常連さんと一見さん。どちらも心地よく過ごせるお店づくりをしよう

飲食店

常連さんがたくさんのイメージ

飲食店は、駅中や観光名所のような立地であれば新規のお客様だけでも経営は成り立ちますが、それ以外の店舗の場合は常連客を確保・維持することが繁栄のための鉄則です。

一方、お客様の側からすると、常連客のいる店は「安心できる」という声が多いのですが、逆に「居心地が悪い」という声も少なくないのです。

初めて来店してくれたお客様に「通いたい店」と気に入ってもらうためには何が必要か、そのコツを紹介しましょう。

一見、常連とは

常連さんと一見さん

一見(いちげん)とは初対面のことです。老舗の料亭などで「一見さんお断り」の看板を掲げているところがありますが、これは、初めての人は断るということではなく、常連のお客様に行き届いたサービスをするために新規客だけでの来店を断るという意味です。常連客と同伴あるいは紹介された人は一見であっても歓迎してもらえます。昔は、お座敷や料亭での支払いは盆と暮れだけの掛け売り(ツケ)だったことから、信用第一だったということが背景にあるといわれています。

一見さんお断りと似たようなシステムに会員制、紹介制、完全予約制があります。これらの店は質の良い材料を使ってリーズナブルな価格で提供するために、あえて常連のお客様だけに絞っているのです。

常連というのは、いつもその店を利用するお客様のことですが、ただ金払いがいいだけでなく、いわばお店の応援団のような存在で、お店から上客と認めてもらえる人のことを指します。

常連さんが多いのはいいこと?

常連さんであふれるカウンター

マーケティングの世界では、「売上の8割は2割の顧客が支えている」といわれています。これはイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートの経験則によるもので、「パレートの法則」とも呼ばれています。

たとえば、10万円の売上があれば8万円は2人の常連客によって生み出されているという理論です。

売上が低迷するとお客様を呼び込むためにメニューを増やしたり値下げをしたり、食材の質を落として経費を安く抑えたりしがちですが、それは極めて危険な判断です。安易にメニューや価格を変えたりすればお店のブランディングを損ねてしまいますし、食材を変えれば味が落ちてしまい、客離れが起こるのは避けられないからです。

売上が落ちてきたときこそ、常連のお客様をつなぎとめることに集中することが大切です。パレートの法則に当てはめれば、お客様全体を対象としてサービスをするのではなく、2割の上客に重点的にサービスをするほうが安定した収益を維持できるということになります。

常連さんが多いと一見さんも常連になりやすい!?

常連になる一見さん

常連客をつなぎとめておくためには、ほかの一見さんとはサービスに差をつけることです。差別ではなく特別扱いをするのです。

たとえば、仕事帰りに来店したお客様には、「こんばんは、◯◯さん、お疲れさまです」のように名前を呼んで挨拶をするだけでも、お客様としては十分特別扱いをされた気分になります。そして、その人の好みの食材が入っているときは勧めてみるなど、押しつけがましくならない程度に対応することで「自分の好みもわかってくれている。安心できる店だ」と信頼感をいっそう深めることになります。

こうした常連客とスタッフの会話は、まわりに一見さんがいる場合はとくに心がけたいものです。常連客との会話の流れで一見さんと話をするきっかけができるからです。つまり、会話しやすい環境が作られるわけです。

ただし、気をつけたいのは、どの一見さんも会話を好むとは限らないという点です。店のスタッフと親しく話をしたくない、常連客は苦手、という人が少なくないからです。とくに単独で来店する客は「ひとり飲み」「ひとりごはん」を好む人がいるので、最初のひと言や雰囲気からどんなタイプかを察することが大切です。

一見さんを常連に変えるおもてなしのコツ

一見さんをおもてなし

一見客が再来店する確率は30%、3回来店する確率は20%といわれています。かりに10人の一見客がいたとすれば、2回来店するのは3人、3回来店するのは2人だけということになります。

ところが、この2人が4回来店するのはなんと70%以上という高い確率になるのです。ということは、再来店するお客様を3人以上に増やすことができれば、その分常連客が増えることになります。

では、一見さんを常連客に変えるにはどうすればいいか、そのコツをあげてみましょう。

・笑顔で、目を見て挨拶

リピーターになってもらうためには、まず店を覚えてもらうことが必要です。といっても大げさに考えることはありません。「明るく、はきはき、目を見て挨拶」することで好印象をもってもらえます。

・相席は断ってから

混み合う時間帯で相席しかない場合でも、ていねいに断って了承を得たうえで案内するようにします。どんなに忙しいときでも店の都合を優先するような振る舞いは慎むべきです。あくまでもお客様第一を心がけましょう。

・同伴者がいるときは

目上・目下の関係がわかるときは、目上の人に上席をすすめるようにします。とくに気を配りたいのは飲み物や料理を運ぶタイミングです。一人分だけ早くできてしまい、ほかの人の分がそろうまで待たされるといったことのないよう、うまく調整する必要があります。

・名刺をいただく

リピーターになってもらうためには、お客様の連絡先を知ることは必須条件です。初来店後にサンキューレターを出したり、誕生日近くにバースデーカードを送るなど、こちらからアプローチすることが大切です。名刺があれば一番ですが、持ち合わせていなければ名前と連絡先を聞いて顧客データに保存しておきます。その際は、サービス券を渡すなど何らかの謝礼が欠かせません。

・帰りは出口まで見送る

お客様が会計をすませてお帰りになるときは、ドアのところまででも見送るようにします。昔から「お迎え三歩、見送り七歩」が来客応対の基本とされていますが、帰り際の印象がよければ「また来たい」という思いが強まるからです。この余韻を大事にする心づかいは老舗の料亭や旅館に今も伝わっています。

・顔を覚える

再来店したときに名前を呼んで挨拶をすることができるよう、顔を覚えておきましょう。顔の特徴を書き留めて多くと案外覚えていられるものです。お客様が多くて初回では無理という場合は、せめて3回目の来店時には覚えるようにしましょう。

まとめ

落ち着く店内でコーヒーを飲む女性

以上、常連客を増やす方法について見てきましたが、特別に高度なテクニックやスキルを必要とするものではないことをおわかりいただけたでしょう。

どんなときでも「お客様に喜んでもらう店にしたい。それにはどうすればいいか」という意識をつねにもっていること大切であって、そういう姿勢こそがお客さまの印象に残り、再び足を運んでもらうことにつながるのです。

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