経営者を悩ませる人材育成……成長を促すコツとは

開業・経営

教育する先輩女性

店舗ビジネスの飲食業は、ほかの業種より多くの人材を必要とします。にもかかわらず就業者が少なく、離職者が多いというのが現状です。

その一方で、「働きたい店ナンバーワン」などといわれる人気店も少なくありません。そのような店には必ず、「私もああなりたい」と思わせる魅力的なスタッフがいます。容姿がうんぬんではなく、人材育成によって培われた人間的な魅力です。

人材育成は繁盛店にするためのスタートラインともいいます。お客さまが憧れるようなスタッフに育てるためには、まず、指導者が人材育成の基本的なノウハウを理解することが大切です。

人材育成はなぜ必要か?

新人のビジネスマン

飲食店の使命は、人々に飲食を通して楽しさや心の豊かさを提供するビジネスということができます。お客さまに満足してもらって対価をいただくためには、おいしい料理をよりおいしく味わってもらうための雰囲気作りが不可欠です。しかし、どんなに豪華な調度品が飾られた空間でも、マナーの悪い従業員が一人でもいたら台無しになってしまいます。

たとえば、次のような接客態度はお客さまに嫌われる代表的なケースです。思い当たることはないでしょうか?

◆料理をバラバラに出す

二人連れなのに一人にだけ早く料理が運ばれてきた。先に食べるのが悪くて待っていたら、料理が冷めてしまった。

◆相席をすすめる

一人で入った店で、まだ空席があるのに見知らぬ人との相席をすすめられた。ランチタイムで混んでくる時間帯だからというのはわかるけど、客のことよりお店の都合を優先する態度にイラッときてすぐ店を出た。

◆スタッフ同士の無駄話

スタッフ同士がおしゃべりに夢中で、呼んでも、手を上げても気づいてくれない。

◆不愛想

やる気がないのか、無愛想でとても感じの悪い店員だった。

◆大声で怒鳴る

新人らしき店員がオーダーを間違えたとき、店長が大声で怒鳴った。こっちまで気持ちが落ち込みそうだった。

ほとんどのお客さまは不快な思いをしても、いちいちクレームをつけるようなことはしません。ただ二度と来てはくれないでしょう。それに、SNSやTwitterなどが普及した現代は、一人のお客さまを不快な気分にさせてしまったら、悪い口コミが拡散されて何人のお客さまを失うことになるかわかりません。

そうした最悪の事態を防ぐためにも、スタッフ全員の接客スキルが向上するよう指導教育を行い、徹底させる必要があります。

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人材育成が難しい理由

悩む経営者

スタッフの接客スキルがそのまま売り上げに直結する飲食店においては、できるだけ早く人材育成を行いたいものです。しかし、人を育てるということはそう簡単なことではありません。その理由として次のようなことがあげられます。

◆マニュアル通りにはいかない

人材育成に関するマニュアル本は数多くありますが、人には個性があります。技術的なことはマニュアルを必要としても、人材育成はメンタル面が深くかかわりますから、型通りの指導ではなかなかうまくいきません。

◆時間がかかる

経営者としては、早く戦力になってほしいと思うものですが、指導して結果が現れるまでにはそれなりの時間がかかります。長期的な視野であたることが大切です。

◆指導する側にもスキルが必要

新人教育の際、状況によっては手取り足取りで教えなければならないこともあります。そんなとき、教え方が下手な人は忙しいからと逃げてしまうことがあります。 それでは新人はいっぺんにやる気をなくしてしまいます。先輩上司にはどんなときでも的確に教えられる指導能力が必要です。

新人研修をするだけでは育たない?人材育成を行うコツ

人材育成のポイント!

経営者のなかには、新人研修を行っているから人材育成はとくに必要ないと思い込んでいる方も見受けられます。しかし、新人教育と人材育成は分けて考える必要があります。

たとえば、「お客さまを迎えるときは、忙しいときでも必ず立ち止まって『いらっしゃいませ!』とはっきり言うこと」と教えても、実際に現場でそのようにできなければ、そのスタッフはまだ育っていないということです。それでは研修に費やした時間とコストが無駄になってしまいます。

研修を行うことは大切ですが、研修はスキルではなく 原則を理解させることです。研修の場ではよく理解できて、挨拶のしかたなども100点満点だったとしても、お客さまの前で同じようにできるとは限りません。

人材育成で重要なのは、現場で先輩や上司が手本となる接客のしかたを示すことです。といっても「先輩を見て覚えろ」といった突き放したやり方ではなく、ていねいに的確に指導することが大切です。それには、ハウスルール(その店独自の規則)を作成し、新人だけでなく全スタッフ間で共有できるようにしておくことです。

ハウスルールには、経営理念をはじめとして、挨拶のしかたや身だしなみ、ミーティング、まかない、休憩時間、掃除のしかたなど基本的な約束事を盛り込みます。あまり細かすぎると読むのが面倒になりますし、混乱を招きかねないので、重要なものに絞って箇条書きしにます。

ハウスルールは作成して掲示しておくだけではもちろん意味がありません。現場に生かしてこそ価値あるものになります。上手に生かすためには先輩上司のコミュニケーション力が必要で、そういうスタッフがいなければ人材育成もうまくいきません。

その結果、新人は店に対して不満がつのり、離職というパターンをたどってしまいます。次に新しいアルバイトやパートが入ってきても同じパターンをずっと繰り返すことになるでしょう。それをどこかで断ち切らないことには、経営が立ちいかなくなってしまいます。現実に「人手不足倒産」と呼ばれる悲惨な例が相次いで起きています。

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他店をリサーチして参考にする

資料を参考にする

もし、人材育成の必要性もハウスルールの意味もよく理解しているが、具体的にどのようにすればよいかがわからないという場合は、スタッフの定着率のよいお店をリサーチして参考にする方法があります。

そのような店では、リーダー自身が手本となり、スタッフに自分のやるべき仕事を覚えさせ、また、クレームを受けたときの応対のしかたまでコーチングしています。 自分は口で命令するだけで何もしないというリーダーにはスタッフはついて行きません。

人手不足でそのうえ変化の激しい飲食業界を生き抜いていくには、前述したような飲食店の使命をスタッフ全員で共有し、働く目標を見失うことのないよう新人をしっかり支えていくようにしましょう。

まとめ

指指す経営者

新人を定着させるためには人材育成法を確立しておきたいものです。忙しいからと後回しにしないでできるだけ早く行いましょう。

学生アルバイトが多いお店では、卒業・入学シーズンはスタッフの入れ替わりで人材育成にいっそう頭を痛めるときですが、そのときこそ優秀なスタッフを育てるチャンスです。

人材育成の参考にしたいお店がとくにないという場合は、実績のある人材育成セミナーに参加してノウハウを手に入れる方法も検討してみましょう。

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