確定申告の期限を過ぎたり間違ったりした場合はどうする?

開業・経営

確定申告に頭を抱える男性

飲食店を経営する個人事業主にとって、事業を永続的に継続させるためにも、儲けを出すことは重要です。ただし、儲けを出すことだけが、事業継続に必要なことではありません。個人事業主にとって利益を上げることと同等に重要なことは、確定申告をして税金を納めることです。納める税額が間違っていたり期限内に申告できなかった場合、ペナルティとして、本来納める税金にプラスして税金を納めなければならない可能性も出てきます。

しかしながら、人間は機械ではありません。そのため、うっかり申告期限を過ぎてしまったり、あるいは売上の漏れや経費の勘違いなどで、納税額が違ったりしてしまう場合もあるでしょう。

そこで今回は、確定申告の期限を過ぎてしまった場合や、申告を間違ってしまった場合の対処方法についてご紹介いたします。

確定申告はなぜおこなうのか?

押印しようとする手

確定申告の期限を過ぎたり、間違ったりした場合の対処法についてご紹介する前に、確定申告をしなければならない理由と、その基本的な計算方法について触れておきましょう。

確定申告とは払うべき税金を計算すること

確定申告とは、所得税と復興特別所得の額をもとに計算し、算出された額を納めるための手続きです。計算した税金が、本来納める額よりも少ないと判断されると、不足分を追加で支払うことになります。また、確定申告の期限が大幅に過ぎていたり、悪意を持って意図的に納める額を少なく申告した場合は、罰金として追加で税金を徴収されます。

税金は売上から経費を引いた残りにかかる

税金の計算の基本式は

(売上 − 経費)× 税率 = 税金額

となります。計算式で用いた「売上 − 経費」の額を、「所得」といいます。

飲食店の店主は青色申告がお得

個人事業主の場合ですと、「青色申告」という特典付きの申告方法を選択することができます。青色申告の主な特典は、以下の通りです。

  • 青色申告特別控除(65万円)
  • 青色事業専従者(事業主本人)給与の必要経費算入
  • 純損失の繰越し(前年が大きな赤字だった場合、当年に黒字が出てもその赤字分を差し引き、税金を安くできる)

特典豊富な青色申告をするためには、「複式簿記」で帳簿を作成することと、事前に青色申告をする申請を出すことなどが条件となります。複式簿記ではなく、家計簿のような「単式簿記」での記帳の場合は、特別控除は10万円になってしまいますので注意が必要です。

申告しないと罰金を払うことに

確定申告をしていないと税務署から指摘された場合は、本来納めるべき税金に10%から最大40%の「加算税」と、7.3%から14.6%の「延滞税」がプラスで課せられてしまいます。こうなると、納税金額は確定申告をした際と比べて、最大で1.5倍以上になってしまいます。

確定申告の期限を過ぎてしまった場合

突っ伏す女性

では、確定申告はいつまでに行わなければならないのでしょうか。また、確定申告をする必要のある期限をうっかり過ぎてしまった場合には、何らかの救済措置はあるのでしょうか。

確定申告の期間は1ヶ月

確定申告は、その年の1月1日から12月31日までの期間を対象にしています。その期間内で得た所得にかかる税金額を確定し、翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告書を国へ提出するのがルールです。ただし、年によっては曜日の関係で期間は変更されますので、必ず国税庁や税務署のWebサイトを確認しておきましょう。

そして、前述の期間に確定申告した所得税を3月15日までに、消費税を4月2日までに納付します。

申告期限を過ぎてしまった場合は?

うっかりしていた、病気やトラブルで手が回らず、期限内に確定申告ができなかったという場合もあるでしょう。その場合は、申告可能な段階で早急に「期限後申告」を行ってください。

期限後申告の場合、税金が加算される

期限後申告をした場合は、基本的に「無申告加算税」というものを加えて納めることになります。その計算方法は、納付すべき税額が50万円までの場合は15%、50万円を超える場合は20%を所得にかけて算出します。

税金が加算されないための条件は?

ただし、期限後申告であっても、以下の条件を「全て」満たしている場合は、上記の無申告加算税は免除されます。

  • 期限後申告が、申告の締め切りから1か月以内に自主的に行われていること
  • 期限後申告で計算された税額の全額を、上で記載した各種税金の納付期限までに納付していること
  • 期限後申告からさかのぼって5年前までの間に、無申告加算税、あるいは重加算税を課されていないこと
  • 同じく5年以内にこの免除制度が適用されていないこと

注意しなければならないことは、期限後申告によって納める税金は、確定申告書を提出したその当日が納付期限となりますので、即日納めなければならないということです。

確定申告を間違ってしまった場合

助けを求めるカップル

計算方法が間違っていた、経費だと思っていたものが認められなかった、売上の漏れがあったなどの理由で、確定申告をした税額が間違っていた場合は、どうしたらよいのでしょうか。対処方法としては、多く納めていた場合と少なすぎた場合で異なります。

納める税金が多すぎた場合

納める税金を多く申告した場合は、「更正の請求」という手続を行いましょう。まず、更正の請求書を管轄の税務署長に提出します。すると、税務署では請求された内容の検討を始めます。検討の結果、納め過ぎだと判断された場合、税金が還付されます。更正の請求は、納める税金を多めに確定申告してしまった年の申告期限最終日から、5年以内であれば可能な手続きです。5年を過ぎると請求は出来なくなりますので、注意しましょう。

納める税金が少なすぎた場合

納める税金が少なすぎた場合は、急いで「修正申告」をして訂正しましょう。税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば、ペナルティとしての「過少申告加算税」はかかりません。

しかし、過小申告であったことを税務署から指摘されて納める場合は、過少申告加算税を本来の税額に加えて納めなければなりません。額としては、所得に対して10%にも及びます。ただし、納める税金額の不足が50万円以上の場合は、所得に対して15%加算されます。また、追加で納める税金は、修正申告書を提出する日が納付期限となりますので、即日納付するようにしましょう。期限を過ぎて納付すると、そこからさらに延滞税が加わってしまいますので、要注意です。

確定申告を忘れたり、間違えたりしないために

手帳で支出管理

確定申告を忘れたり間違えてしまった場合、本来納めるべき税金よりも多い、余計な税金を納めることになりますから絶対に防ぎましょう。確定申告を忘れず正確に行うためには、以下のことを意識して実践するようにしましょう。

忘れないためにはスケジュール管理を

「忘れる」という現象は、人間であれば避けられない要素です。忘れるということは人間である証でもありますので、心配はありません。だからといって、確定申告を忘れてはいけません。忘れないためには、自分で記録をすることで防ぐしかありません。

たとえば、

  • カレンダーや手帳を購入したら、すぐに確定申告の期間に分かりやすい印をつける
  • 電子カレンダーを使用している場合は、来年の申告期間も入力しておく

などのように、自分で工夫していきましょう。印を付けるだけで満足してはいけません。確定申告には非常に手間がかかります。確定申告に苦戦して、申告期間に遅れることを防ぐためにも、1月に入ったら早めに確定申告の準備を始めるようにしましょう。

間違えないためには毎日、毎月の管理を

申告内容の間違いが起こる2つの大きな要因は、売上の漏れと経費の間違いです。

売上の漏れを防ぐためには、毎日の営業終了後に、売上伝票の合計と手元にある現金、クレジット伝票の合計額がしっかりと一致するかどうかを確認することが1番です。万が一合わないようなことがあれば、その原因を追究し、計算間違いをあぶり出す必要があります。

経費の間違いを防ぐためにも、可能であれば毎日記帳することが最善の策でしょう。毎日の記帳が大変であれば、最低でも1ヶ月に1回記帳するようにしましょう。その際、公私混同がないように、経費のルールに沿って正しく経費を分類するようにしましょう。これはつまり、しっかりと経費の仕訳をすることが大切です。

毎日の売上管理を楽に行うために、クラウド会計ソフトと連携したPOSレジを使用することをおすすめします。日々の売上が自動で記帳されるため、漏れや間違いを防止することができます。

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まとめ

電卓片手に微笑む女性

いかがでしょうか?

確定申告をしなければならない期限に遅れたり、計算を間違えたり、勘違いや誤解によって申告内容を間違えるということは、誰にでも起こる可能性があります。もちろん、1番大切なことは確定申告の期限遅れや間違いを防ぐことです。しかし、万が一そういった事態が発生した場合は、早急に申告内容を修正しましょう。どれだけ早く申告出来るかが、余計な税金を払うことの防止に繋がるのです。

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