2019年はキャッシュレス元年と呼ばれ、QR決済・電子マネーなど様々なキャッシュレス決済が登場しました。その後の新型コロナウイルス感染症拡大により、直接現金の取り扱いを避ける動きが加速し、キャッシュレス決済はかなり生活に普及しつつあります。2020年になってからは更に進化した決済システムとして、スマートフォンで注文から決済まで完結できる「モバイルオーダーシステム」が飲食店のテイクアウト等で注目を集めています。
日本フードサービス協会の平成30年外食産業市場規模推計(PDF)によると、テイクアウトは約8兆円と前年対比2.1%ほど増加しています。今後はさらなる需要が見込まれ、モバイルオーダーシステムも急速に拡大すると予想されます。
今回はそんなモバイルオーダーシステムの概要や、導入するメリットを詳しく解説していきたいと思います。とりわけ飲食店にうってつけのシステムなので、ぜひご検討下さい!
モバイルオーダーシステムとは
モバイルオーダーシステムとは、お客様がスマホを使ってご来店までに商品注文~決済までのすべてを済ませることのできるシステムのことです。例えばデリバリーピザの店舗受取のような手順で、自宅やお出かけ先から食べたいメニューをお選びいただき、アプリ上で事前決済を完了。店舗に到着したらアプリ上でチェックインのサインを送り、店側が商品を用意して提供するというものです。
もう一つ、お店の中でスマホを操作して注文する「店内モバイルオーダー」もあります。 通常、お店で食事をする時は、メニューをみて、店員を呼んでオーダーして、会計はレジでという流れですが、店内モバイルオーダーの場合だと、案内された席にてスマホの専用ページから商品を注文して、決済まで終えることができます。
日本ではまだ馴染みが薄いシステムですが、2020年1月にマクドナルドが一部店舗でサービスを開始したことで話題になりました。店舗側とユーザー双方にメリットがあるため、顧客満足度の向上と業務の改善に効果があるとして、今後広く普及していくと予想されています。
大手飲食チェーンも続々導入実施
大手の飲食チェーンでも続々と導入されています。
各社利用方法は若干異なりますが、一般的には公式アプリ、またはwebページからオーダーを行います。
例えばマクドナルドの場合ですと、公式アプリをダウンロードして会員登録を済ませ、アプリ上で操作を行います。イートイン、テイクアウト、ドライブスルーでの受け取りを指定することができ、支払い方法はクレジットカード決済のほかにも、PayPayやLINE Payなどさまざまな決済手段での支払いが可能です。 アプリの使い方の詳細は各公式サイトで確認できます。- マクドナルド:マクドナルドモバイルオーダー
- スターバックス:Mobile Order & Pay
- 吉野家:お弁当のテイクアウト予約
- モスバーガー:モスのネット注文
モバイルオーダーシステムを採用するメリット・デメリット
モバイルオーダーに関して現状手探り状態の企業が多いですが、実際にどのようなメリットがあるのでしょうか? お客様側と飲食店側、双方の利点について解説していきます。デメリットに関しても後述していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
モバイルオーダーを採用するメリット
飲食店側のメリット
- レジオペレーションの業務量が軽減される
飲食店側の最も大きなメリットは、レジオペレーションの業務量が軽減されることです。注文受付から支払いまでをお客様自身で事前に済ませてもらうことができるため、レジ業務の負担が削減できます。業務削減ができた分、ピーク時はバッシング業務を優先させ回転率をあげたり、業務に余裕が生まれることでより質の高いサービスを提供することが可能になります。
- 導入コストやメンテナンス費用の軽減
各テーブルにタブレットを設置するセルフオーダーと比較して、端末はお客様のスマートフォンを使用するため、店舗側の設備投資、メンテナンスは不要となり費用の大幅な削減が期待できます。
- 売上やリピート率がアップする
モバイルオーダーシステムを導入すると、使い勝手の良いお店として顧客満足度やリピート率がアップします。またスマホ上で新商品のご案内をしたり、クーポンを配布したりといったことも可能です。ポスティングやSNSでの発信よりもダイレクトにお客様の手元に情報が届くため、売上アップも見込まれます。
お客様側のメリット
- 待ち時間が少なくなる
モバイルオーダーシステムは来店時間を指定でき、お客様にはご来店後すぐに席にご案内したり、商品をお渡しすることができます。待ち時間が短縮されることでお客様のストレスも減り、ランチタイムなどの混雑時にもスムーズにご案内できるようになります。
- メニューをじっくり眺められる
お客様には時間に余裕のあるタイミングでじっくりとメニューをご覧いただけます。混雑時には店側が時間制限を設けることもあるかと思いますが、お客様側も限られた時間内で食事を済ませる必要があり、メニューを十分に検討できないことも少なくありません。その点モバイルオーダーであれば、前日の夜リラックスタイムに注文し、次の日のランチタイムにご来店いただくといったことも可能になります。
- 隙間時間を有効活用できる
いつでもどこでもスマホから注文が可能なため、お客様には隙間時間を有効にお使いいただけます。「今日は忙しいから○○で食事しよう」といったように、モバイルオーダーシステムを導入することでお客様にお選びいただくシチュエーションがぐっと増えます。既存のお客様はもちろんのこと、まだ実際に来店したことのない方にも”忙しい日の選択肢”として頭の片隅に置いていただくことができるのです。
モバイルオーダーを採用するデメリット
モバイルオーダーは確かに便利ですが、まったく課題がないわけではありません。お客様が来店されるタイミングに合わせて調理する必要があるので、研修をしっかりしないとシステムが破綻してしまいます。提供までの時間が短いファストフード店には向いていますが、調理に時間のかかるメニューは時間を逆算して準備にとりかかる等の工夫が必要になります。こういったシステムに合わせた教育や研修をあらためて行うコストがかかるというのが大きなデメリットと言えるでしょう。
また、注文時のやり取り等でお客様との「会話」「接客」「おもてなし」といった部分を重視している店舗にも、モバイルオーダーシステムの導入は向かないでしょう。
おすすめのモバイルオーダーシステムを紹介
それでは、おすすめできる店外モバイルオーダーシステム、店内モバイルオーダーシステムについてご紹介します。
O:der(オーダー)
飲食店のスマホ注文に特化したモバイルオーダーアプリです。店舗ごとに自動でスタンプが貯まったり、お得なクーポンを設定できる機能もあります。非常に分かりやすく簡単なUIが好評で、導入時の教育コストを大幅に削減できます。
Okage Go
POSレジ、ハンディレジ、セルフオーダー、モバイルオーダーをすべて連動させることのできるサービスです。リアルタイム同期をはじめ、在庫管理システムなど飲食店経営に便利な機能が豊富に取り揃えられています。モバイルオーダーの費用は月額11,000円〜です。 これから飲食店を開業するオーナーにおすすめです。
dinii
オーダー機能のほかに、注文とお客様のLINE IDを自動連携することで、お客様の好みに合わせ適切な分析アプローチが可能です。LINE公式アカウントからクーポンの発行も行えるなど、お客様に喜ばれる機能が充実していることも特徴です。
ユビレジ QRオーダー&決済
お客様のスマホでQRコードを読み取り、注文を行うことが出来る対人非接触型の店内モバイルオーダーシステムです。メニューはランチ、ディナー、飲み放題などの切り替えも可能。注文が直接厨房のプリンタに伝票出力されることから注文を聞くスタッフの時間を削減でき、その分だけサービス向上に時間が掛けられるようになります。専用端末は必要ないため、初期費用が抑えられ、手軽に導入が始められます。さらに会計(クレジット決済)まで行えるため、お客様は注文と会計を好きなタイミングで行うことができ、店舗スタッフはオーダー受けや会計業務の頻度を削減でき「お客様の満足度向上」「店舗業務効率化」「人手不足解消」「感染症対策」を実現できます。
【導入店舗事例のご紹介】
「ユビレジ QRオーダー&決済」の導入でスタッフ数を2名削減、それでも売上と顧客満足度は変わりませんでした。 | Mercedes me Tokyo UPSTAIRS
モバイルオーダーシステム導入する際の注意点
モバイルオーダーシステムはあくまで注文方法の1つに過ぎないので、店頭で注文されるお客様と同時進行で接客する必要があります。モバイルオーダーは従来の予約客のようなものですが、たとえば混雑時に席が予約でいっぱいになってしまったら、店頭のお客様をお待たせしたり、入店を制限したりといった事態になりかねません。モバイルオーダーを導入した店の中には、モバイルオーダーを利用するお客様が増えすぎたため、店頭のお客様を捌ききれなくなってしまったというケースもあります。
モバイルオーダーを導入する場合はそうしたリスクをいかに回避し、店頭のお客様をお待たせしないかが重要なポイントになります。また、こういった面も含めて従業員全員に教育を徹底し、お客様の不満を解消していく工夫も必要です。モバイルオーダーはメリットも多いのですが、今以上に広く普及するまでは、店側もシステムを正しく活用する術を模索していかねばなりません。
まとめ
いかがでしょうか?
モバイルオーダーシステムは、スマホで注文・決済が可能な新しいシステムです。お客様の待ち時間を軽減したり、レジ業務の手間を削減したりと双方にメリットのあるシステムですが、一方で運用方法を誤るとむしろお待たせしてしまうお客様を増やすことにもなりかねません。導入する際はそうしたリスクを加味した上でしっかりとマニュアルを作成し、従業員教育に徹底するというような対応が求められます。
新しいシステムはロールモデルが登場するまで店側も手探りになってしまいがちですが、モバイルオーダーは現代のライフスタイルに即した魅力的なシステムであることに変わりありません。初月利用料無料になるキャンペーンを行っていたり、補助金を利用して導入できたり等、お得にスタートできる可能性もあるので、まずは問い合わせをして導入方法や費用を確認してみましょう。システムのメリットを存分に生かし、売上やリピーター率の向上に繋げましょう!
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