷暖房設備 ・防犯設備 ・音響設備
照明設備、時計 テーブルや椅子、メニュー表、おしぼり、客席用調味料入れ、卓上ベル
看板などの店頭設備
電話やFAX、コンピュータなどの通信設備
ナプキン入れ、傘立てなどの備品
消耗品 食器用洗剤、漂白剤、手洗い用洗剤、アルコールなどの除菌用品
箸、箸袋
使い捨て手袋、ペーパーナプキン、ふきん、ペーパータオル、トイレットペーパー、ゴミ袋などの消耗品
店頭のぼりなどのサイネージ用品
会計用伝票、文房具
会計機器 レジとロールペーパー
クレジットカードリーダー
オーダーエントリーシステムとその設備
釣り銭トレーや伝票挟み
小型金庫やコインケース、電卓

ここからは、器具と道具に注目して業態ごとに選ぶ基準が違うと思われるものをピックアップしていきます。

リストを手元においてチェックしよう!「飲食店開業時に必要な備品リスト」

業態別の備品選びで「もうひとつのメニュー作り」を

厨房設備は、業態別に専門的な機器と、業態に関係なく共通で流用できる機器があるため、思ったほど選択に悩みません。

しかし、客席や店頭などお客様の目に触れるところは「店の顔」であり、「ひと目で店の内容を語ってくれるもの」なのです。業態別の発想をベースにして店舗イメージを形にしていくことは「もうひとつのメニュー作り」だと意識しておきましょう。

店舗設計時に最も重要になるのは、店舗の「コンセプト」と「統一感」です。「コンセプト」は、お店を貫く基本的な考え方やイメージであると考えればよく、料理の種類や想定される来客層を元に、先行店舗を参考にしながら決めていきましょう。

開業時のコンセプト設計については「飲食店・店舗のコンセプトの考え方。成功するコンセプトの条件とは?」をご覧ください。

「コンセプト」が決まったら、店舗装飾・備品・ユニフォームなどに至るまで「統一感」を出しましょう。たとえば、イタリアンだったらイタリアや地中海の雰囲気を醸し出すようにする、とか、海産品が中心ならば浜辺の漁師町の雰囲気を出すのもよいでしょう。店舗の雰囲気で料理も一段と美味しく、楽しいものとなることをお忘れなく。

ちなみに屋台村のように「統一していないように見える」ことが「コンセプト」というやり方もあるので、柔軟な発想でイメージしてください。

業態ごとに選定基準が異なる備品

接待向けの高級店やバー、庶民的な居酒屋、限られた時間で食事を済ませるラーメン屋、カフェ、ファストフードなど、業態別に飲食店のイメージは異なります。商品の価格帯、営業時間、滞在時間、個客向けかグループ向けかなどによっても店舗イメージが変わってくるものです。

よって備品や設備は、店舗の方向性を決めるコンセプト作りの段階から考えることがポイントです。カテゴリごとに設備の選び方をご紹介します。

テーブルと椅子

テーブルと椅子は、お客様の目に最もつきやすいといえる設備ではないでしょうか。高級感が必要な場合と庶民的な印象の店舗では選び方が異なります。 多くの業態で共通なのは、2人掛けテーブルを多めに配置することです。個客でもグループでも対応できるように、来店人数に応じてテーブルを移動して調整できるようにしましょう。

照明

印象が柔らかくなる電球光の照明機器が、飲食店の客席には業態共通でおすすめです。 初期費用が高くても、ランニングコストや使い勝手を考えるとLEDがいいでしょう。間接照明だけにするか、間接照明とスポットライトを組み合わせるか、ドラマチックな演出になるスポットライトだけを使うかは、業態とコンセプトによって変わってきます。

なお、厨房は、食材がハッキリと見えるように昼光色の照明機材を選びましょう。

壁面

コンセプトにあった色やデザインにすることは当然ですが、経費を掛けようと思えばいくらでも掛けられる部分です。開業当初は凝りすぎず、ストレートにコンセプトが伝わるようにするといいでしょう。掃除やメンテナンスが楽なことも考慮に入れてください。ちなみに、厨房はステンレスボードで統一しておくと掃除が楽なうえに、衛生面でも効果的です。

店内の床材は、雨の日対策をはじめ、掃除やメンテナンスまで意識した選びかたが大切です。なお、厨房の床は滑らないことと油に強いことが何より大切です。モルタル打ちっぱなしのほか、床用の硬質ウレタン塗装を施してもいいでしょう。

音響

一般的には有線放送業者と契約しますが、コンセプトにあった音源が確保できそうでない場合は途切れることなく流れ続ける長尺の音源を自作します。曲の選定・構成は、あくまでも来ていただきたいお客様の思考を意識することが大切です。

BGMについては、「店内BGMサービスはどれがおすすめ?USEN、モンスターラボなど6つの店舗向けBGMサービスを比較」を参考にしてください。

調理機器や食器などの備品はいくつ必要で、どこで買う?

用意すべき調理器具や食器類の数は、店舗の収容人数やメニューによって変わりますが、いつも使う食器の目安は、ピーク時の回転数をアルファとすると席数×アルファになります。業態別にピーク時の予測客数や注文数がどの程度になるかを基準にして、購入する数量を判断しましょう

購入の際は、備品を扱っている会社を店舗装飾業者に紹介してもらうか、通販サイトで注文するのがよいでしょう。東京であれば台東区の合羽橋道具街が、業務用の調理器具がそろっており実際に見て確認できるためオススメです。資金的な制約がある場合は、中古品を検討するのも一案です。

飲食店の備品リストの中でもこだわりたいものは?

備品のなかでも、特にこだわるべきものはお店のコンセプトによって変わります。以下でチェックリストのうち、よく考えて選ぶべき代表的な備品のカテゴリを紹介します。

スイングドア

お客様へ提供する商品を持ったままドアに触れると、危ないだけでなく衛生面でも問題を引き起こす可能性があります。 原則、厨房と客席との間に「手で開閉」する扉は設置せず、スイングドアや暖簾を使用しましょう。

厨房内の備品

厨房内には、できるだけカビや雑菌の温床になる可能性がある木製の備品は置かないように心がけましょう。

レジ

飲食店はただ商品を売るだけでは繁盛しません。どの商品が売れているのか、在庫の状況はどうかといった売上データの分析を行なって効率のいい運営を探求することで、やっと繁盛店の仲間入りができるのです。

特にこれから開業するなら、タブレットやスマートフォンを使ったクラウドタイプのPOSレジの採用を検討しましょう。このタイプなら、オーダーから会計まで一元化できるうえに、クラウドネットワークを使ったデータ集計や経理業務までシームレスに活用できます。POSレジについて、詳しくは「iPadがレジになる!? 高機能で使いやすいタブレットPOSレジの紹介」に記載しております。

ユニフォーム

コンセプトに合わせることは当然ですが、どんな場合もできるだけ半袖や七分袖が望ましいのがユニフォームの鉄則です。このタイプなら、袖に料理がつくなどの事故が起こりにくくなります。 また、髪の毛が料理に混入する事故を防ぐため、必ず帽子やバンダナなどで髪の毛を隠すようにしましょう。

飲食店の備品を計画的にそろえる方法

飲食店を運営には、料理道具、客席やレジの備品、消耗品などが必要です。オープン直前になってすべてそろえるのは難しいため、あらかじめ計画を立てて、数ヶ月前から備品の購入を開始しましょう。

備品を準備する時期

オープンする2ヶ月前には、備品の購入を完了させておきましょう。

飲食店の運営に必要な備品は数多くあります。オープンの直前になって慌ててしまわないよう、計画的に備品をそろえることが大切です。

また、備品を計画的にそろえるためには、下記のステップ通りに進めると良いでしょう。

備品を準備する際のステップ

1.始めは必要になる備品をカテゴリごとに書き出し整理する

まずは、必要な備品リストを書き出しましょう。リストを作る際は「レジ」「厨房」「客席」などのカテゴリごとに書き出すと、整理がしやすくなります。また、書き出す以外にも、チェックリストを使って必要だと感じた備品に印を付ける方法もおすすめです。

2.書き出した備品の必要数を決める

次に書き出した備品の必要数を決めます。備品によって必要数は異なると同時に、購入にかかる費用も計算しておくと良いでしょう。ある程度の費用を見積もっておくことで、予算と照らし合わせながら必要数の調整ができます。

3.備品ごとに購入するお店を決める

備品は必ずしも1つのお店でそろうわけではありません。複数のお店で価格を比較しながら、購入するお店を決めます。特に飲食店向けの備品取扱業者はおすすめです。飲食店向けの備品を専門的に取り扱っており、効率よく備品が集められます。

4.予算に合うよう備品を購入する

お店を決めたら予算に合うよう備品を購入しましょう。特に資金に限りがある場合は、希望する備品がすべて購入できない場合もあります。本当に必要な備品を買いそろえ、開業後に困らないよう準備を進めることが大切です。

飲食店を開く際は備品リストを要チェック!

飲食店で必要な備品リストを紹介しましたが、もちろんすべてを購入する必要はありません。 まずは最低限必要な備品だけを購入して、新たなものが必要になった時に買い足していく方法がおすすめです。

必要な備品の数量はお店のコンセプトや規模によって異なりますが、ある程度は想定することもできます。実際に必要になった場合に備えて、どのくらいの期間で確実に追加できるか、あらかじめ確認しておきましょう。

また、大事な財産を守っていくためのメンテナンスもこまめに行うことが大切です。 大型の設備やPOSレジなどは、買い替えも手間がかかります。是非この記事やリストを参考にして、あなたのお店にはどんなものが必要か、じっくり考えてみましょう。

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