おひとりさま客を取り入れるメリットや方法とは?1人での食事の魅力を考えよう!

飲食店

ひとりで食事する女性

「ひとり外食」「ひとり飲み」「ひとりカラオケ」「ひとりディズニーランド」などなど、食事もエンターテイメントもひとりで楽しむ女性が増えています。その理由として、「人間関係や仕事のストレスを解消したいから」という声が多く聞かれます。

忙しい現代人が、心身をリセットするためにひとりになる空間を求める傾向は、ますます強まっていくと思われます。そこで今回は、おひとりさまをターゲットとしたビジネス戦略について、考えてみましょう。

「おひとりさま」とは

食事を堪能する女性

「おひとりさま」というのは、もともとは飲食店などに単独で訪れる客に対する敬称です。それが転じて独身女性を指すようになり、「ひとり=寂しい女性」というマイナーなイメージが定着してしまったのです。しかし、それも今や過去の話。男性女性を問わずひとりで行動することがネガティブなイメージに見えることはありません。

おひとりさまのなかには経済的にも余裕があり、自分へのご褒美として海外旅行や一流レストランでのプチ贅沢を楽しむなど、ひとりの時間を謳歌する人も増えています。

友人や恋人、家族と食事をするのもいいけれど、ときにはお気に入りのお店で気兼ねなく過ごす「ひとり外食」が好きという人も増えつつあります。お店を経営する立場としてこの変化をどのようにチャンスに変えることができるのでしょうか?まずはおひとりさまを集客するメリットがあるかを考えていきましょう。

おひとりさまを集客するメリットは?

コーヒーを嗜む女性

外食業界では、そうしたおひとりさまブームの流れを受けて、カウンター席を広げたり、照明を工夫したり、化粧直し用のアメニティグッズをそろえるなど、おひとりさまの対応に力を入れる店舗が多くなっています。

では、おひとりさまをターゲットとするメリットはどこにあるのでしょうか。その主なものとして次の3点があげられます。

1. 客単価が高くなる

基本的に大人数での来店が多いほうが収益にプラスに働きます。しかしひとり客は注文する品数が多い傾向があり、その分客単価が高くなります。ひとりでもアルコールを注文したり、来店した店でデザートを食べて帰るのが日課という人もいて、これらも客単価をあげるメリットになります。

また、アルコールに弱くソフトドリンクしか注文しないというお客様は、一見すると利益が薄いように思いがちですがそうとは限りません。ウーロン茶やジュース類は酒類より仕入原価が低いので利益率が高く、なおかつグラスに注ぐだけなのでスタッフの手間がかからないというメリットもあります。

2. 回転率が上がる

グループ客は話をしながら食べたり飲んだりするため、滞在時間が長くなります。その点、おひとりさまは飲食を終えるとサッと帰る人が多いので、回転率がよくなります。

なかにはひとりで来店して長時間滞在するという人もいますが、おひとりさまはカウンター席を使用することも多く、それほど大きな影響はないように感じます。

3. マナーを心得ている

お店にとって一番困るのは、ピークタイム直前におひとりさまで来店し4人掛けの席に着き、店内が混んできたにもかかわらず相席を拒否するお客様です。こうした心配は、おひとりさまには不要でしょう。なぜなら、おひとりさまの多くは、混んでくれば自ら席を移動してくれたり相席を快諾してくれます。マナーを心得たお客様がいると店全体の雰囲気もよくなり、「客が客を呼ぶ」というように、結果的にリピーターを増やすことにつながります。

またグループや大人数の来客で一番頭を悩ますのが、大声で騒いだり、他のお客様への迷惑行動です。アルコールの摂取量が増えるとコントロールすることが難しくなり、トラブルの原因にもなります。この点おひとりさまでこういった傾向は少なく、また、悪酔いして迷惑をかけることもありません。お店にとっても対応しやすいお客様であると感じます。

おひとりさま客をつかむ方法とは?

メニューに悩む女性

マナーをわきまえているおひとりさまであれば、デメリットらしきものは何もない「上客」に分類される存在となります。では、おひとりさまを集客するために必要なことは何か、居酒屋を例にご紹介します。

1. 「おひとりさま歓迎」をアピールする

現在では、集客にブログやフェイスブック、ツイッター、インスタグラム、LINE@(ラインアット)などのSNSが不可欠の時代となっています。どのSNSが効果的かはお店のコンセプトや客層によって異なりますが、いずれにしても、「おひとりさまでもゆっくり楽しめるお店」であることをアピールしましょう。写真を掲載するときは、清潔感のある店内と笑顔のスタッフによって、お客様に安心感を与えることがポイントです。

2. 固定観念を捨てる

10年ほど前ならひとり飲みが好きでも、「お店のスタッフやほかのお客様から『寂しそう』とか『恋人がいない』と思われるのがイヤで、飲みに行くのをためらうときがある」という人がいました。しかし時代の流れによって、おひとりさまは「自立心がある」とか「かっこいい」という見方に変化しています。実際大半のおひとりさまは寂しさや恋人の有無などは気にしていません。そうした固定観念は捨て、あくまでも「自分の時間を大切にしたい人」として接するようにしましょう。

3. カウンター席に案内する

お店に入ったとき、「いらっしゃいませ!おひとりさまご案内!」と大声で言われるのはあまり好きじゃないは多いものです。大声での接客はマニュアルの1つなのですが、おひとりさまの気持ちを察して「いらっしゃませ! ご案内いたします!」だけにするなど、スタッフ同士で取り決めておくといいでしょう。

おひとりさまにはカウンター席が適していますが、それでも「カウンターが空いていますが、そちらでよろしいですか?」と伺ってから案内します。もし、テーブル席が良いとのことになった場合は、できるだけ落ち着ける場所に誘導します。その席を気に入ってくれれば、自分の定席として通ってくれるかもしれません。

4. 料理の量を加減する

外食メニューは大人数で食べるメニューも多く、一人で食べるとなると量が多すぎる場合があります。いろいろなおつまみを食べたくて注文したものの、結局食べきれなかったということはよくある光景でしょう。そこで、おひとりさまからオーダーを取る際にはどんな味でどれくらいの量かを説明し、多すぎるという場合は少なめにするなど、臨機応変に対応しましょう。

また少量でもいろんな味が楽しめるようなお惣菜セットやプチおつまみセットなど提供することで、おひとりさまのリピーター率も高くなります。料理の価格が少し高くても満足感が得られるならリピートするという人もいるので安定した集客が見込めるでしょう。一方、ひとりでもがっつり食べたいと思う人たちもいます。それぞれお客様の嗜好や料理に対する期待は異なることも覚えておきましょう。

5. 適度な距離感を保つ

おひとりさまの中には、話しかけられるのを嫌う人もいれば、スタッフやほかのお客様との交流を楽しみたいという人もいます。最初に声掛けをしたときの反応でどちらのタイプかを判断し、前者であれば必要以上に話しかけることは慎みます。後者であれば、周囲のお客様に不快感を与えない程度に言葉を交わすようにしましょう。大事なことは、いずれにしても一定の距離を保って接することです。馴れ馴れしい態度をとってしまうと、グレードの低い店と評価されるかもしれません。つねにスマートな接客を心がけましょう。

6. クーポンを渡す

おひとりさまの再来店を促すためには、有効期限付きのクーポン(割引券)を渡すといいでしょう。割引をすると売上が落ちると思いがちですが、来店頻度が多くなればなるほど売上は格段にアップします。有効期限が定められていると、期限が切れる前に行かなければと思うのが消費者心理です。こうした傾向は、男性客よりも女性客に効果的ですのでうってつけです。ただし、有効期限内に利用してもらえない場合は、クーポンを発行するためにかかった費用が無駄になってしまいます。費用を無駄にしないためにも、再来店の確率の高い人に絞って配布する必要があります。

最近では、オンラインクーポンも登場しています。オンラインクーポンとは、クーポンを希望する人のメールアドレスにクーポンの紹介と併せて送る便利なシステムです。いつでもどこでもクーポンをもらうことができるため、オンラインクーポンはこれからますます増えていくといわれています。

7.お店のコンセプトが伝わるようにする

おひとりさまとして来店する人たちの多くは、人に気を使わずにゆっくり料理を楽しみたい、自分の時間を邪魔されずに楽しみたい、いろいろ考える時間にしたいなどさまざまです。時間をかけずにさっさと食事をして家に帰りたいと思っている人もいることでしょう。

初めて来店する場合、できれば入店せずに自分好みのお店かどうか判断したいと思うものです。そのため、店内に入る前からお店のコンセプトが伝わるように工夫できます。お店によっては窓際にカウンター席を設け、外からおひとりさまが食事をしている様子がわかるようにしている場合もあります。また、ひとりで来店しても、周りの客が大人数で騒がしいと感じるなら次の来店は望めないかもしれません。それぞれどの位置に座るとすべてのお客様がリピートしやすいかを考えて、案内することも大切な接客ポイントになるでしょう。

8.ヘルシーメニューを提供

最近は健康志向のメニューが増えています。お気に入りのお店にヘルシーメニューがあれば、リピートしたくなるはずです。どうしてもこってりメニューになりがちな夕食メニューの中で、ヘルシーで薄味のメニューがあれば人気がでるのではないでしょうか?

まずはおひとりさま用として少な目の量からはじめ、注文の定着が認められたらレギュラーメニューにしていくこともできるでしょう。こうすることで食品ロスを防止できます。

おひとりさま客に合ったメニューとは?

寿司を食べる女性

おひとりさまが居酒屋を選ぶ理由は、メニューが豊富だからです。おひとりさまには健康志向や美容意識の高い人、大人数でしか食べられない鍋料理なども食べたい、という人がいます。

ここでは、おひとりさまに好まれるメニューについて具体的にご紹介します。

ヘルシーメニュー

健康志向や美容意識の高い人には、ヘルシーな食材を使っていることをアピールするのがポイントとなります。たとえば、鶏肉料理には「良質のたんぱく質と美肌効果をアップするコラーゲンたっぷり」、魚料理には「血液サラサラにするDHAが豊富」のように、美容や健康を意識したフレーズをメニューに書き込んでおきましょう。それと併せて、1品あたりのカロリーも書き込んでおけばよりわかりやすいです。最近は健康のために夕食、夜食に炭水化物を抜くという人も増えているため、ごはんやスープはセットで選べるようにし、おかずは単品で注文できるという方法を取り入れているお店もあります。

また、食後にデザートを食べるのが習慣になっている女性も少なくありません。ディナーの後でもスイーツを食べたいという人のために、プリンやゼリー、バニラアイスなど軽めのものを用意しておくと良いでしょう。

一人で楽しめるメニュー

焼肉、しゃぶしゃぶ、すきやき、鍋料理などのメニューは大人数でしか楽しめないというイメージがありました。そのため食べたいのに食べられないと残念に感じてこられた人もいます。しかし最近ではひとり焼肉、ひとりしゃぶしゃぶ、ひとりすきやき、ひとり鍋が流行しています。ひとりでも気軽に来店し焼肉や鍋を楽しむことができれば、おひとりさまの集客に繋がります。食べる量も選べるので全て自分好みでセレクトできるのも人気のようです。ひとり鍋はみんなで鍋を囲まないので衛生的にも安心して食べられると感じる人もいるようです。

格安メニュー

おひとりさまでも外食が増えるとお財布事情が厳しくなるのは当たり前。しかし、できれば毎日のようにリピートしてもらいたいですよね。どちらのニーズにも応えられる格安メニューがあれば、それらの悩みも解消することができます。ラーメン餃子セットやうどんビールセット、和食デザートつきなどおなかも心も満たしてくれるセットがあると毎日通いたくなるはずです。男性のおひとりさまの場合、デザートだけを注文するのは恥ずかしいと感じる人もいるようですが、デザートがセットで注文できれば喜ばれることでしょう。

まとめ

おひとりさまを楽しむ女性

いかがでしょうか?

女性のライフスタイルの変化とともに、「おひとりさまの」の定義も一変しました。精神的にも経済的にも自立している女性は、これからの飲食業界にとって重要なターゲットになるでしょう。また、女性のひとり客がいるお店は安心できるという理由で、デートに利用するカップルが増えるとも言われています。

おひとりさまには様々なメリットがあることを頭に入れて、まずはおひとりさまに選ばれる店づくりから取り組んでみてはいかがでしょうか

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