複数店舗を運営するチェーンストアとは?方式や商勢圏による違い

開業・経営準備

「チェーンストア」とは、企業が店舗運営をする際のビジネス手法の一種です。同じ種類の商品やサービスを複数のエリアに横展開することで多くの顧客を獲得し、効率的にビジネスの規模を拡大できます。

しかし、チェーンストアの仕組みや、スーパーマーケットとの違いなどを正確に説明できる方は少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、チェーンストアについて詳しく知りたい方に向けて、チェーンストアの概要や種類、メリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。

チェーンストアの定義や特徴とは

まずは、チェーンストアの定義や特徴といった基本的な知識について解説します。チェーンストアと混同されがちなスーパーマーケットとの違いについても理解を深めていきましょう。

チェーンストアとは

チェーンストアは、小売業や飲食業を展開する際のビジネスモデルの一種です。類似、もしくは同一の商品を扱う店舗を多数経営することで、効率良くビジネスの規模を拡大するのが目的です。

経営の意思決定は本社が行うのが基本で、チェーンストアの経営方針は、アメリカで生まれた経営手法である「チェーンストア理論」がベースになっています。

チェーンストア理論とは、企業活動の意思決定は本社で行い、現場となる店舗はオペレーションに専念するという考え方です。チェーンストア理論に基づく経営には次のようなメリットがあります。

  • ビジネスの方向性を本社が決定することで軸が定まりやすくなる
  • 本社のバイイングパワー(大きな購買力や仕入れ力)が高まりコストダウンにつながる

チェーンストアの特徴

チェーンストアでは、「マスマーチャンダイジング」と呼ばれるビジネスモデルが採用されています。マスマーチャンダイジングとは、同じ商品を大量に生産することでコストを下げ、利益を最大化させるための仕組みを指します。マスマーチャンダイジングにより、不特定多数の消費者に対して、効率的かつ効果的な大量販売を実現できます。

チェーンストアでは、店舗の立地や人員に合わせるのではなく、各店舗で共通した経営を行います。多店舗経営では、サービスや商品の品質を均一化するのが難しくなりますが、チェーンストアであれば店舗間に大きな品質の差を生じさせずに経営しやすくなり、ビジネスを拡大するうえで大きなメリットとなります。

スーパーマーケットとの違い

チェーンストアと混同されがちな「スーパーマーケット」は、「コンビニエンスストア」や「百貨店」のような小売店の業態の一種です。主に食料品を扱う「食品スーパーマーケット」や、衣食住に関する多彩な商品を扱う「総合スーパーマーケット」などの種類があります。

一方のチェーンストアは、あくまでもビジネスモデルの一種であり、同じ店名のスーパーマーケットをチェーンストアとして全国や特定のエリアに展開するビジネスも数多く存在します。

チェーンストアの種類とは

チェーンストアは、チェーン方式と商業圏の違いによって2種類に大別できます。同じチェーンストアであっても種類によって経営形態が異なるため、それぞれの特徴をしっかりと押さえていきましょう。

チェーン方式による違い

チェーンストアの方式は主に3つの種類があります。自社に適した方式を選択することが重要です。

コーポレートチェーン(レギュラーチェーン)

本社直営の店舗を展開する方式です。本社から資金を投入して店舗運営を行うため、サービス品質を均一化しやすいという特徴があります。人材管理や売上管理、マニュアル作成なども本社の管轄となります。

ボランタリーチェーン

独立していた店舗が集まってひとつの組織となり、チェーンストアを展開する方式です。加盟店が主体となってチェーン本部を形成するため、本部と店舗の関係性がフラットになりやすいのがメリットといえます。店舗ごとに合った方法で経営でき、店舗がある地域のニーズを経営に反映しやすい一面もあります。

フランチャイズチェーン

店舗が本社とフランチャイズ契約を交わす方式です。フライチャイズ本社が持つ商標やチェーン名称、商品などを活用して店舗運営を行い、店舗は本部に対してロイヤリティと呼ばれる料金を支払います。本社が持つノウハウなどを活用して経営できるのがメリットです。

商勢圏による違い

商勢圏とは、複数の店舗が出店するエリアにおいて、店舗が影響を及ぼす範囲のことです。一店舗分のエリアを指す「商圏」とは意味が異なるので注意しましょう。

ローカルチェーン

ひとつの商勢圏に対して11店舗以上を展開するチェーンストアを指します。「ローカルチェーン」=「地方のチェーン店」というイメージがあるかもしれませんが、都心部のチェーンストアであっても、11店舗以上を展開していれば「ローカルチェーン」になります。

特定のエリアに店舗を多く展開することで、物流やプロモーションの効率化を実現できるのがローカルチェーンの特徴です。また、ブランド力を高めやすいのもローカルチェーンのメリットといえます。

リージョナルチェーン

2つ以上の商勢圏に展開するチェーンストアを指します。商勢圏同士が隣接している必要はなく、「東京と大阪」など、あえて離れた商勢圏に展開する戦略もあります。商圏を絞って店舗を展開することで、地域のニーズに応じた商品開発やプロモーションが可能になります。

ナショナルチェーン

2つ以上のリージョナルチェーンを展開するチェーンストアを指します。リージョナルチェーンよりも広範囲の顧客を獲得できるため、企業の売上も伸ばしやすくなります。

全国的な認知度向上によりブランディング力を高められますが、ナショナルチェーン方式の経営を成功させるのは簡単ではありません。多くの店を出店して経営を続けることになるため、長期的な経営戦略に基づいて多額の資金を用意する必要があります。

チェーンストアのメリット・デメリットとは

チェーンストアは、サービスの均質化やコストダウンなど、消費者にとってもさまざまなメリットがある経営手法です。しかし、チェーンストアの仕組みを作るうえで企業が理解しておいた方が良いデメリットもあります。ここでは、企業の目線から考えるチェーンストアのメリットとデメリットを解説します。

チェーンストアのメリット

安定したサービスを提供しやすい

サービスや商品の品質の安定性を高められるのは、チェーンストアの大きなメリットです。店舗によって差が出やすい接客品質も、本社のマニュアル作成によって統一しやすくなります。全店舗が同じようなレベルの接客を提供でき、オペレーションの最適化も実現可能です。

仕入れや運営にかかるコストを削減しやすい

チェーンストアのビジネスモデルでは、本社がまとめて複数店舗の仕入れを行うのが一般的です。一度に多くの仕入れができるとコストを下げやすくなり、販売価格を押さえて競争力も高められます。

データの有効活用がしやすい

同じような手法で店舗経営をしているため、関連性が強いデータを多く集めることができるのもチェーンストアならではの強みです。1店舗の経営よりも効率的にデータを収集でき、データを本部で一括分析することで、さらなる施策を打ち出すことも可能になります。

販売実績を即座に収集できる「POSレジ」には複数店舗の会計データや顧客情報を一元管理できる機能があるため、チェーンストア展開には欠かせないツールといえるでしょう。記事の最後におすすめのPOSレジを紹介していますので、ぜひご覧ください。

チェーンストアのデメリット

出店時の負担が大きくなりやすい

チェーンストア展開では複数店舗を出店するため、設備投資が高額になる傾向にあります。また、すべての店舗が初期投資を回収できるほど売上を上げられるとも限りません。ある店舗で利益を大きく上げたとしても、別の店舗で利益が出なかった場合、全体の売り上げが伸びないことも考えられます。

新規出店のスピードを早めると設備投資が経営の負担となり、売り上げが予測から大きく外れた場合、悪循環に陥る可能性があることを理解しておかなければなりません。

人材の採用や育成のコストがかかりやすい

店舗数が多いほど従業員の数が必要になり、採用コストも上がっていきます。マニュアルを整備し、マニュアルに則した育成が可能な人材の発掘が大切です。扱っている商品やサービスがどんなに素晴らしいものであっても、それを消費者に届ける役割を担う「人」がいなければビジネスはうまくいきません。慢性的な人手不足といわれている小売業界で優秀な人材を確保していくことは、チェーンストアに限らず、小売業界に属する企業に共通する課題といえるでしょう。

商圏内で競合する可能性がある

複数の店舗を同じ商圏内に出店する経営手法は、コンビニエンスストアチェーンで頻繁に見られます。特定のエリアで優位性を発揮できるというメリットがある一方で、チェーンストア同士が競合する可能性もあります。系列店同士で顧客を奪い合う形になるのを避けるため、出店する立地は慎重に検討することが求められます。

データ分析はチェーンストアビジネスを成功させる鍵

チェーンストアビジネスには、均質化された商品やサービスを単一店舗よりも安い価格で提供できるという強みがあります。しかし、ビジネスモデルを確立するのは容易ではなく、実際に店舗を運営しながら事業計画の改善を図り、販売計画や出店計画を調整する必要があります。

チェーンストアビジネスを成功させるための鍵となるのが、各店舗で日々蓄積されていくデータを分析することです。データドリブンで効率的なチェーンストア展開には、店舗運営に特化したツールが役立ちます。

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