飲食店が在庫管理をする意味は?目的や流れ、気をつけるポイント

飲食店

飲食店舗の経営者にとって、正確に在庫管理をするスキルは重要です。発注量をコントロールし適切な在庫数を保つことで、日々のフードロスを削減し仕入れコストを最小限にすることができます。
この記事では、飲食店向けにおすすめの在庫管理のコツについて説明します。在庫管理の目的や、その業務の流れ、在庫管理をする上で重要性の高いポイントを具体的に紹介します。

飲食店の在庫管理の目的

在庫管理の主な目的は、適切なタイミングで必要な食材を提供することです。飲食業界において、客が望むメニューをいつでも提供し、機会損失を防ぐことは重要です。しかし、チャンスロスを防ぐために過剰在庫を持ってしまうと、今後は食品ロスが発生し原価率が上がってしまいます。こうしたことから、適正な量を保つことは重要です。

また、食材管理を適切に行うことは、食品事故の発生も防止します。消費期限の切れた食材を用い、食中毒を起こさないためにも、発注業務や在庫確認業務を最適化することは経営者にとっての課題と言えるでしょう。

飲食店の在庫管理の流れ

店舗運営における在庫管理の大まかなポイントは「現状」と「適正な在庫」を把握することです。

Step1.在庫状況を把握する

まずは、現在の在庫状況を把握しましょう。消費期限・賞味期限は食材ごとに異なります。食材の品質を確認するとともに、食材を入れた容器などに、廃棄しなければならない日時を記載します。

Step2.適正在庫を把握する

適正な在庫量を把握することも重要です。売上を分析し、どの料理がいつ、どの程度注文されるのかを予測します。その予測に応じて、仕入量を決定します。予測については、予約状況や曜日などによっても左右されます。食材は季節によって旬が異なるため、季節性のものについては前年度実績を見ながら予測します。

また、新店オープン時期や販売促進キャンペーンを行っている時期は売上が普段より上昇する傾向にあるため、少し多めに発注する必要があります。この予測をいかに正確に行うことができるかが、飲食店運営の肝とも言えるでしょう。売上傾向の予測に用いられるのが、ABC分析です。提供するメニューの累計売上高を基準とし、メニューをABCの3つのグループに分類します。

  • Aランク:累計売上高の70%を占める商品
  • Bランク:累計売上高の20%を占める商品
  • Cランク:累計売上高の10%を占める商品

例えば、あるファミリーレストランの食品メニューの累計売上高が以下だった場合のランク分けを見てみましょう。

       商品名     累計売上高の割合      グループ
カレー30%A
オムライス15%A
からあげ定食14%A
焼きそば11%A
生姜焼き定食10%B
ラーメン7%B
ビーフシチュー6%B
カルボナーラ4%C
ナポリタン3%C

Aランクであるカレーから焼きそばは、このファミリーレストランの売れ筋メニューです。常に提供できるようにしておけるように、多めに発注し、品切れが起きないようにしておかなければなりません。

Bランクである生姜焼き定食・ラーメン・ビーフシチューは、販売促進やメニュー改良などの工夫により、Aランクにも上がりうる商品です。それぞれのメニューの利益率を把握するなどして、Aランクに上げる商品を見つけましょう。

Cランクは、売れていないメニューです。Cランクについては、フードロスが起きないように需要に即した最低限の発注をする必要があります。また、必要であればメニューの廃止も検討しましょう。

Step3.棚卸を実施する

決められた日時に、棚卸を実施するようにしましょう。在庫の確認は、在庫管理表を作成して数量を記載することで行います。在庫管理表に商品名や数量、保管場所、消費期限を入力し、店内の在庫情報を可視化します。この在庫管理表は原価も入力すれば、原価計算にも用いることができます。エクセルなどの表計算ソフトを用いるのが一般的ですが、POSレジと連携したシステム導入することでさらに業務効率を上げることができます。
棚卸の差異には、食品の品質や保管状況の確認も行いましょう。

飲食店の在庫管理のポイント

飲食店で実際に在庫管理をする上では、適格な手順を守ったマニュアルを作成することが必要です。ここでは、在庫管理で注意したいポイントを説明します。

手順の明確化

重要なのが、手順のマニュアル化です。在庫管理のルールがスタッフ間で異なると、正確な在庫管理ができなくなり、発注ミスや食中毒が発生する可能性が上がります。
在庫確認や発注を行う時間や手順を明確化し、マニュアルを作成しましょう。

先入れ先出しの徹底

食品は、仕入れた順で使用します。先に仕入れた食材を手前に保管し、新しい食材を奥に保管する「先入れ先出し」を徹底し、消費期限の近いものから消費できるようにしましょう。この際、冷蔵庫や棚がぎゅうぎゅう詰めになっていると、業務効率が低下してしまいます。作業しやすいよう、コンテナやタッパーなどを使い保管場所を工夫してください。

日付の記入

食材を入れた容器や袋に、消費期限や賞味期限、納品日などを記載します。前述した在庫管理表にも、同じ内容を入力しましょう。食材によっては、開封日や解凍日、半調理を行った日を記入するのもよいでしょう。

食材ごとの保管場所の徹底

衛生面に留意することも忘れてはなりません。肉や魚から出る汁、野菜に付いた土は、食品を汚染し、食中毒の原因となります。汚染が発生しないよう、食材の種類ごとに保管場所を分けましょう。特に、肉や魚などの加熱用の食材と、野菜などの生食用の食材の保管場所は分けなければなりません。

在庫管理表の作成

在庫管理の結果を在庫管理表に記録しましょう。食材の名前や数量、入出庫量、消費期限などを入力します。在庫管理表のひな形はインターネットでもダウンロードすることができますが、在庫管理システムを活用するとさらに効率化を図ることができます。

ユビレジの在庫管理アプリは、スマホやタブレットに導入でき、レジと情報連携することでリアルタイムで在庫確認をすることができます。また、在庫の変動傾向から在庫切れのタイミングを自動計算し、お知らせする機能や、原価・粗利・廃棄数などを自動算出する機能もついています。

在庫管理を徹底して経費削減・利益向上の実現を

今回は、飲食業態における在庫管理について説明しました。今回説明した通り、在庫管理は重要ですが、その分手間もかかる作業です。手作業における無駄や、欠品、過剰発注などのリスクをなくすために、システムの導入を検討しましょう。

店舗管理システムと連携が可能なユビレジを導入すれば、複数店舗の売上データや在庫数を一元管理でき、発注における業務を効率化できます。店舗運営は店舗に任せ、発注は本部が行うということもできるようになります。

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