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集客をアップさせるための販売促進策を考える際、既存客に対してDMを打ったことがあるオーナー様もいらっしゃるのではないでしょうか。その際、顧客台帳から名前をハガキに書き写したり、1年以上来店がない人を顧客台帳から外すというような作業に手間を感じられた方もいらっしゃるかと思います。また、DMなどの施策は一定の成果が期待されるため、年1回ではなく手間を承知で季節ごとに実施されている店舗もあるでしょう。
このような手間のかかる作業を、コンピューターが自動で行ってくれるツールが存在します。それが、マーケティングオートメーションというものです。ここでは、その内容と飲食店で本当に使用可能なものなのかといった点について検討していきます。
マーケティングオートメーションとは
では、マーケティングオートメーションとはいったいなんでしょうか?
「マーケティングオートメーション」とは、2014年頃からマーケティング分野で一躍脚光を浴びた手法です。具体的には、企業が行うマーケティング活動の中で、人力作業で繰り返し実施していた定型的な業務や、人間に任せていたのでは膨大な時間と、それに伴う人件費がかかってしまうような複雑な処理をオートメーション化、つまり自動化し、効率を高める仕組みのことです。英語では「Marketing Automation」となりますので、略して「MA(エムエー)」と呼ばれています。マーケティングオートメーションを行うソフトのことを、MAツールと言ったりもします。
各ビジネスにおけるマーケティングオートメーション
BtoBビジネスにおけるマーケティングオートメーション
マーケティングオートメーションが最初に導入されたのは、法人向けビジネス(BtoBビジネス)だとされます。これまでの法人向けビジネスでは、新規顧客の開拓や既存顧客への販売など、営業マンを中心にした営業組織で行われていました。こうした商談発掘のプロセスをシステム化し、コスト削減と売上アップの両方を狙う目的で、自動化が図られたのです。
法人営業の多くは一発勝負ではなく、見込み客を発掘するためにDMを送り、その後電話をかけ、展示会に呼び、フォローの訪問をするという何段階ものプロセスを踏みます。訪問してからの商談に関しても、1度目に先方のニーズをヒアリングし、次にそれに合わせた提案をし、さらに要望を提案に入れ込みというプロセスを繰り返します。このような見込み管理、顧客管理を、従来は営業マン個人に任されていたり、上長と担当営業の間で管理していたりと、個人の能力に追う部分が大きかったのです。こうした状況を改善するため、営業の進捗をコンピューターで会社として一元管理をし、最適なタイミングで顧客のもとに訪問することができるマーケティングオートメーションが導入されていきました。
顧客管理のコンピューター化が実現したのは、そのニーズもさることながら、1件当たりの商談の金額が大きいため、コンピューターとソフト開発の投資をしても、十分に採算が取れるという思惑があったからだとされます。
BtoCビジネスにおけるマーケティングオートメーション
消費者向け、個人向け営業(BtoCビジネス)では、1件あたりの商談が小さいこともあって、マーケティングオートメーションの導入は進みませんでした。しかし、コンピューターの機能が非常に進化し、かつては大型のコンピューターでなければできなかった作業が1台のパソコンでできるようになったことと、インターネットの普及が重なり、個人向けの営業活動にもマーケティングオートメーションが導入され始めたのです。
個人向け商談の場合、営業マンが出向いて行うマンパワー主体のものではなく、DMなどの印刷媒体、あるいはメールによる宣伝活動と販売促進活動の要素が強いものとなります。つまり、個人向けのマーケティングオートメーションは、「集客」「販売促進」「顧客管理」などの業務を自動化、連動化させることになります。インターネットでの販売促進にしぼると、顧客管理、メール配信、実績管理と分析が中心的な機能です。
飲食店におけるマーケティングオートメーションとは
個人向け、消費者向けに導入され始めたマーケティングオートメーションでしたが、最も先行したのは、通信販売ビジネスでした。通信販売ビジネス成功のカギは、新規獲得とその顧客管理によるリピート化です。ビジネスの特徴として、ほとんど人が介さないでもできるビジネスでもあります。この2点が、マーケティングオートメーションと相性が良かったということから、導入が早かった大きな理由です。
マンパワーに依存する要素が大きく、通信販売ビジネスに比べて顧客管理が遅れていた飲食店ビジネスでは、なかなかマーケティングオートメーションの導入がされませんでした。しかし、人件費の高騰、そして少子化や中食の進展によって、少ない来店客のリピートを促進することで売上を稼いでいかなければならない状況になり、マーケティングオートメーションの実施に舵を切る飲食店が出てき始めているのが現在の状況です。
飲食店が行うマーケティングオートメーションとは、新規客の獲得、既存客へのリピート促進、及びそれを実現する顧客管理が中心の内容になります。
マーケティングオートメーションでできること
マーケティングオートメーションができた場合、飲食店にとってはどのような効果が期待できるのでしょうか。
- キャンペーン効果のアップ
リピートの促進のために行う販売促進効果をアップさせるということです。たとえば、顧客の誕生日を個別に管理し、1か月前になったら自動的にメールを送るなどの機能があれば、来店促進が図れます。 - 売上、利益アップ
来店数が増えることで、売上のアップが期待できます。同時に、マーケティングオートメーションによって人件費が削減できますから、利益もアップします。 - 営業・マーケティングの連携強化
キャンペーンによって来店した顧客の情報を、事前にホールスタッフなどに伝わっていれば、来店時に「~様、誕生日おめでとうございます!」と声をかけることが出来るでしょう。また、食事の最後に誕生日ケーキのプレゼントができたりなど、営業面での強化も可能になります。 - 販促業務の負担軽減
個人客の情報を見ながらハガキを書くといった作業が皆無になりますから、大きく販促業務の負担を軽減してくれます。
飲食店向けMAツールを紹介!
マーケティングオートメーションでできることを聞くと、本当に素晴らしいような気がします。しかし、マーケティングオートメーションを使って実現できることを、実際はどこまで実現しているのでしょうか。
現在、飲食店で最も浸透しているマーケティングオートメーションは、パソコン上で予約管理をし、グルメサイトの予約システムでとった予約をマーケティングオートメーションに入れ込んでいくという部分に限定されています。それ以上のマーケティングオートメーションの浸透は、まだ道半ばといったところです。マーケティングオートメーションを実現するMAツールも最近出始めたところであるため、実際の効果検証にまでは至っていません。
その中で、現在のところ1番進化していると思われるアプリが、「GMOリピーター」です。概要について以下でご紹介します。
GMOリピーター
GMOリピーターでできる主な機能は、以下の3点です。
- クーポンをネットで発行した見込み客を集客
ユーザー向けに配布したクーポンアプリによってクーポンをダウンロードしている見込み客が、来店のために店の近隣まで来た段階で来店を検知し、その顧客の「最終来店日」「来店回数」「クーポンの利用」「来店頻度」といった情報が店側に情報として流れます。これによって、店側は「特別なお出迎え」ができるようになります。また、来店の意思がなく、他の理由で近隣にいた顧客に対しても、「お得情報」や「クーポン」を自動配信することで来店促進を図ります。 - 前もって設定した条件で顧客情報を自動的に抽出
顧客管理されている情報の「年齢」「来店頻度」といった項目を前もって設定しておけば、自動的かつ定期的に顧客リストを抽出します。これによって、顧客別への細かいリピート促進が可能になります。 - シナリオに基づいてクーポンやメッセージを自動配信
前もって「どのような顧客」に「どのタイミング」で「どのメール」を配信するのかというシナリオを設定しておけば、2のシステムをベースに、非常に細かい顧客分類と、細かいメール内容、クーポン内容によってリピート促進がかけられます。つまり、一人ひとりにすべて違う内容のメールを配信することも可能です。狭い意味では、この部分がマ―ケティングオートメーションになります。
以上の3つの機能をフルに活用すると、以下のようなことができます。
店舗外の顧客に対して
- 10代の男子学生が18時頃来店しそうになっている → 大盛り無料クーポンを自動で配信
- たまたまランチタイムに店を選びながら近隣を歩いているOLがいた → ランチ用のコーヒーサービスクーポンを自動で配信
来店した顧客に対して
- 30代男性会社員がランチで来店した → ディナーで使えるクーポンを自動配信
- 新規客が来店し、店内でクーポンアプリに登録した → 退店後にサンクスメールや次回使えるクーポンを配信
これだけの機能がついて、現在は6ヶ月間無料キャンペーンを行っています。その後は、月額5000円の費用で利用できます。
MAツール導入の注意点
マーケティングオートメーションに魅力を感じ、導入を検討される場合は、以下の点に注意してください。
まだ飲食店での成功事例はない
大きな注意点として、現在のところ、飲食店でマーケティングオートメーションを成功させた事例はないということです。最大限の活用事例は、ネット上の宣伝からグルメサイトで予約をとり、予約管理をするというシステムです。こうした状況は、マーケティングオートメーションを使用して成功した際のチャンスとなります。なぜなら、業界で初めての成功例は販促効果が非常に大きいと思われます。また、一般紙などのメディアも注目をし取材に来るでしょうから、店舗の知名度を上げる確率が高まります。
完全無人化のためにはシステム設計が非常に重要
無人化、省力化というものは、動き出せば手間がかかりません。しかし、システムが問題なく稼働するようになるためには、導入前の詳細な検討と、膨大な作業、及び検討時間が必要です。この導入前の段階で失敗をすると、投資はしたが全く使い物にならないというシステムができあがってしまいます。
マーケティングオートメーションツールもこれからどんどん登場する
飲食店が使える本格的なMAツールは、この記事内でご紹介した「GMOリピーター」が挙げられます。今後は更に使い勝手がよく、機能も多いシステムがどんどん開発されていくでしょう。マーケティングオートメーションの導入を考えるのであれば、市場の動向をよくリサーチし、最善のシステムを導入する必要があります。
まとめ
いかがでしょうか。
マーケティングオートメーションを効率的に使用できれば、店舗業務を便利なものとするでしょう。しかし、ここまでご紹介したように、飲食店ではその端緒についた、いわゆる黎明期と言えるでしょう。そのため、まだまだマーケティングオートメーションを導入した飲食店の成功事例が少ないのが現実でもあります。しかし、こうした状況は無限の可能性を秘めているとも言えるでしょう。
今後の動向に注目して、店舗にとってベストのタイミングでベストのシステムの導入を検討してみてくださいね!
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