飲食店にWi-Fiを設置することのメリットとデメリットとは?選ぶ基準や設置法、設置事例もご紹介します!

飲食店開業・経営

個々の家庭から商業施設、公共施設に至るまで、Wi-Fiはもはや常識といっても良いほど普及が広がっています。飲食店ももちろん例外ではなく、Wi-Fi環境があるのが当然で、Wi-Fi環境があるかどうかで来店を決めるというお客様も少なくありません。

しかし、現在の流れがそうであるからといって特に検討もせずにWi-Fiを導入してしまうと、思ったよりコストがかさんだり、時にはトラブルやクレームに発展してしまったりということにもなりかねません。Wi-Fi設置のメリットとデメリットを押さえたうえで導入を検討すること、またWi-Fiの選定や設置方法についてもしっかり選び、準備することが大切です。

今回の記事では、Wi-Fi導入のメリットとデメリット、選定基準や設置方法、そして設置事例についてご紹介します。

飲食店にWi-Fiを設置するメリット

まずは、Wi-Fi設置のメリットについてお話します。Wi-Fi設置はお客様だけではなく、店舗や従業員にとっても大きなメリットになることを知っておきましょう。

集客につながる

店舗内で通信制限を気にせずアプリやゲームを利用できるというのはお客様にとってとても大きなメリットになります。また、テレワークが増えている現在、レストランやカフェなどでパソコンを使って仕事をする方も増えています。Wi-Fiを導入し、テレワークOKであることを周知すれば、新たな顧客開拓にもつながります。

また、Wi-Fi利用を目的の一つとして店舗を利用するお客様は何度も繰り返して来店することが多く、リピーターの確保に繋がります。

待ち時間を快適に過ごせる

特に混雑時には席への案内や料理の提供に時間がかかってしまうことがあります。待ち時間というのはお客様にとって大きなストレスになり、クレームになったり来店が遠のいたりしてしまう恐れもあります。

Wi-Fiがあると、スマートフォンでアプリやゲームを楽しむことで待ち時間を快適に過ごすことができます。店舗によっては待ち時間に読むために本や雑誌を置いていますが、タブレットを貸し出して電子書籍を楽しめるというサービスを提供するというのも喜ばれるでしょう。

接客がスムーズになる(スマートレジの導入、外国語対応、お客様からの質問に答えられる)

Wi-Fiの導入はお客様だけではなく、店舗の運営やサービス提供にも大きなメリットをもたらします。例えば現在ではスマートレジと呼ばれるタブレットでの会計を導入している店舗が増えています。スマートレジは操作が簡単で覚えやすく、集計業務やクレジット会計が容易であるというメリットがあります。

また、お客様から観光地や病院などの周辺の情報を聞かれる場合があります。その時もタブレットを使って迅速に情報を提供することが可能です。

さらに、外国語を話すお客様に対しても、翻訳アプリを使ってスムーズに応対できます。

このようにインターネットは接客において必要不可欠なツールとなっています。Wi-Fiを導入すれば店舗内のどこでも柔軟性のあるサービス提供が可能になり、顧客満足度が上がるだけではなく、従業員の負担軽減にもつながります。

ケーブルの露出が減り、店舗内がすっきりする

有線LANを使用するとケーブルの露出が多く、店舗内がごちゃごちゃした雰囲気になります。

またお客様や従業員がケーブルをひっかけて断線やけがの原因になることもあるかもしれません。Wi-Fiを導入することでケーブルが減り、店舗内をすっきりさせることができます。

従業員の満足度向上につながる

従業員にとって、自由にWi-Fiが使えることは魅力的な福利厚生です。休憩時間にLINEやゲームを楽しんでリラックスすることで、心身の疲れを癒すことができます。

従業員募集の際に「休憩時Wi-Fi使い放題」と知らせることで、多くの希望者を集めることもできるでしょう。

飲食店にWi-Fiを設置するデメリット

先ほどご紹介した通り、Wi-Fi導入にはお客様と店舗の双方に大きなメリットがありますが、導入方法や運営方法を誤ると却ってデメリットが大きくなってしまうこともあります。Wi-Fi導入のデメリットと、その対策についてご紹介しましょう。

導入と運用に費用がかかる

当然のことながら、Wi-Fiの導入と運用には費用がかかります。初期費用や設置工賃、ルーターの月額使用料などを確認し、費用対効果を良く見定めてから設置に踏み切るようにしましょう。

滞在時間が延び、客単価が下がる

先ほどご紹介した通り、店舗内でインターネット通信を自由に使えることは顧客にとって大きな魅力になります。しかしその反面、食事が終わってからもゲームや仕事を続けるお客様が増え、客単価や回転率が下がってしまうという問題を引き起こす可能性があります。

もちろん、アイドルタイムにはお客様にいていただくだけで外のお客様を呼びやすくなるというメリットがありますが、混雑時は非常に困ります。

「混雑時は滞在2時間まで」、「1時間半を超える場合はワンオーダー必須」というようなルールを定める、Wi-Fi利用に時間制限を設けるなどすると良いでしょう。

お店の雰囲気が変わってしまうことがある

Wi-Fi導入は顧客開拓につながりますが、こちらも別の視点で見ると、客層が変わり雰囲気が変わってしまうことがあるという問題点があります。

例えば静かにコーヒーと音楽を楽しむ純喫茶のようなお店でWi-Fiを設置すると、若い方が集まって騒いだり、テレワークに利用されたりしてお店の雰囲気が壊れてしまい、常連のお客様の足が遠のく、ということになる場合もあります。売り上げの面でのメリットだけに目を向けるのではなく、そうしたデメリットも十分に検討する必要があるでしょう。

回線がつながらない、セキュリティ面の不安などの問題がある

Wi-Fiのような無線LANはケーブル接続の必要がなく、室内のどこでも利用できるというメリットがありますが、その反面有線LANと比べると回線が弱いというデメリットもあります。さらに同時接続台数が決まっているため、混雑時にはWi-Fiがつながらないお客様も出てきます。その場合クレームになり、対応に時間が取られてしまうということにもなりかねません。

また、Wi-Fiはモバイル端末とWi-Fiスポットの間で電波による通信を行っています。そのため電波の近くにいる人に情報を盗まれたり、不正アクセスされたりといったセキュリティ面の問題もあります。

Wi-Fi導入を検討する際には、回線速度や同時接続台数を確認し、自店舗に合ったものを選ぶことが大切です。

飲食店に設置するWi-Fiを選ぶ基準

Wi-Fiを導入する際には、上記のメリットとデメリットを踏まえ、自店舗に合ったものを選ぶことが大切です。Wi-Fiを選ぶ基準をいくつかご紹介します。

費用

Wi-Fiの設置費用は3~5万円程度が相場です。自分で設置する場合は初期費用不要という通信会社もあります。月額料金は2,000~5,000円程度です。解約時に費用がかかる場合がありますので、契約時に必ず確認しておきましょう。

同時接続回数と通信速度

先ほどご紹介した通り、Wi-Fiは同時接続回数が決まっている、通信が無線LANより弱いというデメリットがあります。同時接続回数が多く、通信品質が良いものを選べば良いといえますが、高品質なものはそれだけ利用料がかかります。

店舗の広さや顧客の数、Wi-Fiの利用率などを試算し、自店舗にあったプランを導入するようにしましょう。

セキュリティ

Wi-Fiで特に不安視されているセキュリティの面にもしっかり目を向ける必要があります。

例えば、外部からの不正アクセスを防止するための手段として、多くのWi-Fiには通信を暗号化するための機能が備わっています。暗号化方式にはWEP、TKIP、AESなどがあり、それぞれ安全度や特徴が異なります。現在ではAESが最も安全性が高いとされていますので、AESに対応したWi-Fiルーターを導入するのがおすすめです。

また、Wi-Fiを設置したら後は放っておくというのではなく、アクセス状況をチェックする、ファームウェアを最新にアップデートするなど、こまめに点検を行うようにしましょう。

飲食店にWi-Fiを設置する流れ

先ほどの選定基準を踏まえてどの会社のWi-Fiを設置するかを決めたら、Wi-Fi業者に申し込みをします。その際に費用やセキュリティ、設置後の注意点なども併せて聞いておき、不安材料がないようにしておくことが大切です。

契約が完了したら設置工事を行います。一般的には業者に頼んで設置工事を行いますが、自分で通信機器とルーターをつなげて設置することも可能です。また、接続にはSSIDとパスワードになるため、失くさないように注意しましょう。

設置が完了したら、Wi-Fiを使うルールを決め、従業員やお客様に周知しましょう。

Wi-Fiはこんなに便利!設置事例を紹介

それでは最後に、飲食店でのWi-Fi設置事例をご紹介します。一口に飲食店といっても、その種類や客層によってWi-Fiの利用法やメリットは変わります。自身の店舗においてどのようにWi-Fiが活かせるのか、参考にしてください。

松屋フーズ

牛めし(牛丼)を始めとした丼物や定食、カレーなどをリーズナブルな価格で提供する「松屋」では、タブレットを活用することによる業務効率アップを目指し、Wi-Fi導入に踏み切りました。

導入後は厨房内でタブレットを使って調理動画が見られるようになり、従業員に大変喜ばれました。また全店舗の稼働状況を本部にいながら一括して把握できるようになり、トラブル時の対応が迅速に行えるようになりました。

かさの家

大宰府天満宮の参道に店舗を構え、銘菓の製造、販売を行っている「かさの家」には、土地柄もあって海外からのお客様も多いため、旅先でもWi-Fiを気軽に使っていただけるよう、導入を決定しました。

1台の無線アクセスポイントで120台に対応できるサービスを導入し、特に繁忙期で多くのお客様をお待たせしてしまう際にも待ち時間に気兼ねなくインターネットを利用していただける環境を整えることができ、サービス向上につながりました。また、今まで事務所のパソコンでしかできなかった発注業務をタブレット端末からも行えるようになったため、業務効率も上がりました。

株式会社エー・ピーカンパニー

自社農場で丹精込めて育てた地鶏が目玉の「塚田農場」や、漁業より直送される旬の鮮魚が楽しめる「四十八漁場」などの飲食店事業を中心に展開する株式会社エー・ピーカンパニーでは、外国からのお客様が今後ますます増えることを想定し、Wi-Fiの設置を始めました。

グローバルブランドであるFonを採用し、入り口にFonが使用できることを示すステッカーを貼ることで、外国からのお客様が安心して来店できるようになったようです。

また、外国からのお客様に日本国内すべてのFonが使えるWi-Fiパスを配布し、来店動機を高めることも検討しています。

まとめ

飲食店を始めとした店舗や施設において、Wi-Fiが使えるということは既に必須事項となりつつあります。だからといって安易にWi-Fiを設置するのではなく、メリットとデメリットを押さえ、費用に対する効果は望めるのか、自店舗でどのようにWi-Fiを活用するのか、トラブルにはどう対応すれば良いのかしっかりシミュレーションを行ったうえで導入することが大切です。

また通信速度やセキュリティなどの質もさまざまで、それによって費用も変わります。自店舗の目的や利用頻度、利用数に併せたプランを選ぶようにしましょう。

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