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飲食店や小売店など、店舗を開業する際には多くの資金が必要になりますよね。
こうした負担を軽減するために、店舗開業時に利用できるさまざまな助成金が用意されています。
今回は2020年度の時点で店舗開業時に利用できる助成金について解説します。
助成金を上手に利用して、店舗開業を成功させましょう。
店舗開業の際に利用できる助成金・補助金とは
どのような店舗を開業する場合でも、資金繰りは非常に大切です。
しかし借金や融資によって資金を調達する場合、将来的に返済しなくてはなりません。店舗を開業したからといって必ずしも大きく儲けが出るとは限りませんので、借金を抱えることは精神的にも負担が大きいことでしょう。
そこで、助成金や補助金を利用すれば、返済義務がありません。受給には審査が必要ですが、助成金や補助金を受け取ることができれば店舗の開業はよりスムーズに進みます。
助成金と補助金の違い
「助成金」と「補助金」は同じような意味に感じられますが、厳密には異なります。
「助成金」は、主に厚生労働省や地方自治体が実施しているものです。企業や民間団体、個人事業主などが受け取ることができ、人材雇用や育成に利用できます。支給額は一律となっていることが多く、条件を満たせば満額を受け取ることができます。
これに対して「補助金」は、経済産業省が管轄している場合が多いです。
支給の目的や対象は助成金と同じですが、支給額は実際にどのくらい支出があったかによって上限が決まっています。企業の業績や評価も支給額の算出に関わってくる場合がありますので、助成金に比べると補助金のほうがハードルが高いといえるでしょう。
飲食店の店舗開業資金に利用できる補助金一覧
ここからは、補助金や助成金にどのようなものがあるかをご紹介していきます。
まずは、飲食店の開業資金を対象とした補助金についてです。
地域創造的起業補助金
地域創造的起業補助金は、日本の経済を活性化させるために、新しいアイデアや雇用を生み出すことを促す目的で設立された補助金です。
補助率は、補助の対象となる経費の1/2までで、外部からの資金調達の有無によって、50万円~200万円までが補助可能な額です。公募は毎年4月~5月です。
事業承継補助金
事業承継補助金は、事業を引き継いだ中小企業が新しくチャレンジをするための経費を補助するための精度です。
補助率の上限は経費の2/3までで、補助金の上限は300万円です。公募は毎年4月~5月です。
ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金
こちらの補助金は、革新的な開発を目的とした事業に対する補助金です。
生産性を向上させるためのサービスや試作品の開発、生産プロセスの見直しを行う中小企業や小規模事業者の支援が目的です。
補助率の上限は2/3ですが、10社まで共同で申請することができ、この場合の補助率の上限は1,000万円となります。募集期間は、一次募集が2月、二次募集が8月に行われます。
IT導入補助金
IT導入補助金は、近年普及が進められているITの導入に関して、中小企業や小規模事業者を補助することが目的の補助金です。
補助率の上限は全体経費の1/2までで、補助額は30万円~450万円となっています。募集は3月に始まる一次募集から9月に締め切りを迎える八次募集までありますので、他の補助金に比べて申請しやすいでしょう。
受動喫煙防止対策補助金
受動喫煙防止対策補助金は、中小企業が受動喫煙を防止するための対策を行う場合に適用される補助金です。分煙のための施設を設置する際などに支給されます。
喫煙室の設置において、工費、設備費、備品費、機械装置費などの1/2~2/3までが支給され、上限は100万円です。着工までに申請する必要があり、支給されるのは工事終了後になります。
店舗開業時の人材雇用に利用できる助成金一覧
ここまでは店舗開業にかかわる経費の補助金についてご紹介してきましたが、店舗を運営するには人材の雇用も必要になります。
雇用だけでなく、社内で人材育成を行う場合にも資金が必要になることでしょう。この段落では人材雇用や人材育成に利用できる助成金をご紹介します。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、非正規雇用の労働者が企業内でキャリアアップするための取り組みに対して支給される助成金です。
「正社員化コース」「賃金規定等改定コース」「健康診断制度コース」など7つのコースが用意されており、それぞれ支給額や対象の規定が異なります。該当するコースの内容を確認し、申請を行ってください。
トライアル雇用助成金
トライアル雇用助成金は、職業経験や技能・知識の欠如などの理由により安定した就職が難しい方を、ハローワークから紹介を受けて一定期間雇用した場合に支給される助成金です。
支給対象となる雇用期間は最長3か月で、労働者一人に対して4万円です。母子家庭、もしくは父子家庭の場合は5万円が支給されます。
人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)
こちらの助成金は、研修制度やメンター制度、短時間制社員制度など、離職率低下のために新たな制度を作る際に、事業主に対して支給される助成金です。
目標を達成したことが確認できた場合に支給され、支給額は57万円です。目標とは別に設定される生産性要件を満たした場合は、72万円が支給されます。
特定求職者雇用開発助成金
特定求職者雇用開発助成金は、高年齢者、もしくは障害者など、就職が難しい求職者をハローワークからの紹介を受け、継続雇用を行った事業者に向けて支給されます。
支給額は30万円~240万円となっています。支給額だけでなく対象期間についても労働者の要件によって異なりますので、どの要件に当てはまるかをチェックしながら助成金の額を算出してください。
助成金は事業プランに合ったものを選ぼう
ここまでご紹介したもの以外にも、店舗開業時に受けられる助成金や補助金には非常に多くの種類が存在します。
また厚生労働省や経済産業省以外に、各自治体から独自の助成金が実施される場合もあります。
さらに、「軽減税率対策補助金」「雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)」のように、社会情勢によって期間限定で行われる助成金や補助金も存在します。
どのような助成金があるかは、店舗の開業を行う際にその都度調べるようにしましょう。
助成金や補助金のリストは、厚生労働省や経済産業省、中小企業庁のホームページなどから検索することができます。各自治体のホームページも定期的に確認すると良いでしょう。
また、中小企業向けのビジネス支援サイトである「J-Net21」にも、助成金や補助金の案内が出ています。こうしたサイトも活用してみてください。
まとめ
店舗開業における助成金や補助金は、審査こそありますが返済義務のない「資金」です。経費の全てをまかなうことはできませんが、事業運営に役立つことは間違いありません。
膨大な数の助成金や補助金を把握することが難しい場合は、税理士に相談するのも選択肢の一つです。
税理士は時期によって変化する助成金の概要にも精通していますので、ご自身の店舗開業や事業運営にはどのような助成金が出る可能性があるのかを的確に判断してくれます。
中小企業や小規模事業者に勢いがあると、日本全体の景気が活性化していきます。ぜひ助成金や補助金を有効活用して、店舗開業の土台を整えてください。