開業して店舗オーナーとなられた方も、これから脱サラをしてカフェやバーなどの飲食店経営をされたい方も、「失敗」はしたくないものです。
店舗経営レシピブックではこれまで、2店舗目の展開で失敗した事例として「店舗展開の失敗事例から学ぼう ベッドタウンの飲食店が3ヶ月で閉店した理由とは?」を紹介しましたが、今回は、1店舗目で整えておくべき失敗と教訓を紹介します。
「どのお店でも成功する法則」はなかなかありませんが「どのお店でも失敗する法則」は数多くあります。 多くの人々の「失敗」から学ばない手はありません。その原因と対策を知って、踏み出すきっかけを作りましょう。 どれも当たり前のことかもしれませんが、この5つのポイントをしっかり確認し、是非同じ失敗が起こらないようにしていってください。

失敗から教訓を学ぶ〜見落としやすい5つのポイント〜
いきなり成功を目指すよりも、まずは経営基盤を整えて「失敗しないこと」を重視するほうが望ましいといえます。ここでは、失敗または見落としやすい5つのポイントを紹介します。
1: キャッシュフローがつきてしまった
手元の現金が尽きてしまい、新たな借入れなどをしなければ、食材の仕入れ代金、人件費、家賃が支払えない状態です。
考えられる原因
- どんぶり勘定であった、計算書・決算書の紙上での損益ばかり注視していた
- 売上高ばかり気にしていて経費コントロールをしていなかった
- 費用の支払日に支払用の現金を準備する認識が甘かった
- 店舗(会社)と自分の生活費の財布を分けていなかった
取るべき対策
- 経理の体制を整える。売上集計や入金・出金サイクルを明確にする
「飲食店での経理業務効率化はどうすればいい? 〜外注の上手な活用方法〜」参照 - 1ヶ月毎の予算を立て、人件費・仕入れ代金等の経費の上限(売上高比、金額)を明確にして、その経費が使える「枠」を厳守する。もし、その上限を上回ったら他の経費を抑制して調整する
- 店舗と自分の生活費の通帳・財布を明確に分け、絶対に店舗の現金を自分の生活費等に使わない
2: 商品に自信を持ちすぎ、売る努力をしなかった
「美味しい商品を提供すれば、お客様は来てくれる」と思っている人が多いです。たしかに宣伝にお金をあまり掛けられないのであれば「クチコミ」の威力が大きいのは事実です。しかしそれだけに頼った場合、損益分岐点を超えて十分な利益が出るまでにどれだけの時間が掛かるでしょうか?それまでの間耐えられるだけの十分な資金を持っているでしょうか?商品をつくるだけではなく、売る努力をしなければいけません。
考えられる原因
- 商品さえ良ければお客様は来ると考えていた
- 開発した商品が、本当は多くの消費者に受入れられる商品でなかった
取るべき対策
- SNS、ホームページ、ポスティング、ポスター、ポイントカードの活用などで、積極的に「多くの人に知ってもらう」
「飲食店の集客術 ホームページ&アナログ戦略で売上をアップさせる方法」、「飲食店のSNSマーケティング戦略。LINE, Twitter, Facebook, Instagramの活用法」参照 - 知人に商品を食してもらい、感想(本音)をヒアリングする
3: 借入金の返済に追われてしまった
1と似ていますが、こちらはより具体的な失敗理由です。
考えられる原因
- 最初から黒字になると想定した資金計画
- 「売上高がすべて」という発想
取るべき対策
- 開店から6ヶ月間は単月赤字を想定して、開店前から余剰資金を準備しておく
- コストコントロールへの意識を持ち、数値管理の徹底をする
「損益分岐点の簡単な計算方法 儲かる飲食店の条件は経費を減らすこと」参照 - 入金はできるだけ早く、出金はできるだけ遅くする
4: 思ったように集客できなかった
集客できない=売上高が上がらない。開業する前に、これくらいの集客はできるだろうと予想しているにもかかわらず集客ができず、苦しむケースが非常に多いです。2のように売る努力をしていないケースもありますが、売上予測が甘いケースも多く見られます。
売上予測をする際に必須の項目は以下の二つです。
- 商圏人口(ターゲットとする属性=性別・年齢・年収等の人口)
店舗から半径何Kmという大雑把な掴み方ではなく、店舗前の人の流れ(動線)に注目しなければなりません。 駅近の繁華街型店舗の場合、道一本違うだけで大きく人の流れが変わる事があるので、店舗前に加え、付近の人の流れも、朝昼晩・平日と土日休日、現場でチェックする必要があります。 郊外店に関しては、交通量・交差点の有無・渋滞度・幹線道路か生活道路かなどの確認が必要です。 - 競合店の有無(競合店の売上高も参考にする)
詳細は「飲食店の繁盛店・競合店を調査する方法。マーケティング・差別化のための競合調査」で解説しています。
考えられる原因
- さまざまなデータを参考にしないで、自分の感覚だけて立地を決める
- 望む立地が見つからないので、妥協して決定
- 立地条件に合った商品(価格・材質・量等)でない
- 消費者に認知されていない(広告・販促活動不足)
- リピーター率が低い
取るべき対策
- 出店前の緻密な立地と物件選び
「飲食店の立地条件の調査方法 駅前・郊外・人口……押さえるべきポイントは?」、「飲食店店舗物件の上手な探し方 居抜き物件VSスケルトン物件 得なのはどっち?」を参照 - チラシ配布、ポイントカードの導入、店頭看板の演出といった「目に見える」認知拡大施策
「受取率80%も夢じゃない!?チラシ配り術(前編)」、「チラシ配り術(後編)」、「店舗経営と集客に共通ポイントカードの導入がおすすめな3つの理由」を参照 - リピーターを獲得する仕組みづくり
「飲食店のリピーターを増やすには? リピート率を上げる集客術」を参照
5: スタッフが定着しない、採用や教育が上手くいかない
お店の経営は、オーナー1人では限界があります。そこで一緒に働く従業員が必要となります。せっかく採用・教育したのに短期間で辞めてしまうのなら、お店の体制にも問題があるかもしれません。 経営者としての誠実な姿勢がここで求められます。
考えられる原因
- 他のスタッフの間に入り込めない
- 労働環境の悪さ(サービス残業、キツい・きたない・危険のなど)
- 募集内容と実際が違う
- 作業が複雑すぎ、習得が困難
取るべき対策
- 労働環境の改善(新人スタッフのサポート、人員の充実など)
- 作業マニュアルの作成
- スタッフを大事にする(シフトの融通を聞かせる、積極的に話しかけるなど)
- スタッフ間の交流を促進する
当たり前のことを、高いレベルで当たり前にこなす
これまで紹介した5つのポイント。 「当たり前のこと」と思われたかもしれませんが、すべてを押さえることはなかなか難しく、さらに店舗が走り出してからでは軌道修正は難しくなります。
「成功」するにはそのお店独自の特徴を活かす必要がありますが、失敗または閉業してしまうお店の原因は驚くほどに共通しています。 この記事で紹介した失敗を失敗をおかさないためにも、今いちど、ご自身のお店、将来お持ちになりたいお店に当てはめて考えてみてください。
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