店舗管理とは、オーナーや店長が日々直面している管理業務のことです。毎日向き合っているからこそ、今のやり方が当たり前になっていて、効率化が進まないこともあるでしょう。
店舗管理で必ず押さえておきたいのが、売上・在庫・仕入・従業員の4つです。特に、売上は残り3つの管理に大きく影響するため、正しく管理することが大切です。
今回は、店舗管理の業務例とよくある課題、効率化の方法を徹底解説します。店舗経営や店舗運営を少しでも効率的に進めたい方はぜひご覧ください。
店舗管理の業務例
店舗管理とは、店舗業務を円滑に行うための重要事項を把握し、コントロールすることです。業種に関わらず、店舗管理で必ず押さえておきたいのが、売上・在庫・仕入・従業員の4つです。まずは、それぞれ具体的に何を管理するのかを説明します。
売上管理
売上管理とは、蓄積された売上に関する情報を管理することです。どの品物が、いつ、どのような人に、どのように売れたのかを日々記録します。蓄積した情報を、日次や週次、年次で集計して、次のアクションを考えます。
売上の管理は、店舗経営の土台です。店舗を取り巻く状況は日々変化しており、売上への影響を把握することで次のアクションを検討します。また、売上は、在庫・仕入・従業員の管理に大きく影響するので、正しく管理することが大切です。
在庫管理とは、売上の元になる商品や材料を管理することです。より多くの売上や利益を上げるには、在庫を効率的に消費することが重要です。
適正在庫を維持できなかったり、売れ筋商品が品切れになったりすると、顧客からは「欲しい物がない店」と思われてしまい、客足が遠のきます。一方で、在庫が多くなってしまうと、資金繰りに影響がでる可能性があるので、バランスが大切です。
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仕入管理
仕入管理とは、商品を仕入れてから販売するまでの一連の管理です。商品や部品、原材料の仕入を適切にコントロールすることを目指します。実際の業務では、見積もりの発行や契約書の取り交わし、送られてきた請求書の支払いなども管理します。
必要に応じてクラウド型の管理ツールの導入も検討しましょう。ツールの選び方のポイントは、比較検討した上で自社の仕事内容に合ったものにすることです。
また、仕入先との価格交渉や、仕入先が供給不能になった場合の代替手段の確保も行う必要があります。
仕入先をひとつに絞ると、まとめて仕入れることで値引きの交渉はしやすくなりますが、供給を受けられなくなった場合に在庫不足になるリスクがあります。複数の仕入れ先を開拓しておくなど、リスクマネジメントが大切です。
従業員管理
従業員管理とは、適切な人員を適正な人件費で配置することです。具体的には、繁忙期や閑散期、ピークタイムなど、忙しさに応じたシフトの作成や勤怠管理を指します。人材育成や、職場の環境整備も従業員管理に含まれます。
従業員が気分良く働ける環境を整えることは、飲食業や小売店の離職率の低減につながります。勤怠管理だけでなく、モチベーション管理やメンタル面の管理も重要です。従業員が働き続けたいと思うような環境作りを目指しましょう。
店舗管理のよくある課題
店舗管理に関する店舗管理者や経営者、企業の悩みには、共通項があります。ここては、店舗管理のよくある課題と、その影響について説明します。
店長が店舗管理業務に追われている
店長が管理業務に追われて、売上の向上策立案や業務効率の改善など、重要な仕事に手が回らない状態です。
業務に精通している店舗責任者の貴重な時間が、日報や週報、シフト作成、本部への報告資料の作成など、管理業務と事務作業で占められており、気がつくと1日が終わっているということも多いのではないでしょうか。
他のスタッフに任せられる部分は手を離すなど、工夫する必要があります。
売上管理に時間がかかる
システムやソフトウェアを導入していない場合、売上管理に手作業が多くなることで、時間がかかり、詳細な売上分析まで手が回らない場合もあります。
特に、閉店後のレジ締め作業は時間のかかる業務のひとつです。作業者の負担が大きいだけではなく、手作業で行うことでミスも発生しやすくなります。
在庫を適切に把握できない
店舗で扱う商品点数が多いほど、在庫の把握の難易度は上がる傾向にあります。商品点数が多い場合、手作業ですべての商品の在庫数を適切に管理するのは、現実的には難しいでしょう。
在庫の適切な把握ができないと、過剰在庫による資金繰りの悪化や在庫不足による機会損失などの問題が起きます。
従業員へ十分な指導ができない
売上や在庫の管理、事務作業が多いと、従業員の教育や指導を十分に行えません。せっかく新しいスタッフを採用できても、経営者がスタッフに向き合う時間が取れないとスタッフは不安になります。結果として早期退職につながり、また求人のコストが掛かることになります。
さらに、十分な指導ができないと、スタッフのスキル平準化などに時間を使えず、業務の属人化を引き起こしてしまいます。業務の属人化は、属人化している業務のスタッフが退職したり、欠勤したりしたときに現場に混乱を起こすなど、将来的に別のスタッフにも大きな負担をかける可能性をはらんでいます。接客の質にも影響します。
店舗管理を効率化する方法
店舗管理の効率化にはいくつかの方法があります。ここでご紹介した施策の中で、できることがあればすぐに始めていきましょう。
業務フローの見直し
店舗に存在する業務フローを書き出し、業務の目的を改めて考えましょう。やっている理由がわからない業務や習慣は、本当にそれらが必要なのかどうかをチェックするのがおすすめです。
売上や来店者の状況、スタッフの入れ替わなどの変化により、その業務が不要になったり、やり方を変えたほうが良かったりすることは意外に多いものです。無駄な業務を省くことで、より重要な業務に専念できます。
マニュアルの作成
マニュアルを作成することで、業務内容を言語化して共有できるようになります。属人化の防止に役立ち、マニュアルがあれば、新しい従業員が業務やサービスの方法を覚えやすくなるなど、早期戦力化への効果もあります。
動画や音声のマニュアル作成も有効です。作り方次第では、見る側にとって分かりやすい内容にできます。動画は、外国人の従業員に業務を説明する際にも活用できます。スマートフォンで撮影するなどの方法であれば、簡単に作ることができます。
POSレジの活用
POSレジとは、会計作業と同時に商品の売れ筋把握や在庫管理などを一括管理できるレジです。売上データがリアルタイムで集計され、離れた場所にいるオーナーや本部も確認できます。
売上分析に必要なデータを漏れなく収集できるのもPOSレジの大きなメリットです。すでに売上情報が記録されているため、閉店後の締め作業の時間も大幅に短縮できます。在庫管理機能が搭載されているPOSレジも多く、在庫の可視化にもつながります。
POSレジを導入する際は、製品のスペックや月額料金、利用目的など、複数の視点から慎重に検討しましょう。
店舗管理システムの導入
店舗管理システムでは、売上報告や在庫の把握、仕入の発注などの店舗管理業務を、簡単に行うことができます。定型的な作業指示や日報・週報の報告など、事務作業の効率も向上し、作業に使っていた時間を、売上向上の施策検討に回せるようになります。
複数店舗を運営している企業向けのシステムもあります。各店舗の売上がリアルタイムで自動集計でき、店舗ごとの売上・会計数・会計単価・客数なども一覧で表示されます。本部側では、その情報を集計・分析して、迅速に経営計画につなげていくことができます。
店舗管理業務の効率化には複数店舗管理機能を備えたシステムの導入を
店舗管理業務は毎日行うことだからこそ、日々の取り組み方の違いが、長い間にはライバル店との大きな差を生み出す可能性があります。売上・在庫・仕入・従業員を適切に管理し、改善を続けることが大切です。
店長が管理業務に時間を取られ、在庫や仕入れの管理ができず、従業員も辞めていくという課題は、どの店舗でも起きる可能性があります。これらの課題の解消には、業務フロー見直しやマニュアル作成が有効ですが、効率化に最もつながりやすいのはシステムの導入です。
例えば、ユビレジの店舗管理システムには、複数店舗管理機能があり、複数店舗の売上や在庫の確認を一元管理できます。店舗側で管理すべきことを減らせるので、現場の効率化につながります。まずは気軽に、無料トライアルから始めてみてはいかがでしょうか。詳しくはこちらのページをご覧ください。
トライアル期間について
https://support.ubiregi.jp/archives/326