NFC決済とは?店舗が対応するメリット・デメリットや主な導入方法

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現在はデビットカード、QRコード決済など、クレジットカード以外のキャッシュレス決済システムも普及しています。iPhoneやAndroid端末、ウェアラブルデバイスなどで利用できるNFC決済も、簡単に支払いができることから人気となっている最新のキャッシュレス決済のひとつです。海外と比較して、日本ではキャッシュレス決済の利用率が低い状態が続いていました。しかし、今後は新型コロナウイルスの影響から日本でも多くの店舗に対応が求められるでしょう。こちらでは、レジの新規導入を検討している店舗の方に知っておいていただきたい知識として、NFC決済について解説します。

NFCの基礎知識

まずは、NFCの基礎知識についておさえておきましょう。NFCの概要や代表的な利用シーン、主な種類についてお話しします。

NFCとは

NFCは「Near Field Communication」の略であり、「近距離無線通信技術」を意味します。ICチップを搭載したNFC対応機器を近づけ合うことで通信ができる技術のことです。決済時にサインや暗証番号の入力は必要ありません。活用されている場面は多岐にわたります。近年は非接触型の決済手段を実現する技術として一般的です。スマホやクレジットカードをかざすだけで決済できるシステムが、多くの店舗で導入されています。

NFC決済の主な利用シーン

  • 店舗レジでの会計

NFCの技術を利用した決済方法はNFC決済と呼ばれています。あるいは、「NFC Pay」という名称で呼ばれることも少なくありません。多くの店舗において「タッチ決済」「非接触決済」「コンタクトレス決済」「スマホ決済」「おサイフケータイ」などと呼ばれる決済方法に該当します。NFCを搭載したスマートフォンやクレジットカードなどを決済端末(カードリーダー)にかざすと、料金が支払われるしくみです。現金を使って決済する場合と比較すると、スムーズに買い物ができます。

  • 公共交通機関の運賃支払い

交通系ICカードにもNFCの技術が使われています。スマートフォンやウェアラブル端末の「モバイルSuica」や「モバイルPASMO」もNFCの技術によって実現されているサービスです。あらかじめチャージしておけば、残高の範囲内で使用できます。交通機関へ乗車する際にあらかじめ乗車券を購入しておく必要がなくなるため、交通機関の利用が便利になります。一部の店舗や自動販売機の決済で利用することも可能です。

主なNFCの種類

NFCには複数の種類が存在しています。規格によって特徴や対応している端末の種類が異なるため、NFCを利用する場合は基礎知識として覚えておくことがおすすめです。以下では、代表的なNFCの種類をご紹介します。

  • FeliCa(フェリカ)

「FeliCa(フェリカ)」は、ソニー株式会社が開発したNFCの規格です。ほかの種類と比較して処理速度が高速な点が特徴です。このことから、日常生活での有用性も高いといえます。「Type F」という名称も一般的です。交通系ICカードや、電子マネーの「nanaco」「楽天Edy」「QUICPay」「iD」などに採用されています。

  • Type A

「Type A」は、オランダにて開発されたNFCの規格です。タバコを購入する際に使用する成人認証システム「taspoカード」などに採用されています。

  • Type B

「Type B」はアメリカにて開発されたNFCの規格です。マイナンバーカードや運転免許証、パスポートなどに採用されています。Type AとType Bを合わせて、「Type A/B」と呼ぶことがあります。

店舗がNFC決済に対応するメリット・デメリット

NFC決済には多くのメリットがある一方でデメリットもあります。導入は、以下のようなNFC決済のメリット・デメリットを踏まえたうえで検討しましょう。

メリット

  • 顧客獲得や売上拡大につなげやすい

代表的なメリットが、顧客獲得や売上拡大を期待できる点です。支払い方法の多様化に伴い、複数の決済手段を使い分ける顧客が多くなっています。日常的に使っている決済手段が利用できないことを理由に、店舗の利用を諦めるケースも考えられるでしょう。また、現在は財布が重くなることや引き出しの手間から、顧客の現金離れが進んでいる状況です。NFC決済に対応することで機会の損失を防ぎ、顧客獲得につなげやすくなります。

  • 衛生面に配慮できる

NFC決済をはじめとしたキャッシュレス決済は、衛生面でのメリットもあります。現金は不特定多数の人の間で頻繁に交換されるため、清潔に保つことが非常に困難です。特に紙幣には多くの細菌が付着していることがわかっています。

現金の受け渡しを店舗で行うことは、顧客と従業員の双方にとってリスキーです。特に最近は、新型コロナウイルスの感染リスクも警戒されています。NFC決済を導入すると現金のやり取りがなくなるため、衛生面に配慮できます。

【出典】株式会社衛生微生物研究センター「現金の清潔度調査を実施~日常的に使用する紙幣と硬貨の汚染細菌付着実態が判明~」 https://www.atpress.ne.jp/news/36512

  • レジ作業の効率化につながる

レジ作業がスムーズになる点もNFC決済のメリットのひとつです。顧客のクレジットカードやNFC搭載端末をかざしてもらうだけで決済が完了するため、決済時の顧客対応がスピーディーに終わります。混雑しやすい店舗では、特に導入メリットが大きいでしょう。また、支払い額はシステム上に記録されるため、レジ締めの際に現金を数える作業は必要ありません。このことから、レジ締めの作業も大幅に効率化されます。

デメリット

  • 導入費用やランニングコストが発生する

導入費用やランニングコストは、NFC決済のデメリットといえます。NFC決済を始めるには、専用の決済端末が必要です。決済端末との連携に対応していないレジを使っている場合は、レジ自体の買い替えが必要になることもあります。また、利用する決済サービスによってはシステム利用料も負担しなければなりません。無料で使えるサービスもあるため、比較して検討すると良いでしょう。

  • スタッフへの研修が必要になることがある

NFC決済を店舗で問題なく運用するためには、スタッフへの研修が必要になることもあります。端末の使い方は決して難しくはありませんが、慣れるまでには少し時間がかかるでしょう。また、NFC決済の導入によって顧客対応のフローも少なからず変わります。新しい決済方法を組み込んだフローを設計し、スタッフに覚えてもらわなければなりません。

支払いの不手際やトラブルは顧客満足度を下げてしまうこともあります。マニュアルの作成やシステムの機能に関する研修など、スタッフのミスを防ぐ取り組みが必要です。

NFC決済の基本的な導入方法や注意点

NFC決済の代表的な導入方法は2種類あります。こちらでは、基本的な導入方法や、導入に際しての注意点についてご案内します。

NFC決済の導入方法

  • NFC決済を提供している事業者と直接契約を交わす方法

NFC決済サービスを提供している事業者に直接契約を締結する方法です。契約を希望する場合は、導入したいNFC決済の提供事業者へ問い合わせて、申し込みの手続きを行いましょう。審査に通過すれば加盟店として認められ、事業者のNFC決済を利用可能になります。

直接契約するため、仲介手数料はかかりません。ただし、対応したいサービスが複数ある場合は個別に申し込みをする必要があるため手間がかかります。

  • 決済代行事業者を利用する方法

決済代行事業者を利用する方法もあります。決済代行事業者とは、クレジットカードやNFC決済など決済手段の導入をサポートしてくれる事業者のことです。

決済サービス事業者と店舗を仲介して契約を代わりに行ってくれるため、手間がかからない点が大きなメリットです。また、複数の決済サービスの利用手続きも、代行事業者にまとめて依頼できます。そのため、利用したい決済サービスが複数ある場合に便利です。売上金の情報も代行事業者からまとめて提供されるため、一元管理可能です。

NFC決済導入の注意点

サービスによっては、1回の利用金額に上限が設けられていることに注意が必要です。そのため、高単価の店舗では利用できないケースも考えられます。このことから、自店舗の顧客層を考慮して導入を検討すると良いでしょう。

また、FelicaかType A/B、いずれかの規格のみに対応となる端末があります。幅広い決済手段に対応したい場合は、両方の規格に対応できる端末を選んで購入してください。

NFC決済の導入で効率化・販売機会の獲得を実現しましょう

近年は多くの顧客がNFC決済をはじめとしたキャッシュレス決済を利用しています。特に最近では新型コロナウイルスの影響により、現金の手渡しを避ける顧客も少なくありません。多くの顧客を取り込むため、NFC決済の導入をご検討ください。

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