
洋食系の飲食店でも、ポタージュスープをメニューに加えているところは意外に少ないとされています。
しかし、限定メニューとしてでも、冬場にはポタージュスープをメニューに加えることでメニューの付加価値も高まるとともに、原価率の低減も図れます。そこで今回は、ポタージュメニューの導入を検討すべき理由についてご紹介いたします。
冬にスープを取り入れるメリット
冷え込むような寒い季節には、体があたたまるスープメニューの取り入れてみてはいかがでしょうか。ここでは、冬にスープメニューを取り入れるメリットについてご紹介します。
集客に繋がる
飲食店を経営する側として頭を悩ますのが、集客数の安定と増加です。しかし季節によっては集客に差が出てきます。そこで、ポタージュスープを提供してみるのはいかがでしょうか?寒い中、「冬限定!あたたかいポタージュはいかがですか?」というキャッチコピーを街中で見かけたら、思わず暖を取るためにお店に入りたくなることでしょう。
風邪予防にもなる
冬はインフルエンザが流行する季節でもあります。健康管理の面でも温かいスープは一役買ってくれますよ。スープににんにくやしょうがなどを少しスープに加えることで体を温められ、さらに免疫力が上がります。お客様の健康面にも気を配ることで集客を増やすことができるかもしれません。
リラックスできる
寒い日に飲むスープは体も心も温めてくれるので私たちを幸せな気分にしてくれます。リラックスしたり、ほっとした気分は記憶にも残るので、お気に入りの飲食店にこのようなメニューがあると何度も足を運んでみたいと思うものです。カップルや家族だけでなく冬限定スープメニューがあれば一人でも行ってみたくなりますね。
スープメニューでポタージュがおすすめな理由
スープメニューのなかでも、特にポタージュメニューの導入をおすすめする理由をご紹介します。
まず、ポタージュはスープのなかでも上位の人気を誇っています。
1位 「豚汁」 70.2%
2位 「コーンスープ」 61.3%
3位 「ポタージュスープ」 54.8%
4位 「味噌汁」 52.7%
5位 「オニオングラタンスープ」 34.3%
6位 「玉子スープ」 31.4%
7位 「クラムチャウダー」 30.7%
8位 「コンソメスープ」 30.6%
9位 「わかめスープ」 27.4%
10位 「ミネストローネ」 25.1%
ランキング内のポタージュスープは、2位コーンスープ、3位ポタージュスープ、7位クラムチャウダーの3種類です。スープの中でも、ポタージュは調査結果の通り人気があるので、メニューに入れればそれだけで注文率が高くなることが期待できます。ポタージュはほかの料理のカテゴリーと重複しませんから、純粋にプラス1品になるはずです。
味のバリエーションが作りやすい
ポタージュは野菜をミキサーでピューレ状にして作りますので、極論を言ってしまえばどのような野菜を使っても作ることができます。例えばコーンポタージュスープやオニオンスープ、パンプキンスープなどは季節に関係なく手軽に入手することができ、低コストで提供できます。お店の定番メニューとしても取り入れることができるので、安定した注文数を得ることができます。つまり、店舗のオリジナルメニューが開発しやすいのです。新スープメニューを考えて他の飲食店を差をつけるのもいいかもしれません。日替わりスープメニューを作ることで、多く仕入れてしまった野菜を使ってスープを作る工夫をすることで、食品ロスを防ぐこともできるでしょう。
旬の食材が使える
どのような野菜を使っても作ることができるため、旬の野菜を使うことで栄養価の高い料理が提供できると同時に、安い食材でメニューを作ることができます。つまり、旬の野菜を使ってポタージュを作れば、栄養価も高いスープが作れるだけでなく、原価も下げることができます。例えばえんどう豆のポタージュスープやレタススープなど旬の野菜を使って、季節限定メニューとして提供するのもおすすめですよ。
身体が温まる
出汁に片栗粉でとろみをつけるとスープが冷めにくくなり、温かい料理を熱々で提供できます。温かいスープを食べることで、お客様は身体と胃を温められます。体が温まるということはお客様の健康上よいことですから、冬場の免疫力低下を抑える魅力的なメニューとなるでしょう。また、胃を温めると食欲が増進しますから、もう一品料理の追加を期待できる可能性も高まります。最近ではトマトジンジャースープやコンソメジンジャースープなどスープにしょうがをプラスすることでオリジナルスープを提供するお店もあるようです。
栄養素を多くすることができる
スープの多くは野菜を中心に作られているため、必要な栄養素を取り入れることができます。また野菜を煮込んだり、ミキサーにかけることでカサが減るだけでなく、ビタミンやミネラルを壊すことなく摂取することができます。生のサラダよりも手軽に多くの量をとれます。
ポタージュやスープは野菜の栄養をとる最適な方法といえるのではないでしょうか?
ポタージュとは?
冬になるとインスタントのポタージュスープのテレビCMが頻繁に放送されることもあり、よく目にする方もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、ポタージュとは実際のところどういうものを指すのかについて、正確にご存知の方は少ないのではないでしょうか。そこで、まずはポタージュについてご紹介いたします。
フレンチではスープ全般のこと
ポタージュとは、フランス語でスープ全般を指す言葉です。よって、とろみのあるスープも澄んだスープもすべてポタージュです。このうち、「とろみのあるスープ」のことをポタージュ・リエと呼びます。
しかし、日本では「とろみのついたスープ」だけがポタージュと呼ばれ、澄んだものはコンソメと呼ばれるのが通例です。なぜ日本ではそうなってしまったのかについての、詳しい理由はわかっていません。
とろみのあるポタージュスープの種類は?
この記事は日本における飲食店を想定しているので、日本の定義に則して、とろみのある「ポタージュ」を対象に話を続けましょう。
フレンチでは、ポタージュにおけるとろみのつけ方によって5つに分類されています。とろみのつけ方の違いはメニュー開発の参考になりますから、以下でご紹介しておきます。
- ピュレ
ピュレとは、カボチャやジャガイモやトウモロコシなど、デンプン質を多く含む野菜をブイヨンで煮込み、裏漉しするかミキサーでピューレ状にしたうえで、生クリームや牛乳で味を濃厚にしたスープのことです。日本でポタージュと呼ばれているものは、ほとんどがピュレに該当します。 - クレーム
デンプン質の少ない野菜をミキサーにかけ、そこに小麦粉をバターで炒めたルウを使ってとろみをつけ、仕上げに生クリームで味を濃厚にしたスープです。 - ヴルーテ
卵黄や生クリームでとろみをつけたスープのことです。 - ビスク
エビやカニなどの甲殻類から出汁をとり、これをベースに生クリームなどでとろみをつけたスープのことです。 - スープ
狭義での「スープ」のことを指します。もともとは、肉や野菜をごった煮した鍋の中にいれたパンを指しましたが、現在では田舎風の素朴なスープのことを言います。
ポタージュメニューをつくる上でのコツは?
店舗オリジナルのポタージュスープを作るうえで、どのような点に注意すれば美味しいものができあがるのでしょうか。美味しいポタージュを作るコツを、以下でご紹介します。
玉ねぎをしっかり炒めて甘みを出す
カレーのうま味は、玉ねぎをよく炒めることで出るということはよく知られています。しかし、ポタージュスープの甘みも、天然の甘味料である玉ねぎを使って出せるということはあまり知られていません。
具体的な方法としては、玉ねぎをバターやオリーブオイルでしっかりとあめ色になるまで炒めることです。ただし、焦げると味に雑味が出るので、弱火で炒めましょう。これによって、味に甘みと豊かなコクが生まれます。反対に、甘くせずにシャープな味にしたい場合は、カレー粉を少量加えても香ばしく仕上がります。思い描く最終的な味をイメージして、調整しましょう。
素材に合わせてとろみを調整
ポタージュスープのポイントは、「濃いとろみ」です。しかし、野菜の特性によっては、とろみの出やすいものと出にくいものがありますから、食材の特性に合わせてレシピ化することもポイントです。
たとえば、でんぷん質の多いじゃがいもやカボチャは素材自体がとろみになりますから、ホワイトソースは少なめの方がよいでしょう。反対に、でんぷん質が少ないコーンやにんじんなどの野菜の場合は、ホワイトソースを多めにしましょう。カブやほうれん草、小松菜、ごぼうのようにえぐみがある野菜の場合は、上で挙げた玉ねぎを多めに使いましょう。
敢えて素材感を出す方法も
ポタージュスープというと滑らかな味わいが良いという印象もありますが、一概に滑らかさが最も良いとは言い切れません。大切なことは、メニューの意図によってコントロールすることです。ミキサーなどでしっかり裏漉しすれば滑らかなポタージュになりますので、それはそれで魅力的でしょう。反対に、ジャガイモの固形が口に入ることでほろりと崩れるような食感も、おいしさを演出します。それを狙う場合はミキサーではなく、あえて木べらやマッシャーを使用して、ざっくりとつぶすだけにしておくと実現できます。
いずれにしても、ポタージュは素材の選び方においても食感や味わいに関しても、非常に自由度が高い料理です。ポタージュのこうした特徴を活かして、店舗独自の特徴を出しましょう。店舗独自の特徴を出せたら、「口の中でほろりと崩れるジャガイモのポタージュスープ」などのように、料理名にポタージュスープの特徴を入れることも忘れないでください。
他にもある!おすすめスープメニュー
ここでは、冬におすすめスープメニューをいくつかご紹介します。スープメニューを新たに取り入れる際の参考にしてみてください。
さつまいも濃厚ポタージュスープ
冬の代表野菜といえばさつまいもを思い浮かべる人もいるのではないでしょうか?さつまいものポタージュは、さつまいもをふやかし、コンソメ、水、牛乳と合わせてブレンダーで混ぜてから火にかけることで出来上がります。さつまいもにはビタミンCやビタミンE、カリウムが含まれます。このスープ一杯でおなかも満たされることでしょう。
きのこのクリームスープ
秋から冬にかけて楽しむ食べのものの中にきのこがあります。いろんな種類のきのこを贅沢に取り込んでクリームスープを作ってみませんか?何種類かのきのこをバターで炒めて牛乳、生クリーム、コンソメで煮込んで作ります。少しカロリーが気になるなら牛乳を豆乳に変えて提供することもできます。
オニオンスープ
こってりしたスープが苦手という人のためにあっさり系スープも準備しておくことも忘れないようにしましょう。オニオンスープは男女関係なくとても好まれます。お客様が他のおかずと一緒に食べることも考えて味付けをするといいでしょう。時間をかけて煮込むことでたまねぎの甘みを十分に引き出すことができます。
中華スープ
経営している飲食店が中華のお店でもスープを提供することができます。最近では中国花山椒が日本でも人気ですね。口にしたときに舌が痺れる辛さがありますが、それと同時に体を一気に温めてくれますよ。刻んだザーサイをスープの中に入れ、そこにごま油と中国花山椒、溶いた卵をいれて一気に沸騰させます。癖になる辛さとおいしさに魅了されるかもしれないですね。
しゃけの粕汁
見た目が苦手という人もいますが、この一杯で体がぽかぽかしますよ。銀鮭、にんじん、ごぼう、大根、こんにゃく、長ねぎを一緒に火にかけ最後に溶いた酒かすを入れて一に経ちさせればできあがり。この一杯を食べたいために来店されるお客様が増えること間違いなしですね。
冬瓜スープ
冬瓜にはむくみを解消してくれる働きがあります。冬瓜を煮て、ミンチ肉を加え、塩コショウで味付けし、すりおろしたしょうがと水溶き片栗粉を加えてとろみをつけて完成です。とろみがあるのでスープがすぐに冷めるのを防いでくれ、からだのぽかぽかも持続させてくれますよ。
まとめ
いかがでしょうか?
ポタージュとひとくちに言っても、食材を変えるだけでいろいろなバリエーションのポタージュが作れます。ポタージュを冬のメニューに加えることは、お客様が料理の美味しさを感じるとともに、店舗の原価低減と売上アップを図るためにもなるのです。
ぜひともお店オリジナルのポタージュメニューを考え、お客様から注文されるようなポタージュを投入してみましょう。
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