カフェのコンセプトが決まっていなければ、競合店との差別化がしにくい、事業方針の決定に迷う可能性があるといった問題が起こる可能性があります。カフェを開業すると決めたら、店のコンセプトを考えるところから始めてみましょう。今回は、カフェのコンセプト作りの重要性や基本的な考え方、コンセプト決定時の注意点をご紹介します。人気店を目指すため、店舗の魅力が伝わりやすいコンセプトを考えていきましょう。
カフェ経営でコンセプトを決めておく重要性やメリット
カフェ経営においてコンセプトが重要とされるのは、どういった理由があるのでしょうか。まずは、コンセプトを決めておくべき理由やメリットをチェックしていきましょう。
競合店との差別化を図りやすい
カフェ経営を成功させるためには、競合と異なる魅力を打ち出していくことも大切です。ただ飲み物や食べ物を提供するだけではなく、他店にはない個性を加えられるように考えていくと良いでしょう。コンセプトがあることで個性が際立ちやすくなり、競合とは違う部分に興味を持つ顧客を集められるようになるはずです。
事業計画の立案に役立つ
コンセプトが定まっていると、カフェ経営の方針に一貫性を持たせやすい点がメリットです。指針となるコンセプトが決まっており、ビジョンがはっきりしていると、適切な事業計画を立てやすくなります。経営を続けるなかで方針に迷うシチュエーションに遭遇するかもしれませんが、そういうときこそコンセプトが役立つでしょう。
新規顧客、リピーターの獲得につながる
店のカラーがはっきりと出ているカフェは、顧客の目に留まりやすいともいえます。斬新なコンセプトが話題を呼び、集客につながることもあるでしょう。カフェのコンセプトを気に入ってもらえた場合は、再来店も期待できます。リピーターを獲得するためにも、はっきりとしたコンセプトを考えておくことがおすすめです。
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カフェのコンセプトを考える際に役立つ「5W2H」
カフェのコンセプト設定には、「5W2H」の考え方を用いるとイメージしやすくなります。5W2Hとは、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)How much(いくらで)、How(どのように)のことです。それぞれの内容を細かく考えていくことで、具体的なコンセプトが定まります。こちらでは、5W2Hの考え方に沿いながら、コンセプトの作り方をご紹介します。
Who (誰に)
カフェの経営はお客様ありきで成り立ちます。どのような人に向けてカフェのサービスを提供したいかを考えてみましょう。
ターゲット層を絞っておくことで、営業時間や提供するメニュー、店の内装などを決めやすくなります。ターゲットのペルソナは、年齢や性別、職業など、具体的に決めると想像しやすいはずです。以下のように、自店舗に呼び込みたい顧客像を考えてみましょう。
・ペットが好きな20代~30代の女性
・静かな雰囲気を好む40代~50代の男性
・SNSを楽しんでいる10代~20代の学生 など
例えば、「ペットが好きな20代~30代の女性」には、ペットを連れて来店できるカフェが喜ばれると想像できます。飼い主向けのスイーツやドリンクだけではなく、ペットも食べられるフードを用意して、一緒に食事を楽しめるカフェをコンセプトに設定するのも良いでしょう。
Why (なぜ)
カフェの利用者は、何か理由があって店を訪れるはずです。ターゲットに見合った来店動機を作ることができれば、利用者を増やすことにつながります。例えば、ターゲットが「読書好きの20代女性」だとしたら、落ち着いて本を読むことが来店動機になるでしょう。その場合は、静かな店内空間を作り上げることでターゲットを呼び込みやすくなります。
Where (どこで)
集客における要素として欠かせないのが店舗を出すエリアです。ターゲットとする層が利用しやすいか、理想とする店舗の雰囲気を実現できるかなどを考慮して決めましょう。例えば、落ち着いた雰囲気でこだわりのコーヒーを出す喫茶店を目指すなら、周囲の喧騒を気にせずに済む場所を探すことが重要です。反対に、誰でも気軽に立ち寄れるオープンな雰囲気を目指すなら、人の集まりやすい繁華街に出店するのも戦略のひとつです。徒歩の客層がメインなら駅ビルの中、駐車場を設けたい場合は郊外の一軒家など、顧客のアクセス手段にも配慮すると良いでしょう。
What (なにを)
料理やドリンクなどのメニューは、店の骨子ともなる存在です。ターゲットのニーズを満たせるメニューを考案することが重要です。例えば、ランチタイムの会社員を集客するためには、パンケーキのようなスイーツより、オムライスやスパゲッティなどの食事メニューを充実させると良いでしょう。
また、定番メニューだけではなく、コンセプトを強調した店独自のメニューがあると競合店と差別化しやすくなります。ユニークな見た目で興味を引き、InstagramやTwitterなど、SNSでの拡散を狙うのもひとつの手です。
When (いつ)
カフェの営業時間が長すぎると経費の増加につながり、短すぎると機会損失を招くことがあります。ターゲットや店舗のある地域の特徴などから、適切な営業時間や定休日などを決めましょう。
例えば、駅近くの店舗で会社員をターゲットとする場合、平日の早朝からオープンしてモーニングを提供します。午前6時や7時など、始業前に立ち寄りやすい時間帯に店を開けると良いでしょう。
また、日中に営業するカフェと夜間に営業するバーでコンセプトを分ける方法もあります。ひとつの店で、異なるターゲット層を狙いやすい点がメリットです。
How much (いくらで)
料理や接客などのサービスが良くても、金額が見合っていないと思われてしまうと、顧客獲得につなげることが難しくなります。メニューの原価や人件費、家賃、光熱費などを細かく予測した上で、適正価格を設定しましょう。ただし、店の看板メニューになり得るメニューは赤字覚悟で価格設定を行ったほうが良いケースもあります。ほかの経費とのバランスを見て価格を調整していきましょう。
How (どのように)
カフェ経営においては、サービスをどのように提供していくかを考えることも重要です。テーブルで注文を受けて料理を配膳するのか、テイクアウト形式にするのかといった違いだけでも、店のスタイルが変わってきます。
また、メニューの提供方法のほかに、イベントの開催なども「How」に含まれるといえます。ミュージシャンのライブ、来店者による読書会、絵画や写真の個展など、店舗でどういった体験を提供したいかイメージしてみましょう。
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カフェのコンセプトに関する注意点やポイント
コンセプトの決定は、スムーズに進むとは限りません。また、決定した後も、実現できるかどうかを確認しておくことが求められます。最後に、コンセプトを決める際の注意点やポイントをご紹介します。
コンセプトが実現可能かどうかを考慮する
はっきりとしたコンセプトがあっても、立地が合わない、資金が足りない、ターゲットの集客が見込めないなど、状況によっては実現できないことがあります。実行に移す前に、コンセプトに非現実的な部分がないかを確認することが必要です。
他店のコンセプトを参考にする
思うようにイメージが浮かばない場合は、自分の理想と似ているカフェを参考にすることがおすすめです。実際に通ってみて、雰囲気や提供しているサービスなどを参考にしましょう。すべてを真似するのではなく、自分だったらどのようにアレンジしたいかなども考えることがポイントです。
顧客へ向けてコンセプトをアピールする
明確なコンセプトがあると店の魅力が伝わりやすくなります。加えて、コンセプトをアピールしていくことで、より多くの顧客に店の魅力を届けやすくなります。
おすすめなのはコンセプトを表現するキャッチフレーズをつけることです。考案したキャッチフレーズはメニュー表やWebサイトなどに掲載します。店舗の内装や外装はコンセプトに沿ったものとし、第一印象でテーマが伝わりやすい店づくりを心がけましょう。
カフェを開業する前にはっきりとしたコンセプトを決めておこう
カフェをオープンする際は、明確なコンセプトを設定することが大切です。競合とは異なる魅力を持つ店を作り上げ、ターゲット層へ訴求していきましょう。また、「5W2H」の考え方を活用すると開業後の具体的なイメージがわきやすくなり、コンセプトの考案に役立ちます。難しい場合は他店の事例を調べて参考にしてみましょう。
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