熟成肉はどうしておいしいの?熟成肉のおいしさの秘密や作り方とは

飲食店

瓦に乗った高級ステーキ

今回は、近年流行りの熟成肉について詳しくご紹介いたします。熟成肉はメニューとしての単価が高い傾向にあるため、飲食店で取り入れたいと考える経営者の方も多いのではないでしょうか。しかし、熟成肉は片手間でつくることは難しく、大変な手間と労力を用いてはじめて仕上がる料理です。それ故、熟成肉であるというだけで、お客様の信頼を得やすい食材だともいえます。

この記事を参考にしていただければ、熟成肉のおいしさの秘密や作り方までを理解することができます。これからご紹介する熟成肉についてのお話が、お店づくりのヒントになれば幸いです。

熟成肉とは

新鮮な霜降り肉

近年注目を集めている「熟成肉」は、一定の環境下の中で寝かせ、旨味を凝縮させた肉のことです。熟成肉の定義ははっきりしていないため、それが原因で論争を起こしたこともあります。熟成肉は、大まかに分けるとドライエイジングとウェットエイジングの2種類に分けられます。熟成方法や熟成期間はお店によって様々のため、熟成の方法によって熟成肉がドライエイジングなのかウェットエイジングなのかを判断します。

熟成中の肉の内部では、酵素が働いてタンパク質が細かく分解されることによって、アミノ酸が増加します。肉の外側では、空気中の微生物が表面を覆い、肉を劣化から守ります。それと同時に水分がゆっくりと抜けていくため、旨味が凝縮された熟成肉がつくられるのです。

文字で説明すると簡単に思える熟成肉ですが、熟成と腐敗は紙一重の関係にあるため、作るのが難しいとされています。腐敗させずに熟成させるためには、一定の温度や湿度を保つための設備が必要となります。さらに、熟成肉の乾燥した外側やカビが入り込んだ部分などを取り除く必要があるため、可食率も悪くなります。熟成肉を一から作るということは、大きな設備投資と時間が必要となるのです。

熟成肉が人気になった理由

ステーキを切るフォークとナイフ

熟成肉の持つメリットが、消費を活発に行う女性や高齢者のニーズに見事当てはまったため、熟成肉が人気になったと言われています。今の外食産業を支えているのは、女性と高齢者であるとされています。外食産業を支える両者にとっては、熟成肉のメリットはとてもうれしいことであったのです。

また、熟成肉には赤身の肉を使うことが多いとされます。赤身肉は本来なら固くて食べにくいのですが、熟成肉にすれば赤身肉をおいしく食べることができるため、これまた人気がでた理由とされています。赤身肉は高タンパク質・低脂質であることに加え、鉄分やビタミン類などの不足しがちな栄養素が豊富に含まれています。また、Lカルニチンという脂肪燃焼効果がある成分も含んでいるため、体型を気にする女性にも受け入れられました。

熟成肉は高タンパク質で低脂肪、さっぱりした赤身肉なのにやわらかくて食べやすいということで、高齢者にも需要が広まりました。肉を熟成させることで酵素が筋繊維を分解し、固い赤身肉をやわらかく旨味が凝縮された状態で食べられるようになったので、高齢者にも喜ばれています。このように、女性と高齢者の二大消費者のニーズを満たしたことで、熟成肉の人気に火がついたとされます。

熟成肉はどのように作るのか

熟成肉を調理する女性

熟成肉を作る手法は、熟成肉の本場であるアメリカから取り入れられました。しかし、日本とアメリカでは自然環境や空気中に含む微生物などが違うため、日本独自のやり方を研究する必要があります。また、目指す味や肉質によっても熟成期間や熟成方法が変わるので、様々な方法を試しながら、自分に合った熟成肉の作り方を見つけましょう。

熟成肉を作るのに大切なことは、「温度・湿度・空気の対流」の3つの要素です。

  • 湿度
    熟成肉を作るためには、湿度を70%程度に保つ必要があります。しかし、一般的な冷蔵庫内は30%~60%となっているため、工夫をしないと熟成肉をつくるのに適した湿度を保てません。
  • 温度
    熟成肉を作るには、水分がギリギリ凍らず、雑菌が働かない2~3度の温度に保ちます。この温度に保った冷蔵庫に野菜などを入れるとダメになってしまうため、熟成肉には専用の熟成庫が必要です。
  • 空気の対流
    熟成庫の中に、空気の流れをつくることです。風がないと、空気中の雑菌が肉の表面について腐敗させる菌が繁殖しやすくなるため、扇風機などを入れて空気の流れをつくることが大切です。

このように、肉を腐らせる菌の活動を抑え、タンパク質を旨味に変える菌だけが働く環境をつくることが、熟成肉には重要なのです。

熟成肉を取り入れるときのポイント

旨味が凝縮された熟成肉

熟成肉には明確な定義がないため、3日冷蔵庫に置いただけの肉を熟成肉と呼ぶこともできます。しかし、コストをかけて3ヶ月熟成させた肉と比べれば、どちらがいいかは明確です。そのため、熟成肉をお客様に提供するのであれば、品質のよいものを常に提供しなければいけません。

熟成肉をつくるには、時間とコストがかかります。熟成肉を狙った品質に仕上げるためには、最低でも20日、長ければ半年以上かかることもあります。熟成肉のレシピが完成するまでの期間を含めれば、提供時の価格は高価にせざるを得ません。

熟成庫で肉を熟成している期間は、場所を取っているにも関わらずお金にはなりません。そこで、肉を熟成している熟成庫を、お店の目玉にすることでお金にしているお店も多いです。大きな肉の塊がたくさん並ぶ光景は、お客様にとっても見ごたえがありますし、食欲がそそられます。熟成庫を公開することは、少しでも宣伝効果を高め、土地代を回収する方法として有効です。

また、時間とコストをかけて熟成させた肉は大きな塊で焼くなど、一番おいしく食べられる調理法で提供しましょう。熟成肉専門店でしか味わえないような体験を提供することで、他の飲食店との差別化を図ることが大切です。

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まとめ

栄養素豊富な赤身肉

いかがでしょうか?

熟成肉は人気が高まった反面、品質の悪いものも多く出回るようになりました。熟成肉に関する定義がない以上、こうした事態は避けられない状況ですが、そのような状況だからこそ、きちんと品質が高いものを提供することで、お客様の信頼を得る必要があるのではないでしょうか。

熟成肉は技術・コスト・時間が過度に必要となりますが、需要が多く、これからも伸びる分野だと予想できます。そのため、熟成肉の活用は、長期的に見たら多くのリターンを見込むことができるのではないでしょうか。おいしい熟成肉を取り扱い、お店の看板メニューとしてみるのも、一つの戦略となるかもしれません。

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