
「万事休す」は今さらなにをしてもおしまい、というネガティブなことわざですが、これをもじって「万事急須」という小説が発刊されています。この小説からは、日本古来の伝統を今日まで引き継ぐ、日本人の日本茶に対する想いを深く感じとれる内容となっております。小説にもなるほど日本人の心に深く根付いているはずの日本茶ですが、近年、着実に需要が減少しています。
こうした状況を打破しようと、お茶の製造、販売に関わる関係者たちは躍起になって、お茶の普及活動に励んでいます。
そんな中、日本を訪れる訪日外国人の数は増加傾向にあります。訪日外国人の中には、種類が豊富で体にとてもいい健康食品でありながら、伝統的で奥深い味わいを楽しめる日本茶を目当てに訪日する方もいるそうです。外国人に高い需要がある日本茶をうりにできれば、日本茶を目当てに来店する外国人の数が増加するかもしれません。
そこで今回は、外国人にもうける日本茶をお店で提供するためにも、日本茶の種類や効能など、奥深い日本茶の魅力についてご紹介いたします。
日本茶のメニューを増やすメリット
全国には喫茶店が約7万件あると言われていますが、その中で緑茶を有料で出している喫茶店は何軒あるでしょうか。和風カフェや甘味屋などでは提供されていると思われますが、総数はあまり多くないのではないでしょうか。
その理由として、日本中どこの飲食店に行っても、水やお茶はサービスとして無料で振舞われることが関係しています。一般的に多くの飲食店では、水とお茶はサービスで提供するものという考えがあります。
しかし、深遠な魅力を持った日本茶の種類や淹れ方にまでこだわれば、有料で提供するに値し、普段のお茶とは別次元のおいしさをお客様に味わっていただけることでしょう。また、こだわりの日本茶をメニューに取り入れられれば、今まで来店されることのなかった日本茶好きのお客様や外国人などの新たな顧客を獲得できるでしょう。
日本茶のメニューを増やしている飲食店はまだまだ多いとは言えません。しかしこのように、日本茶をメニューに加えることでお店の売上が増加する可能性が大いにあることから、この分野は伸び代抜群のフロンティアだと言えます。
日本茶を喫茶店やレストランのメニューに加えるためには、日本茶の基礎的な知識が必要となります。なぜなら、日本茶の種類や淹れ方には幾十通りもあり、使用する日本茶の種類によって淹れ方が微妙に異なるからです。よって、おいしい日本茶の提供にこだわるのなら、きちんとした勉強と実習が必要となります。
勉強と実習をこなし、自信を持って日本茶のメニューを加えることで、新しい客層が取り込めます。売上の増大に繋がる日本茶メニューの導入を図り、集客のためのうりにしていきましょう。
日本茶の種類について知ろう
日本茶もコーヒーや紅茶と同じく種類が豊富です。この機会に大雑把でも日本茶の種類を勉強しましょう。
〇煎茶:最も一般的なお茶。茶畑の新芽を採取して蒸した後、揉みながら乾燥させたもの。カテキン(タンニン)、カフェインが多く、アミノ酸を含みビタミンCが豊富。香りがさわやかで旨み、渋みがほどよい。
〇深蒸し茶:煎茶より蒸す時間が2~3倍多い。カテキン、カフェイン、アミノ酸、ビタミンCなどを含む。渋みが抑えられており、甘味がある。
〇玉露:新芽に黒い覆いをかけて直射日光を避けて育てたお茶で、製法は煎茶と同じ。カテキンカフェイン、アミノ酸、ビタミンCなどを含む。まろやかで濃厚な甘みがあるお茶。
〇玄米茶:玄米を炊いて炒り、同じ量の番茶又は煎茶をブレンドしたお茶。カテキン、アミノ酸、ビタミンを含んでおり、カフェインは少なめ。炒り米独特の香りがあり、薄目でさっぱりした味。
〇ほうじ茶:番茶や煎茶を褐色になるまで強火で焙煎したお茶。カテキン、アミノ酸、ビタミンが豊富。香りがよく、口の中がすっきりするため食後のお茶に向いている。
〇粉茶:玉露や煎茶の仕上げ工程で細かくなった茶葉を集めたお茶。カテキン、カフェイン、アミノ酸、ビタミンCなどを含む。茶葉の成分が溶け出しやすいので鮮やかな深い緑のお茶となる。
〇茎茶:玉露や煎茶の製造工程で出る茎や茶軸を集めたお茶。カテキン、カフェイン、アミノ酸、ビタミオンCを含む。香りが若々しく、さわやかな味が特徴。
〇抹茶:日光を避けて育てた新芽を蒸した後、揉まずに乾燥させる。葉脈を除去して石臼で挽き、粉にしたもので、茶葉を直接摂取することになる。カテキン、カフェイン、アミノ酸、ビタミンCなどを含む。茶道に使用されるお茶で、まろやかな甘みが特徴で渋みはなく、濃茶と薄茶がある。
〇粉抹茶:仕上げ加工後の茶をパウダーにしたもの。カテキン、カフェイン、アミノ酸、ビタミンC、ビタミンEが豊富。茶葉の成分すべてを摂ることができる。
〇番茶:6月中旬に摘む2番茶以外のかたい茶葉を採取。カテキン、カフェイン、アミノ酸、ビタミンを含む。淹れたお茶は色が淡く透明度が高い。
〇かぶせ茶:玉露の半分の日数で日光を遮って育てたお茶。カテキン、カフェインが多く、アミノ酸は少なめ。煎茶と玉露の中間という位置づけ。
〇芽茶:緑茶や玉露を作る時に出てくる茶葉の茎の丸まった部分だけを集めて作ったお茶。カテキンが多く、カフェイン、アミノ酸、ビタミンも含む。お茶の旨みが多く、香りも強い。
日本茶の効能とは
日本茶には、実に多くの効能があると実証されています。その効能は日本人のみならず、外国人にも広く認知されています。しかし、具体的にどのような成分が含まれていて、どのような効能があるのかをご存知の方は少ないのではないでしょうか?
そんな日本茶の効能について、以下で詳しくご紹介いたします。
〇カテキン(タンニン)
カテキンに含まれるタンニンの効能が主。抗酸化作用、殺菌作用、腸内細菌の抑制、消臭作用、血圧上昇抑制、虫歯予防、口臭作用など。
〇カフェイン
覚醒作用、中枢神経刺激作用、血液循環作用、疲労回復など。
〇アミノ酸(テアニン)
お茶に含まれるアミノ酸の半分以上がテアミンでお茶の旨みに寄与している。疲労回復、カフェン興奮抑制作用もある。
〇ビタミン類
ストレス解消、しみ、そばかすの抑制、抗酸化作用、動脈硬化予防など。このように、日本茶はこれだけ多くの有効成分を含んでいます。
美味しい日本茶を出しているお店を参考にしよう
美味しい日本茶を提供しているお店では、日本茶の選別や淹れ方はもとより、器にまでこだわっている場合があります。
そこで、美味しい日本茶を提供することで有名なお店をいくつかご紹介いたします。日本茶の有名店から、自分のお店で提供する日本茶の選び方や淹れ方、器の選び方などの参考にしていきましょう。
茶いろは
日本茶セット(かりがね茶、ほうじ茶、深蒸し茶、かぶせ茶、玄米茶などから選ぶ)、抹茶ぜんざいなどを提供しています。日本茶に関する専門的な知識を持つ証、「日本茶ソムリエ」の資格を取得した店主が淹れるお茶を楽しめます。日本茶はもとより、形・デザイン・大きさにもこだわった器を、特注で制作するほどのこだわりのお店です。
東京茶寮
「ハンドドリップで日本茶を」がコンセプトのお店。茶葉は鹿児島県や静岡県をはじめとした全国10箇所から仕入れ、個性的で豊かなお茶が楽しめます。
日本茶喫茶茶緑
日本茶の美味しさを伝えるため、新鮮な茶葉を使用した抹茶、煎茶、ほうじ茶、抹茶ラテ、豆乳抹茶などを提供することにこだわっているお店。挽きたて抹茶の鮮やかな翡翠色はさることながら、青々とした香りは茶葉の新鮮さそのものです。西尾産のてん茶を自店石臼で挽く為、いつでも新鮮な状態での提供を可能としています。
表参道茶々の間
ブレンド茶を一切使用しない、単一農園、単一茶種の茶葉を使って淹れる日本茶を楽しめるお店。「日本茶ソムリエ」の資格を持つスタッフが丁寧に淹れる日本茶は、季節や日々の天候の中で変わるお茶の繊細な変化に合わせた淹れ方をするため、ひとつのお茶にも関わらず日々違った表情をみせます。
まとめ
日本茶をウリにしている喫茶店や日本茶カフェ、レストランなどは全国に存在します。しかし、コーヒー店の数と比べたら圧倒的に少数派であるといえるでしょう。それでも、美味しい日本茶を提供しているお店で一度日本茶を飲めば、その圧倒的なおいしさから、普段飲み慣れているお茶とは全く違うということが分かります。
外国人をも魅了する、魅惑的な日本茶をお店で提供することができれば、新規顧客の取り込みに繋がるでしょう。もちろん外国人客だけでなく、日本のファンを増やすことにもなります。
今回ご紹介した内容を参考に、皆さんのお店でも美味しい日本茶を提供してみてくださいね!
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