店舗拡大のタイミングを決める基準について|多店舗展開の手順は?

開業・経営

既存店舗の経営が良好な場合、店舗の拡大を考える方も多いと思います。店舗が増えることで売上の増加が見込めるほか、多量仕入れによるコスト削減効果(スケールメリット)も期待できます。しかし、店舗拡大にはいくつかのリスクも存在するので、実際に行動に移す際は十分な検討が必要です。本記事では店舗拡大に移る判断基準や実際の手順について解説します。各種リスクについては、事前にできる対策も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

店舗拡大のタイミングを決める判断基準は?

既存の店舗の経営が良好である場合、店舗拡大が検討されるでしょう。

ここでは店舗拡大のタイミングを決める判断基準について説明します。「店舗拡大には早すぎた・遅すぎた」といった後悔を招かないよう、拡大のタイミングを見極めることが重要です。

今の店舗で利益を確保できている

店舗拡大のタイミングを決める判断基準の1つ目として、既存店舗の経営が安定している状態かどうかが挙げられます。既存店舗の経営が安定していれば、店舗を拡大できるタイミングと考えられるでしょう。

既存店舗の運営が上手くいっていない状態では、拡大した店舗の経営を成功させるのは難しい状態であるといえます。1店舗目で、店舗経営のノウハウが十分に蓄積されていない状態で、かつ資金も十分に余裕がない状態では、経営が行き詰まる可能性がでてくるからです。

新店舗を任せられる人材が確保できている

2つ目に、新店舗を任せられる人材が確保できているかどうかが重要です。店舗を拡大した場合、新店舗を任せるマネジメント人材が必要となります。
マネジメント業務には、店舗の売上管理、キッチンやホール業務の指導、スタッフの勤怠管理などが挙げられます。
既存店舗でマネジメント経験がある社員に新店舗の店長を任せるほかに、他店で店長経験のある人材を新たに採用するといった方法が挙げられるでしょう。

店舗を拡大するための手順

店舗拡大するためには具体的にどのような検討が必要なのでしょうか。

ここでは店舗拡大のための5つのステップを解説します。

Step1.今の店舗の客観的分析を行う

まずは既存店舗の成功・失敗したポイントや課題を整理しましょう。既存店舗の立地やメニュー、客層、接客、内装・外装、集客の取り組みなどを客観的に分析し、店舗が繁盛している要因を分析します。

既存店で利益につながっている要素を見つけることで、店舗拡大する際にも「変えるべきポイント」と「変えてはいけないポイント」を見極めることができ、戦略を立案しやすくなります。

Step2.拡大する店舗の立地を選定する

続いて、拡大する店舗の立地を選定します。既に複数店舗ある場合は、これまでの好業績店舗から成功する立地条件を明確化することも有効です。

既存店舗と同一地域に出店する場合は、経営管理が行いやすくなるほか、仕入れや配送のコスト低下も期待できます。また、同一地区に同業態で複数店出店することにより、競合の参入を防ぐ効果も期待できるでしょう。

ただし、同一地区に同業態で拡大した場合、同一企業内で顧客を取り合う可能性、つまりカニバリゼーションに注意が必要です。十分な商圏分析を行い、自社競合が行わない立地に拡大することはもちろん、どうしても重複する場合は、ターゲットとする顧客をずらしてコンセプトを変えるなども1つの手段です。

Step3.初期投資の回収について計画する

店舗拡大に際し、初期費用をきちんと算出し、回収期間を明確にします。初期投資に対するリスク管理を行わないと、拡大した店舗が初期費用を回収しないまま潰れる可能性もあります。

初期費用を回収できずに拡大した店舗が潰れた場合、既存店舗の経営にも影響を及ぼしかねません。

Step4.スタッフの確保・育成をする

店舗拡大において大きな課題が、スタッフの確保・育成です。店舗を拡大すれば、その分人手も増えるため、人材不足に陥りやすいでしょう。スタッフの不足やスタッフの育成不足により接客に問題があれば、顧客からの信頼を失う可能性もあります。求人・採用も含めて人材の数を確保し、育成を行うことが大切になります。

Step5.店舗拡大のための仕組みを整える

5つ目のステップとして、店舗拡大の仕組みを整える必要があります。既存店舗のノウハウを新店舗でも再現させる仕掛けです。既存店舗のノウハウをマニュアル化するなどにより、同一業態の他店舗で同様の質のサービス提供が可能となります。

また業務管理においても、店舗数が増えた場合、既存店舗のみのときと比べると管理が複雑化するため、既存店舗にて一元管理が可能になる業務管理システムを導入するのもおすすめです。

店舗の拡大におけるリスクは?

既存店が成功していれば、店舗を拡大することのメリットは多く想定されます。
しかし、店舗拡大は失敗すると既存店の経営にも影響を与えかねません。ここでは、店舗拡大におけるリスクを紹介します。

費用面でのリスク

新店舗の開業には、店舗物件を取得するための費用や、設備や厨房機器など設備投資のための設備資金などの初期費用がかかります。また開店後には賃料、人件費、光熱費、材料費などのランニングコストが必要となります。
新店舗の売上が軌道に乗るまで、売上よりこれら初期費用や運転資金の支払いが多く、損失となる場合があります。事前に投資対効果を十分に検討することが重要です。

人材に関するリスク

安定した店舗経営を行うためには、スタッフの確保と育成が必要です。「接客品質が悪い」「料理の提供が遅い」など、顧客の要望に応えられる十分な量と質のスタッフを準備できない場合、店舗の悪評にもつながりかねません。

経営が複雑化するリスク

店舗拡大によって、経営に必要な管理業務が複雑化し、ミスが発生しやすくなるリスクがあります。

具体的には、売上の集計や管理、材料の仕入れ発注、金銭管理、シフト管理など、多岐にわたります。規模が拡大することにより管理する対象が増え、人為的ミスも引き起こされます。

システム化できる業務はシステム化し、早期に全体管理がしやすい業務運用を導入するのがおすすめです。

タイミングを見極めて、成功する多店舗展開の取り組みを

本記事では、店舗拡大のタイミングを決める基準や、具体的な多店舗展開の手順について説明してきました。既存店で十分に収益性が担保されている場合、多店舗展開にはその成功事例を十分に分析・活用することが重要です。

複数店舗の経営によって、それぞれの店舗の成功事例を共有したり、店舗間での人材交流を行ったりすることにより、従業員の意欲向上にもつながるでしょう。

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