この記事のもくじ
みなさんのお店ではレジ締めをどのようにしていますか。営業時間が終わったあとの、面倒くさくて時間のかかる作業という印象を持っている方も少なくないのではないでしょうか。もしもまだ、手作業で集計しているのだとしたら、システム導入によってその時間を劇的に短縮することが可能なのです。
今回は、なぜレジ締めの時間を短縮するべきなのか、またその方法についてご紹介します。
レジ締めとは何をすることか
そもそもレジ締めとは何をすることなのか、あらためて確認しておきましょう。
レジ締めとは、飲食店に限らずどの小売業でもしているもので、その日の売上を集計し、伝票上の売上と手元にある現金やあるいはクレジット伝票などの集計が一致するかを確認する作業のことです。
目的としては
- 1日の売上を確認する
- 手元にある現金が正しく収納されてるのかを確認する
- 翌日の釣銭を確保し、残りを銀行口座や金庫などの安全な場所に格納する
です。
特に、売上伝票と現金の確認を月に1回などのサイクルにしてしまうと、ミスやズレがあった場合、どこに原因があるのか発見するのが非常に困難になります。毎日確認することで早期に、かつ簡単に発見することを重視しているのです。
売上伝票が手書きの場合は、売上を電卓で合計する必要がありますので非常に手間がかかります。万が一その確認事項がぴったり一致しなければ、原因が判明するまで帰れないという悲惨な状況に陥ります。
レジ締めの本当の目的を知ろう
レジ締めの手順
標準的なレジ締めの作業手順は以下の通りです。
- レジのレシート控えに書かれてある売上を足していき、売上の総合計を出す
- レジ内にある現金を数える
- クレジット売上があれば、その金額を2へ足す
- 3から最初に用意していた釣銭分を引き、その金額と1が一致していない場合は、どちらかが誤っている、またはお客様との現金のやり取りでミスをしているのでその原因を突き止める
- 4が一致したら手元の現金を、お札の種類、硬貨の種類別に、つまり金種別に数える
- 翌日の釣り銭用の現金を確保する
- 残りの現金を金庫に入れるか、銀行口座または夜間金庫に入れる
個人店の場合は、ここでレジ締め作業は終了しているかもしれません。しかしチェーン店の場合は、ここからその売上や客数、現金とクレジット売上金額、ズレがあった場合の報告、さらには顧客単価などの分析も含めて営業日報を作成して本部に提出していることも多いでしょう。これもレジ締め同様、慣れていなければかなり時間がかかる作業となります。
レジ締めの本当の目的
経営者または店長の場合は、ここまでが「作業」でここからが本当の「経営」なのです。それは個人店でも同じことで、このレジ締め、または報告で安心して終わってはいけないのです。
本来はこのデータをベースにその日の売上と接客状況を確認・分析し、問題があれば解決策を考えることが重要です。経営で大切なのは、PDCA、つまり計画を立て(Plan)、実行し(Do)、その結果を確認・分析し(Check)、解決策を検討し再度実行する(Action)サイクルを回すことで、仕事を「やりっぱなし」ではなく常に改善させていくことが求められます。そうした地道な努力を続けることが、利益を出して経営を続けていく秘訣なのです。そのための「Check」と「Action」の段階が、このレジ締めの後の「経営」の時間なのです。
具体的には
- 売上金額だけではなく、昨年同日対比や予算対比の確認
- 売上総合計だけではなく、顧客単価についても昨年同日対比や予算対比の確認
- 売上が下がっている、予算に達しなかった、あるいは顧客単価が下がっている場合の原因の追究
- 原因を解決する策の検討
- そのほか、販促を打っている場合はその効果の確認
- 推奨しているメニューがあればその売上状況の確認
- 5と6についても、見込みに届かなければ原因の追究と改善策の検討
などがあります。この7つは最低しておかないと、日々の仕事に追われるだけで根本の問題が解決できず、いつの間にか利益が下がっていくといった危険性があります。
しかし、こう書くと以下のような声が聞こえてくるでしょう。
「夜中にそんな作業をしている時間はないよ」「寝る時間が無くなっちゃうよ」
その問題を解決するのが、POSレジの活用なのです。
レジ締めはPOSレジを使うと劇的に早くなる
いきなりPOSレジという言葉が出て来て戸惑った人もいるかもしれません。POSレジとはどういうもので、なぜ戦略や戦術を考える時間を作り出せるのかご説明します。
POSレジとは
定義的に言うと、POSは「Point Of Sales」という英語の頭文字です。訳すと「商品やサービスの販売、提供がおこわなれた場所やその瞬間」になりますが、ビジネス上の言葉としてはもう少し深く「商品を販売した時点、および会計をした時点での売上情報を管理し、それを営業分析や戦略や戦術立案に生かす手法」のことです。元々は物販の小売業、特に大型のスーパーマーケットの営業分析手法としてアメリカで開発されたものです。
飲食店の場合に即して言えば
- オーダーした段階で売上が計上される
- オーダーと同時に注文内容がキッチンに流れる
- テーブル別に売上伝票が発行される
- 会計時にその売上の入金が記録される
- データが自動的に集計される
となります。実際に導入されているPOSレジのシステムでは、こうしたデータを利用して営業分析や在庫管理まで行えるようになっていることが非常に多いです。
飲食店でのPOSレジの標準的な構成
このPOSレジのシステムを飲食店に導入した場合、必要な機械の構成は以下のようなものです。
- オーダーを取るためのハンディターミナル
- オーダー無線で飛ばすための店内無線LAN
- オーダー内容を印刷する小型のキッチンプリンター
- 現金を受け取り売上を確定させるレジスター
- 売上データが蓄積するもの(パソコン、クラウドなど)
これだけを導入すれば上で挙げた内容がすべてできます。
POSレジ導入で劇的に早くなる作業は?
なぜこのPOSレジを導入すると、分析や戦略、戦術検討の時間が取れるのかというと、レジ締め作業が劇的に早くなるからです。
たとえば、POSレジがなければ「標準的な手順」で説明したような、売上をレジスターの伝票を見ながら電卓で叩いて手書きで集計していたでしょう。さらに、キャンペーン中のメニューを営業日報に書いたりする場合は、キャンペーン中のメニューが書かれた伝票を1つ1つ見ていき数を数えていたはずです。
しかしPOSレジが導入されていれば、売上総合計もキャンペーン商品の出庫数も自動で集計してくれるので、一発でわかります。つまり、レジ締めはレジスターの中の現金を数え、パソコンの数字と一致しているかを確認するだけで済むのです。こうして、1番面倒だった作業がなくなるわけです。今まで1時間かかっていた作業が10分でできますので、劇的に時間が短縮されるでしょう。そして、残りの50分を戦略や戦術の検討時間に充てられるようになります。
最も重要な仕事をする時間ができ、かつ早く帰れるようになるというのは素晴らしいことだと思いませんか。
【関連記事】
飲食店が業務効率化によって得られる効果とIT化の重要性
レジ締め後の本部報告や業績分析も自動化!?
複数の店舗を持っているチェーンの場合、営業日報の計算部分はPOSシステムによって不要になります。なぜなら、各店舗のデータが本部のサーバーと言われる大容量のコンピュータとつながっているため、本部でも店舗と同じタイミングでその店舗の売上や客数、あるいはキャンペーン商品の出庫数などを一元管理できるからです。これにより営業日報を本部に出すにしても、その内容は本来必要な、問題点の把握とその解決策の検討だけに絞ることができるのです。
さらには、どの商品がどの時間帯にどれだけ売れているかなどの細かい分析もできます。当然売上の前年同日比や顧客単価の前年同日比もコンピュータが計算してくれますから、その傾向から営業戦略を練ったり、新メニューの開発を考えたり、というように非常に戦略的に会社を動かせるようになります。
レジ締め以外にもPOSレジのメリットはこんなにある
POSレジのメリットはレジ締めをラクにする以外にもまだまだあります。せっかくなので、簡単にご紹介しておきます。
・不正防止
POSレジの導入は、会計担当者の不正防止に役立ちます。POSレジは、レジスターでの会計回数とオーダーをベースに発行された売上伝票数が一目でわかります。そのため、その差があった場合には「何か会計に問題がある」とすぐにわかってしまいます。たとえば、50件の会計操作があったのに、売上伝票の発行数が49件だった場合、足りない1件分の売上に伴う入金分は、会計担当者がレジを通さないで自分の懐に入れてしまったということがまず想定され、その真偽を確認できるのです。
・レジの打ち間違いによる売上誤計上の防止
POSレジの場合、注文したメニューを1件1件レジに打ち込んで会計の合計金額を出す必要がありません。手打ちのレジスターの場合は、「5」を間違って「6」と打ってしまえば、それだけですぐに実際の売上と狂ってしまい、管理上の問題だけでなくお客様にも迷惑がかかります。しかし、POSレジの場合はハンディで打ち込んだメニューの売上をテーブルごとに集計された状態でレジに表示されますから、手打ちが不要になりミスもなくなります。
・在庫管理との連動機能も
POSレジのシステムによっては、在庫管理のデータとも連動しています。定期的に棚卸しを行えば、コンピュータ上の在庫数との差異が発見され、食材ロスや廃棄ミス、あるいはオーバーポーションなどがすぐに判明し、無駄なコストを撲滅できます。棚卸しだけで在庫管理をしている場合は、その棚卸しが「実際に売り上げた結果の在庫数」と一致しているのかどうかわかりません。その場合、大きなロスがあっても見つけられず、店の損益的に大きなダメージを与えることになってしまいます。そのような問題を、POSレジならば回避できるのです。
・人件費削減
レジ締めを従業員やアルバイトにさせている場合は、その作業時間が大幅に短縮しますので、人件費の削減にもつながります。レジ締めが短くなることでオペレーションも簡単になり、スタッフの人数も少数で済むでしょう。
こうしたメリットと戦略検討にあてる時間が取れる点、そして自分自身早く帰れるという労働環境改善がPOSレジには期待できます。POSレジの導入は、トータル的に大きなメリットを店舗や自分の会社にもたらしてくれるのです。
POSレジとは?システムの機能と飲食店が導入すべき5つのメリット
まとめ
いかがでしょうか?
手作業でレジ締めを行い、それだけで精一杯になって戦略検討の時間をとれないようでは本末転倒です。POSレジなどの便利なシステムを上手く活用し、しっかり「経営」する時間を作り出しましょう。分析をおこない、PDCAをまわして安定かつ攻めの経営をしていってください。
【店舗経営においてはPOSレジが欠かせない】
店舗を経営するにあたって、今やなくてはならないのが「POSレジ」です。POSレジ一つで日々の業務効率化だけでなく、売上管理・分析等を行うことが出来ます。
現在はiPadなどを用いた「タブレット型POSレジ」が主流になっており価格も月々数千円~で利用出来るようになっています。機能性も十分に高く、レジ機能はもちろん、会計データの自動集計により売上分析なども出来るため店舗ビジネスをトータルで効率化させることが出来ます。
「機能を使いこなせるか不安」という方には、操作性が高い「ユビレジ」がおすすめです。業種を問わず累計3万店舗以上で導入されているタブレットPOSシステムで、月々6,900円(税別)からご利用いただけます。
実際の操作方法などが気になる方には無料のオンラインデモも対応可能!まずはお気軽にご相談ください。