開業資金に必要な額と内訳|事業を始めるための資本金を調達する方法

開業・経営

事業を開始するにあたって、開業資金を用意する必要があります。事業所や店舗を借りるための費用や、設備投資のための費用、事業を宣伝するための費用などを調達しなければいけません。貯蓄だけではまかなえない場合、融資や出資を受けることも考えましょう。今回は、開業資金に必要とされる金額や内訳、主な資金調達方法のメリット・デメリット、代表的な補助金制度などについてご紹介します。開業に際しての資金繰りにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

開業資金に必要な額と内訳

開業と一口にいっても、事業によって必要となる金額は異なります。状況によって、用意すべき額も変動するでしょう。まずは、開業資金の目安となる金額や、内訳などを解説します。

開業資金の目安

日本政策金融公庫総合研究所が2020年に実施した調査によると、開業資金の平均額は989万円とされています。そのうち、500万円未満で開業した人の割合は43.7%です。これは、1991年度に調査を開始してから最も高い数字となっています。少ない資金で開業している人が増えている傾向があるといえます。

出典:「『2020年度新規開業実態調査』」~アンケート結果の概要~」(日本政策金融公庫総合研究所)

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_201119_1.pdf

開業資金の内訳

開業する事業によって必要な費用は異なります。基本的な開業資金の内訳は以下の通りです。

物件取得費

店舗や事業所に使う物件を用意するためのお金は、物件取得費と呼ばれます。敷金や礼金、不動産の仲介手数料などが含まれます。事業用物件の場合、物件取得費は高額になることが基本です。敷金や保証金は管理会社によって異なるものの、家賃の10カ月分程度は支払うことを想定しておいたほうが良いでしょう。

ただし、自宅をオフィスにして開業する場合、費用はほとんどかかりません。開業にかかる初期費用を大幅に削減することも可能です。

事業所、店舗投資費

用意した物件で事業ができるようにするための費用です。事業に必要な設備を用意する費用も含まれまる。例えば、飲食店の場合は内装の工事費、厨房機器の設置費、調理器具の購入費などが該当します。多額の設備投資費用が必要になることもあるため、しっかりと計算しておくことが大切です。

広告宣伝費

事業内容によっては新規顧客を獲得するための宣伝が必要になります。チラシの印刷費や公式サイトの開設費などが当てはまります。開業時には特に多くの人に事業を知ってもらうため、費用を多めに確保する傾向があるようです。

運転資金

事業が軌道に乗るまでに必要な費用です。人件費や通信費、家賃など、幅広い項目が含まれます。運転資金が十分に確保できないと、売り上げが出るまでの資金繰りが困難になるリスクがあります。余裕を持って事業資金を準備することがおすすめです。

開業資金を調達する方法

必要な開業資金の金額が判明したら、実際に資金を集めましょう。こちらでは、開業資金の主な調達方法や、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

自己資金を貯める

開業に必要な資金を自分で調達する方法があります。自己資金がどの範囲に含まれるかについては、厳密に決められているわけではありません。銀行に預けてあり、通帳などで確認できる金額を自己資金と定義することが多く見られます。制度によっては、自己資金が多いと金融機関からの融資を受けやすくなります。

補助金や助成金を活用する

開業資金を援助してくれる制度を国や自治体が設けています。例えば、東京都は都内での創業を計画する人を対象にした助成事業を展開しています。援助であるため、返済の必要がない点が魅力です。開業の目的や事業内容によって利用できる補助は異なります。制度ごとの条件については事前に確かめておきましょう。

クラウドファンディングを活用する

クラウドファンディングとは、不特定多数の人からインターネット経由で資金の提供や協力を募ることです。理念や事業内容に共感してくれる人たちから投資を募集します。事業が成功したときはお礼として返礼や特別なサービスを提供することが基本です。クラウドファンディング専用のWebサイトがあるため、興味がある方は調べてみましょう。

ベンチャーキャピタルから支援を受ける

ベンチャーキャピタルとは、急成長が予想される未上場企業に対して出資を行う投資会社のことです。企業が成長して上場し、株価が上昇した時点で株式を売却して利益を得ています。今後の成長や将来性を判断して投資を行うため、事業が大きく発展していない段階でも支援が得られる可能性があります。ベンチャーキャピタルが持っている経営スキルやノウハウでサポートを受けられることもある点もメリットです。ただし、収益の見込みがないと判断されると出資が取り止めとなることもあります。

民間金融機関から融資を受ける

地方銀行や信用金庫、信用組合などの民間金融機関を頼る方法もあります。全国各地に展開する金融機関なら、最寄りの窓口で手続きしやすい点もメリットです。ただし、新規開業で実績がまだない場合は、事業を運営する信用が足りないと判断され、融資の審査が通りにくい傾向にあります。そういった場合でも、信用保証協会に依頼して審査を受け、保証を得ることで金融機関から借入可能となるケースもあるようです。また、金融機関からは事業計画や自己資金などについてもチェックされます。しっかりと事業計画書を作成し、必要な自己資金を用意することがポイントです。

公的金融機関から融資を受ける

公的金融機関とは、政府が出資する金融機関のことです。民間金融機関から融資を受けるのが難しい事業者向けに融資を行っています。事業運営の実績がなくても融資を受けられることがあるため、新規での起業時は利用を検討してみてはいかがでしょうか。多くの新規事業者に利用されている日本政策金融公庫が代表的です。

【開業する人向け】日本政策金融公庫の融資制度

日本政策金融公庫は、個人事業主や中小企業などにも幅広く融資を行っています。条件が合えば融資制度を利用できるため、ぜひ調べてみましょう。

新創業融資制度

新しく事業を始める人、もしくは始めてから期間が経っていない人を対象にした融資制度です。事業を始める人が多く利用する制度のひとつとされます。事業開始前に必要な設備資金、または事業開始後に必要な運転資金を融資してくれることが特徴です。融資限度額は3000万円で、担保や保証人がなくても借りることができます。創業にかかる金額のうち1/10以上を自己資金でまかなえる人が対象です。そのほか、現在勤務する企業と同業種の事業を始める、雇用の創出を伴う事業を始めるなど、いくつかの条件を満たす必要があります。

新規開業資金

新規事業を始める人、もしくは事業を始めてから約7年以内の人を対象にした融資制度です。設備資金の返済期間は20年以内、運転資金の返済期間は7年以内となります。融資の限度額は7200万円です。初めて融資を受ける場合、満額を得られるケースは少ないといわれています。融資を受けるには担保や保証人が必要です。

女性、若者/シニア起業家支援資金

35歳~55歳の男性、もしくは女性を対象にした融資制度です。返済期間は新規開業資金と同じで、担保や保証人は要相談となります。担保の有無で利率が変動する場合があるため、確認してみましょう。

無理のない方法で開業資金を調達しよう

開業資金の調達には、自己資金や金融機関からの融資、ベンチャーキャピタル、クラウドファンディングなど、さまざまな方法があります。今回ご紹介した方法以外にも、ビジネスローンの借り入れや、エンジェル投資家のような個人からの出資など、多岐にわたる種類があります。いずれの方法を利用するとしても、無理なく返済・リターンが可能かを考慮することが大切です。現実的な事業計画を立て、開業資金の回収についてもしっかりと考えていきましょう。

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