日本酒を仕入れる前に知っておきたい基礎知識と幻の日本酒を仕入れるメリットや方法とは?

飲食店

能登の日本酒

人気の高い日本酒の中には『幻の日本酒』と呼ばれる、入手の難しいものがあります。プレミアのついた日本酒を入手できれば、お酒に関する知識のあるお店であることがアピールでき、またそのお酒目当ての新規顧客を開拓できる可能性もあります。 居酒屋・バーなどであれば、幻の酒として人気の高い日本酒を仕入れることは、高い宣伝効果が得られます。そのため、今回は人気の高い日本酒の仕入れ方や日本酒に合う肴のご紹介をします。

日本酒の酒造りの工程

私たちが普段口にしている日本酒ですが、どのような工程で作られているかご存じでしょうか。海外からも根強い人気を誇る日本酒はその工程に秘密が隠されていると言っても過言ではありません。職人たちが、実に9つもの工程を踏んで作っているのです。

1.精米

ご存じの通り、日本酒はお米から作られています。主に玄米を使用するのですが、玄米にはタンパク質や脂質などの成分が含まれているので、このまま使用するとお酒の味や香りに影響が出てしまいます。

そこで、玄米の外側を削り取る精米作業が必須となっており、この精米の具合によって、お酒の種類や味をコントールしていきます。

2.洗米

精米を終えると、多量のゴミやクズが出てきますので、それらを取り除くために、洗米を行っていきます。

3.蒸す

洗米で水分を吸ったお米の水分を飛ばすために、次の工程では蒸していきます。白米を蒸すことで水分が蒸発すると同時に、麹菌が活発になり繁殖しやすくなって良い味が出せるようになります。

4.麹つくり

蒸し終ったお米は麹菌を繁殖させる為に、適切な温度と湿度でコントロールされた部屋で寝かされます。大体、一晩寝かすのが一般的になっており、これによって、麹菌が繁殖したお米が生まれます。

5.酒母造り

既に4工程を行っているのですが、まだ日本酒作りは序盤。ここらが本番です。麹菌によって糖化されたお米をアルコールに変えていくのが、酒母造りの目的です。お酒つくりでは大量の酵母菌が必要になるので、酵母を作っていくのですが、この時に雑菌が少しでもあるとここまでの作業が全て水の泡になるので、慎重な作業が求められてきます。

6.仕込み

酒母ができた後は仕込みにはいっていきます。仕込みも一筋縄ではいかず、添・仲・留と三回に分けて行われており、こうすることによって、酒母や酵母の乳酸が薄められずに済むというわけです。

7.発酵

仕込みが終わると、次は発酵の作業にうつります。発酵では温度管理が重要となっており、朝夕2回の検温を行い、日本酒度、アルコールなどの分析を行いながら目的の味に近づけていきます。

8.搾り

発酵が終わったら、次は清酒と粕に分離していく作業にうつります。ここでようやく日本酒の形が見えてきます。

9.熟成

搾り終えた後は、清酒をろ過して余計な分泌物を取り除いていきます。この時、お酒は一見透明になっていますが、酵母や細菌類が残っているので、それらを残すためにろ過だけでなく、火を入れて細菌を失活させていきます。

ここまで実に9つの工程を踏み、ようやく商品として市場に出荷することができます。

吟醸酒と大吟醸酒は何が違う?

日本酒と言えば、吟醸酒と大吟醸酒の2つに分類されるのですが、どちらも「吟醸酒」という言葉があり、大差がないように思えます。しかし、この2つは大きな違いを持っています。では、どのような違いがあるのでしょうか。

お酒に詳しくない方にとってみると、なんだか難しい問題のようにも思えますが、答えは精米歩合にあります。

精米歩合とは、酒つくりの工程における「精米」において、どれくらいの玄米を削るかという割合を意味しています。普段から日本酒を飲む方だと分かると思いますが、日本酒の瓶には「精米歩合50%」といった表記がありますよね。これが、精米歩合の割合というわけです。

そして、吟醸酒と大吟醸酒は、この精米歩合が異なっています。具体的にいうと、精米歩合が50%以下だと大吟醸酒、60%以下だと吟醸酒となっています。つまり、大吟醸酒の場合は玄米を50%も削る必要があるので、その分手間も時間もかかるだけでなく、同じ量のお米から出来る量も少ないというわけです。

その為、大吟醸酒は値段も吟醸酒に比べて割高となっています。

ただ、もちろん値段が違うだけではなく、その味にも大きな違いがあります。元々日本酒はクリアな味わいになっているのですが、多くの玄米を削った大吟醸酒では吟醸酒に比べてさらに雑味がなく、口当たりがスッキリしており、日本酒が苦手な方でも飲みやすかったりします。

甘口? 辛口?はどうチェックすれば良いの?

日本酒には「甘口」と「辛口」があるのはご存じかと思いますが、ここで言う「甘い」「辛い」は食べ物のような甘い辛いではありません。当たり前ですが、日本酒を飲んで「辛いからお水!」というようなことはありませんよね。

それにも関わらず、なぜ日本酒には甘口辛口があるのでしょうか。そして、この判断基準はどこにあるのでしょうか。

日本酒の甘口と辛口に関しては日本酒度、つまり「酒度」によって表されています。この値がプラスだと辛口でマイナスだと甘口となります。酒度とは、お酒の中に含まれる糖分の比率となっています。つまり、お酒の中に含まれている糖分の量によってお酒は甘口と辛口に分かれるというわけです。

お酒の甘口と辛口の見分け方については、酒度をチェックするのが手っ取り早いのですが、実は、それだけではなかったりもします。お酒には酸度といったものがあり、この酸度が高いか低いかによっても甘口と辛口に分かれてきます。

酒度がマイナスであっても、酸度が高いと辛口のお酒だったりもするわけです。その他、含まれているアミノ酸の量によっても味が変化するので主成分や濃度から甘口辛口を判断するのは素人には難しいと言えるでしょう。

ただ、日本酒を選ぶ時は、大抵「甘口から辛口」というのは、分かりますし、酒店で購入するときは店主に聞けば直ぐに分かるので大した問題ではないと思います。知識の一つとして「酒度が大きく関わっている」ということを知っておけば良いでしょう。

幻の酒とは? 幻の日本酒ランキングを紹介

樽酒たくさん

幻の酒、プレミア日本酒などと言われるブランドには『十四代』、『獺祭(だっさい)』などがありますが、コレが幻の日本酒! と決まっているわけではありません。
基本的には、以下の条件が重なると幻の酒、プレミア酒と呼ばれることが多くなります。

  • 生産量が少ない
  • 常に品薄
  • 定価での入手が難しい
  • 個人での入手が難しい
  • 品評会で入賞の実績
  • 品評会で入賞の実績
  • メディアの注目度が高い

国内・海外で行われる品評会で高く評価された、雑誌・テレビなどのメディアで特集されたことがある、またはネットのランキングなどで常に上位にその名前が挙がるブランドには

  1. 獺祭 (山口県・旭酒造のブランド。専門店のみでの取り扱い。)
  2. 十四代 (山形県・高木酒造のブランドで幻の日本酒の代表格。)
  3. 久保田 (新潟県・朝日酒造のブランド。純米大吟醸の『久保田 萬寿』は久保田シリーズの最高峰。)<strong
  4. 黒龍 (福井県・黒龍酒造のブランド。フルーティな香りが特徴。)
  5. 出羽桜 (山形県・出羽桜酒造のブランド。国内だけでなく海外での受賞歴あり。)

などがあります。

いずれも人気が高く、個人で入手しようとするのはなかなか難しいです。

日本酒好きにはたまらない幻の酒!仕入れるメリットとは?

日本酒とかがんだ男性

幻の酒と呼ばれる日本酒を仕入れるメリットは、ズバリその宣伝効果にあります。知名度の高いお酒ですから、メルマガ・SNSなどで紹介をすれば、そのお酒目当てのお客様の来店が見込めます。幻の酒と呼ばれるブランド酒に関する知識があることもアピールできるので、お店の格が上がり、新規顧客の開拓につながる可能性もあります。また、幻の日本酒のみを飲んで帰る方は少ないでしょうから、おつまみ・食事などのオーダーが増えることも期待できます。 このように、お店の認知度の向上、お店のブランディング、売上向上という点で幻の酒を仕入れることは非常にメリットがあります。

幻の日本酒はどこで手にはいる?特約店を探そう

 杉玉

幻の日本酒はどこで入手できるのでしょうか。飲食店の場合、お酒は問屋から仕入れることが多いと思いますが、いつもの問屋で幻の日本酒を扱っていない場合、特約店を探すことが一番の近道です。
特約店とは蔵元から優先的に、または有利な条件でお酒を仕入れられる契約を結んでいる販売店のことを指します。例えば、人気の『獺祭』を造っている旭酒造のホームページでは『獺祭の飲める店・買える店』として日本国内・海外で獺祭が購入できる特約販売店の紹介があります。
また、出羽桜の場合も蔵元の出羽桜のサイトに取り扱い店舗が掲載されており、蔵元にも問い合わせができるようになっています。

幻の日本酒として名高い『十四代』は蔵元である高木酒造のサイトがないので、特約店を探すのが少し難しいブランドです。ただ、山形県酒造組合のサイトでは「蔵元のリスト」に高木酒造の名前があり、このサイトから、リストにある蔵元に問い合わせができるようになっています。

このように、蔵元や酒造組合のサイトでは特約店の紹介がされている、個別の問い合わせができるようになっていることがあります。気になる幻の日本酒がある場合には、蔵元や酒造組合へ直接コンタクトをとってみてはいかがでしょうか。お目当ての日本酒に関する情報を提供してもらえるかもしれません。

幻の酒には美味しい肴も用意しよう

日本酒と肴

さて、貴重な幻の酒が手に入ったらそのつまを。日本酒に合う肴といえば、お刺身、唐揚げ、酒蒸し、焼き鳥、魚の煮付けなどが定番です。日本酒の種類によっても異なりますが、香りの高い吟醸造りの場合には、お刺身、カルパッチョ、サラダなど、ライトなテイストや食感のものがよく合います。コクのある純米系の場合には煮物、炒め物、ステーキ、唐揚げ、焼き鳥などとの組み合わせが人気です。

ちょっと珍しいつまみでスペシャル感を出したい! 他店との違いをアピールしたい! そんなときにはチーズ、鴨肉の料理や燻製など、西洋風のおつまみはいかがでしょうか。意外な組み合わせではありますが日本酒にもよく合います。また、塩辛、さつま揚げ、漬物など特定の地方でしか販売されていない食品を扱った特別メニューもオススメです。幻の日本酒と食材の産地をあわせてみるのも1つの手ではないでしょうか。

幻の日本酒が手に入ったら、ぜひ自分のお店でしか楽しめないお酒&肴の組み合わせを考えて、メニューに加えてみてください。

まとめ

日本酒のイラスト

幻の酒と言われている日本酒は決して入手不可というわけではありません。ただ、流通している数が少なく、入手をする際には酒蔵・特約店との密なコミュニケーションが必要になることがあります。また、幻の日本酒を入手できたらメルマガやSNSなどで積極的にお客様へアピールをしていくことも大事なポイントです。お店の認知度や価値を高めて、新規顧客の獲得につなげてください。

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