
あたたかいものが恋しくなる寒い季節。みなさまの店舗に鍋メニューはありますか?鍋は東アジアの国々でよく食べられている料理ですが、日本でも、寒くなると自然に食べたくなる料理の一つではないでしょうか。特徴ある鍋メニューを持つということは、飲食店の集客上非常に有利なことなのです。特に、冬の閑散期に集客パワーのある鍋メニューがあれば、売上ダウンを防ぐことができます。
そこで今回は、いつから鍋メニューを提供すればよいのか、鍋メニューを用意するメリットやトレンドメニューをご紹介します。
鍋メニューはいつから提供する?
まず、鍋メニューの提供を開始する時期ですが、何となくで決めていませんか。鍋を食べたくなる心理と気象は大きく関係しています。カスタマー・コミュニケーションズが行った、食品スーパーにおけるPOSデータの分析による調査によると、レトルトの「鍋つゆ」商品が売れ始めるタイミングは、平均気温が「20℃前後」ということが1つの区切りになっているとわかりました。つまり、全国平均では9月中旬ごろから売上が上昇しはじめ、「20℃以下」になる10月からさらに伸びているということです。
すなわち、店舗の立地とその年の気候の状況を見て、鍋メニューの投入時期は柔軟に考えていったほうが、よりチャンスロスがなく、売上につなげることができるのです。
たとえば、東京の2016年の月別の平均気温は
1月 6.1度
2月 7.2度
3月 10.1度
4月 15.4度
5月 20.2度
6月 22.4度
7月 25.4度
8月 27.1度
9月 24.4度
10月 18.7度
11月 11.4度
12月 8.9度
となっています。つまり、鍋メニューは10月から投入し、4月まで提供しても問題ないということになります。ただし、上で書いたように地域で平均気温は異なりますし、ある年は冬が特別早くやって来ることもあります。そこで、9月に入ったら早々に鍋メニューの準備をはじめるのがよいかもしれません。
ちなみに、地域ごとの月別平均気温は気象庁の以下のサイトで確認できます。
・気象庁|過去の気象データ検索
鍋メニューを取り入れるメリット
ではなぜ鍋メニューが大切なのか、取り入れるメリットは何なのかという点について、ご存知の部分も多いでしょうが、改めて確認しておきましょう。
- 宴会が取れる
鍋メニューはコースメニューに取り入れるのに最適です。コースメニューは団体の宴会を取り込むことができます。鍋メニューで忘年会のメニューバリエーションも出すことができ、集客にも有利になります。特徴的で評判になった鍋メニューがあれば、さらに集客アップにつながるでしょう。 - 単価が取れる
鍋メニューの場合、〆のメニューや追加食材などのセットメニューを注文します。つまり、単価が上がりますので、売上貢献が期待できます。 - 予約が取れれば仕込んでおける
鍋メニューで宴会の予約が取れれば、事前に仕込めますので、食材のロスが低減し粗利が改善します。コースでなくても「鍋メニューのみ事前に予約必須」としておくことで、事前に必要な量を図ることができます。 - 手間がかからない
鍋メニューは、下ごしらえは必要でも原則的に調理不要です。キッチンの負担も少なくて済み、人件費の削減にもつながります。 - 名物メニューが作れる、地方料理が導入できる
鍋メニューは非常にアレンジがしやすく、アイデアも生かしやすいです。したがって、工夫をすれば「それを目指して来店する」ような名物メニューを開発することも可能です。また、鍋メニューは地方地方で特徴があります。ですから「鹿児島フェア」など、その地方の鍋メニューを提供すれば、メニューの鮮度を保ちつつお客様を飽きさせないため、リピートが期待できます。 - ヘルシーなイメージがある
鍋メニューは野菜をたくさん食べられるものなので、ヘルシーなイメージがあります。ですから、意外に女性客の集客に効果が発揮できます。 - 原価が安い
鍋の内容にもよりますが、一般的に鍋メニューは原価が安いのも特徴です。逆に言えば安い原価で豪華に見せたり、魅力的に見せたりすることが可能です。したがって、粗利の改善に大きく貢献してくれます。
鍋メニューのトレンドは?
では、どのような鍋メニューを導入すればよいのでしょうか。鍋メニューもほかのメニューと同様、水炊きなどのような一般的でありきたりのものでは集客力がありません。定番の鍋メニューもそろえながら、目新しい鍋メニューも1~2品は投入して、新機軸を目指しましょう。以下は、今年から来年にかけてトレンドになると思われる鍋メニューの例ですので、参考にしてみてください。
トマト鍋とろ~りチーズソース
現在、「インスタ映え」するメニューを用意した飲食店が繁盛しています。つまり、写真に撮ってインスタグラムに載せた時に見栄えがして「いいね」がたくさんもらえそうなメニューということです。これまでのインスタグラムの主流は「静止画」でしたが、今後はそれが「動画」にも広がるだろうと言われています。つまり、動画で撮影してインスタグラムに載せたいと思わせる、いわばフォトジェニックならぬ「ムービージェニック」なメニューが求められます。
この「トマト鍋とろ~りチーズソース」のメニューがムービージェニックなのは、鍋とは別に熱々のチーズソースをテーブルまで運び、お客様の目の前で「とろ~り」とかける点です。鍋そのものはトマトスープですから、チーズとの相性は抜群です。レシピを簡単にご紹介します。
材料
鍋
- ホールトマト缶 1
- 水 3カップ
- 顆粒コンソメ 大1
- ローリエ 1枚
- 酒・みりん 各大1
- 砂糖 小1
- にんにくスライス 大1かけ
- オリーブ 大1
- 塩 小1/2
- 黒こしょう 適宜
- 具材は自由に(ウインナー、ベーコン、手羽元、イカ、エビ、野菜など)
チーズソース
- 白ワイン 大1+1/2
- ★生クリーム 50cc
- ★牛乳50cc
(★は合わせておく) - 薄力粉 大1
- とけないタイプのスライスチーズ 2枚(適当にちぎって常温に戻しておく)
- バター 1かけ(常温に戻しておく)
- 味の素 適宜
- 醤油 数適
- 塩 少々
作り方
鍋
- トマトホールをマッシャーで潰す
- スープの材料を煮立てる
- 野菜投入後、20分煮込む
チーズソース
- 白ワインを入れ、レンジで10〜30秒加熱し、アルコールを飛ばす
- 1に薄力粉を少しずつ加え、ダマができないようによく泡立て器で混ぜる
- ★を少しずつ加え500wで1分過熱し、さらによくまぜる
- 3を数回繰り返し、とろみがついたら、最後に30秒〜1分過熱
- とろけるチーズを入れ、細かく砕いたオリーブ、黒コショウ
- あとはテーブルで上から「とろ~り」とかける
台湾もつ鍋
台湾ラーメンが流行していますが、辛いもののトレンドは続いています。それを人気のもつ鍋に導入しましょう。
材料
鍋
- モツ 800g
- キャベツ 大玉半分
- ニラ 2束
- もやし 2袋
- 豆腐(木綿でも絹でも) 2丁
- えのき 1袋
- 〆のラーメン
スープ
- 豚ミンチ 300g
- しょうが 1かけ((みじん切りにしておく)
- にんにく 2片(みじん切りにしておく)
- 生唐辛子または鷹の爪 3本
- ★豆板醤 大2
- ★コチュジャン 大1+1/2
- ★砂糖 大2
- ★酒 大4
- ★醤油 大3
- ★みりん 大1
- ★オイスターソース 大2
- ウエイパー 大3
- 水 1200cc
- 油 大さじ3
作り方
- ★を混ぜておく、ウェイパーは水に溶かしておく
- フライパンに油を熱し、ニンニク、ショウガを炒めて唐辛子を入れる
- ミンチを炒め、パラパラになったら★の調味料を入れる
- スープをいれたら10分煮る
- 鍋の底にキャベツを敷き、その上に野菜、豆腐、モツを入れ、あとは煮えやすいニラやもやしをのせる
- スープを入れて煮立たせる
フルーツ鍋のフルーツ&シーフードのココナッツカレー鍋
最後に、「え?」となるような鍋メニューをご紹介します。それは「フルーツ鍋」です。
「フルーツ鍋」とは、まさにフルーツを具材にした鍋で、爽やかなフルーツの香りや酸味がアクセントになるメニューです。見た目が鮮やかなので「インスタ映え」することはもちろん、女性が気になるビタミン類をまんべんなく摂取できるので、アピール力があることは間違いありません。また見た目だけではなく、フルーツを食べると血流が改善し、身体が温まって冷え対策になると同時に、新陳代謝が活発になってむくみが取れ、なおかつ美肌につながるビタミンCやビタミンBが豊富に取れるところもアピールポイントになります。
ちなみに、ぐるなびが行った調査で、「美や健康を意識した時に食べるもの」は、1位「野菜類」(79.3%)、2位「果物」(40.8%)でした。その上で「フルーツ鍋を具材にした鍋が食べたいか」は全体で30%、20代の約40%がYesと答え、かなりの受容度が確認されたのです。さらに、食べてみたい「フルーツ鍋」は1位「レモン(62.9%)」、2位「りんご(57.7%)」、3位「パイナップル(42.1%)」でした。
昨今、レモン鍋や、スダチ蕎麦など酸味のあるメニューが人気ですから、フルーツ鍋もかなりの人気が期待できます。何より他店では食べられないということ、女性に人気が出るという点が集客力につながるでしょう。今回はその中で、「フルーツ&シーフードのココナッツカレー鍋」をご紹介します。
トロピカルフルーツで作るココナッツカレー鍋は、スパイスがたっぷりなので身体を芯から温めます。さらにココナッツオイルには天然のオメガ3オイルが含まれているので、中性脂肪になりにくくエネルギー代謝を活発にしてくれます。ビタミンやミネラルも豊富です。
材料
- エビ、ホタテ貝などシーフードを 200~300g
- パイナップル、マンゴー、スターフルーツ、パパイヤ、パッションフルーツ、キウイなど 適宜
- ★ココナッツミルク缶1缶(400ml)
- ★水800ml
- ★鶏がらスープ(顆粒) 小さじ2
- ★オイスターソース 大さじ1
- ★カレールー3~4個(75~100g)
作り方
- フルーツは1口大に切っておく
- 鍋にカレールー以外の★を加え沸騰したらカレールーを加え溶かす
- 2に1の具材を入れ、蓋をして煮込んだら完成
鍋メニューのコース設定のポイント
鍋メニューは宴会コースや、セットメニューにしておいた方が注文が増える傾向にあります。そこで、鍋メニューのコースを作る場合のポイントを簡単にご紹介しておきます。
- 料金は税込みぴったりの金額で
まずコースの値段は2980円などのようにしないで、税込みで3000円などのようなジャストプライスにしておきましょう。宴会の時に、会費集めでお釣りが出ないようにしたほうが、幹事ウケがいいのです。 - 見せ球の1番高いコースを作る
コースは3~4種類作るのが通常ですが、1番売りたいメニューは、価格的に上から2番目にします。1番高いコースは「注文がなくてもいい」という見せ球として設定します。 - 飲み放題をつける
プラス1000円ないし1500円などで飲み放題をつけたほうが、より宴会需要をゲットできます。 - 予約なしでコース提供できるメニューを用意する
予約ではなくフリーで来て鍋メニューを頼むお客様もいますので、全コースではなくても、予約なしで対応できるものを用意しておきましょう。
まとめ
いかがでしょうか?
鍋メニューは原価が安く、寒い時期にはかなり注文が入り、店舗の売上と利益に貢献してくれるものです。定番の水炊きやもつ鍋に追加して、他店と差別化できるメニューを考案してみてください。閑散期の寒い日にも繁盛する店を目指しましょう。
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