多くの飲食店では忘年会のための集客準備は熱心に行いますが、新年会の集客準備については忘年会ほど注力していないというお店も多いのではないでしょうか。確かに、売上のボリュームで言えば忘年会の方が新年会よりも大きいと言えるでしょう。しかし、まとまった売上が稼げるという意味では、新年会もビジネスチャンスであることに変わりはありません。現に多くの飲食店での季節指数を見れば、月ごとの売上ランキングにおいて1月は上位3~4位には入っているでしょう。
しかし、いざ新年会対策とは言っても、具体的にどのような点を意識すればいいのか分からない部分も多いでしょう。
そこで今回は、新年会の特徴や傾向、そして新年会ビジネスを成功させるためのメニューのポイント、今後のリピーターにつなげるコツについてご紹介します。
新年会の特徴
漠然としたイメージは持っていても、新年会について改めて考えてみると、どういう特徴があるのかはっきりと分かる方は少ないのではないでしょうか?そこで、新年会について理解を深めて頂くためにも、最初に新年会の特徴についてご紹介します。
忘年会をした会社、グループは新年会を行わない傾向にある
忘年会と新年会の両方をする会社、部署、グループは比較的少ないとされています。つまり、忘年会を実施した場合は新年会は行わず、反対に忘年会を行わなかった場合は、新年会を行う可能性が高いということです。したがって、新年会のDMを会社宛てに出す場合は、少なくとも自分の店舗で忘年会を実施した会社は外すことが、効率よく販促を行うポイントとなります。
忘年会を行わず新年会を行う場合の人数の規模は、忘年会並みになります。Yahooダイニングの調査によれば、忘年会を行った会社の参加人数は以下の通りです。
10~19人 35%
5~9人 24%
30人以上 23%
忘年会の参加人数の分布と新年会の参加人数の分布は、若干の差はあれどほとんど同じであるとされます。つまり、忘年会とほとんど同じ人数を集客できる新年会のニーズもしっかりととらえることが、ビジネス的にも重要であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
忘年会をした場合は、行っても親しい人間だけの参加
忘年会を実施した会社、あるいは部署の人たちは、忘年会を実施したので新年会を行わないかというとそうではありません。親しい同僚たちだけで、あるいは会社全体で忘年会を行っていた場合は、その下の組織の部門やチーム単位で「内輪の」新年会を開いている傾向もあります。
したがって新年会メニューは、大規模宴会用と小規模グループ用の2本立てで考える必要があります。販促の際も大規模宴会用と小規模宴会用の2つを用意していることをアピールすれば、幅広いお客様のニーズを拾いやすくなるでしょう。
新年会を実施する団体の単位は?
新年会を実施する団体の単位についても、ほとんど忘年会と同じ傾向にあります。ある調査によれば、新年会を誰と行うかという問いに対して「会社・仕事関係」が約45%、「友人・知人関係」が約39%、また、「会社・仕事関係」以外との実施は、年々減少傾向にあるという調査結果がでております。つまり、新年会の販促活動は会社関係に軸足を置いたほうが、効率的に集客できるということが言えるでしょう。
料理は少し毛色の違うものを選ぶ傾向
ここまでの内容から「忘年会の代替が新年会」という印象をお持ちになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、新年会の料理に関しては、忘年会と違うものが求められています。日本ホームパーティー協会の調査によると、新年会や新年のホームパーティーで重視することは「フードを充実させる」(45.9%)、「料理のジャンル」(18.9%)、「会場の交通、アクセスが良い」(10.8%)の順となりました。
ところが、忘年会の料理について何を重視するかと調査したところ、「フードを充実させる」(45.9%)、「会場の交通、アクセスが良い」(24.3%)、「子供の遊べる&参加者が休めるスペースがある」(8.1%)となったのです。
これらの調査結果から分かることは、忘年会の料理は定番の鍋などでも良いですが、新年会の場合は少し毛色の違う内容の料理を選ぶことが求められるということなのです。要するに、新年会も忘年会と一緒のメニュー構成でいいだろうと同じ宴会メニューをそのまま使用したら、新年会ニーズは獲得できないということです。
新年会はいつ行われるか
新年会の時期や期間を見たうえで、いつまで新年会メニューを展開しておけばよいのかについて考える必要があります。それを踏まえ、早めに行うべき新年会の対策についてもご紹介します。
新年会の時期
歳時記では旧正月まで
新年会の開催時期を過去の慣習的に見た場合、「新年会」と称してもおかしくないのは、元旦から旧正月、つまり2月19日頃までです。つまり、新年会メニューや新年会をアピールするポスターを外すのは、2月下旬以降ということになります。
会社の場合は最初の週末がピーク
ただし、実際の新年会は元旦から旧正月までの1ヶ月半以上にも及ぶ長いスパンでは行われません。忘年会の場合、早い会社では11月下旬から実施し始め12月をピークに年末まで行われます。このことからも、まさに1ヶ月半が飲食店にとっての忘年会シーズンとなります。しかし、新年会はもっと短期勝負となります。
なぜなら、新年会の開催ピークは、多くの場合仕事始めをした最初の週の週末だからです。たとえ最初の週から遅ればせながらになっても、翌週の週末には行われるのが常です。つまり、新年会シーズンは約2週間ほどであるということです。
新年会の対策
時期をずらした予約には割引サービスを
上記のように、多くの企業やグループが新年会の開催を同じ時期で行うため、その時期は新年会の予約が非常に取りにくい状況になります。このことは、1月の第3週目以降で新年会を実施されるお客様に対して割引価格にするなどの施策を考えれば、予約が取れなくて困っていた団体、あるいはその割引に惹かれて時期をずらす団体などを取り込むことができます。
販促は12月に入ったらすぐに開始すること
新年会メニューのPRなどの販促活動、公式サイトへの掲載は、12月に入ったらすぐに開始しましょう。というのも、多くの新年会の幹事向けマニュアルの中で
- 35~20日前に開催日の決定する
- 35~20日前に飲食店を予約する
ということを解説しているからです。
つまり、1月上旬開催から逆算した場合では、12月の初旬には店舗に新年会用のメニューがなければなりません。12月の頭には新年会用のメニューがあることをお客様にアピールしておけば、他店に先駆け、なおかつベストのタイミングで予約活動ができるのです。他店に予約を取られないよう、早割特典などをつけられればなおよいでしょう。
新年会メニューの価格設定のポイントは?
新年会メニューの価格設定について考える際、どのようなことを基準に考えればよいのでしょうか。
大規模新年会の場合は、忘年会と同じ価格設定の考え方で問題ありません。調査によれば、新年会の予算は1回1人あたり3000円~4000円が約25%、5000円~6000円が約30%とほぼ忘年会と同じ結果となりました。
つまり、飲み放題がついたコースを3,000円〜6,000円の幅で考えておけばよいということです。もちろん、店舗の客単価や予算感をしっかり意識するようにしてください。また、料金を回収する幹事さんのことを考え、「税込み3,000円」というような、金額は税込みでぴったりキリの良い金額としておきましょう。しかし、少人数向けのプランの場合は「3,980円」などとした方がお得に見える場合もありますので、価格設定は集客したい規模にあわせて設定をおこないましょう。
コースプランをいくつか設定する場合は、一番集客したい価格帯のメニューを複数用意しておきましょう。同じ価格で内容を選べるようにしておけば、その価格での予約を増やすことができるかもしれないからです。
また、新年会を大勢ではなく仲の良い内輪で行う少人数グループ向けのメニューも用意できればベストです。懐石風のコースや、少し贅沢なお造りの盛り合わせがメインのコースなど、普通の宴会とは少し毛色の違う内容を考えましょう。毛色の違うコースとする場合は、お得に見せるために3,980円などの価格設定にすることが望ましいでしょう。
新年会客をリピーターにしよう!
新年会は大きな売上を短期間で稼げるタイミングであると同時に、新年会で店舗を気に入ってもらい、日常使いのお店として選んでもらえる可能性もあるという意味で、販促の場ともなり得ます。ですから、しっかりとした接客や料理提供、ちょっとした演出などをして顧客満足度を高め、何度も来店いていただけるリピーター獲得につなげましょう。リーピーター獲得の具体的あポイントは以下のような点です。
スタッフ、食材は十分に用意する
忘年会にも同じことが言えますが、団体客の場合、キッチンでもホールでもスタッフが少なければ、提供遅れや料理の質の低下、接客レベルの低下が起こりがちです。また、団体客と予約なしの小グループがバッティングした場合、食材切れなども発生しかねません。それらはすべてお客様の不満足につながりますから、新年会シーズンではシフト調整をしっかりおこない、ロスにならないよう考えながら食材を多めに仕入れておきましょう。
ちょっとしたおめでたい演出を
正月ならではのちょっとしたおめでたい演出をすることで、店舗に対する印象はぐんとよくなります。たとえば、ポチ袋に5円玉を入れて1人1人の予約席に置いておくという演出でもよいでしょう。あるいは、ネットの販促品サイトなどへアクセスすると、干支の小さな人形やキーホルダーなどの開運グッズも販売されていますから、それを用意しても良いでしょう。
まとめ
いかがでしょうか?
忘年会ほどではないにしても、新年会も飲食店にとっては大きなビジネスチャンスとなり得ます。そのため、忘年会の焼き直しではなく、新年会には新年会向けのニーズに合わせた戦略を練って、しっかり売上アップを図りましょう。
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