飲食店を経営する上で考えておきたいのが、キャッシュレス決済導入の有無です。キャッシュレス決済の導入はメリットも大きい反面、無視できないデメリットもあります。自店舗に適した決済手段を選べるよう、基本的な種類や選び方などを調べておきましょう。また、キャッシュレス決済導入と併せて、便利なPOSレジの利用も検討することがおすすめです。今回は、キャッシュレス決済の種類や現状、導入のメリット・デメリット、適した決済手段を選ぶ際のポイントなどをご紹介します。
キャッシュレス決済の種類
現金を使わない決済方法には、クレジットカードや電子マネーなど、複数の種類があります。まずは、決済手段ごとの特徴について確かめていきましょう。
クレジットカード決済
クレジットカードを使う決済方法です。カードを使って支払いをした後、別日に指定の銀行口座から代金が引き落とされる仕組みとなります。引き落としは１カ月分まとめて行われるのが一般的です。カードごとに使用できる限度額が定められているケースが多く見られます。
デビットカード決済
デビットカードとは、銀行口座と紐づけて使うカードです。カードを使って支払うと、口座からすぐに代金が引き落とされます。口座残高を超えて支払うことはできません。基本的には審査がいらないため、クレジットカードより利用するハードルが低い点が特徴です。カードの種類によっては高校生から所有することができます。クレジットカードと同様、店舗での支払いやネットショッピングの決済など、幅広い場面で使用可能です。
電子マネー決済
電子マネーを利用した決済方法です。電子マネーとは、電子化されたお金のこと。データ上で金銭をやり取りするのが特徴です。交通系電子マネーや流通系電子マネー、クレジットカード系電子マネーなど、発行する会社によって種類が分けられます。また、支払いのタイミングによって前払い方式、即時払い方式、後払い方式に分けられます。
電子マネーの形態は幅広く、カードを使って決済するものもあれば、スマホ決済に対応しているものもあります。サービスによっては、カードとスマートフォンのどちらでも決済することが可能です。
QRコード決済
QRコードとは、二次元コードの一種です。スマートフォンを利用した決済を行います。QRコード決済の方法は主に2つに分けられます。ひとつは、顧客のスマホに表示されるQRコードを店舗側がスキャンする方法です。もうひとつは、店頭で表示しているQRコードを、顧客のスマートフォンに読み取ってもらう方法となります。
【参考記事】
飲食店におけるキャッシュレス決済の現状
キャッシュレス決済を導入している店は増加傾向にあります。飲食店の場合、どの程度までキャッシュレス対応が進んでいるのでしょうか。キャッシュレス決済導入の現状や、導入されている決済手段の割合について確かめてみましょう。
キャッシュレス決済の導入状況
キャッシュレス決済を導入している飲食店は増えています。経済産業省の商務情報政策局 商務・サービスグループキャッシュレス推進室が2021年に実施した調査によると、飲食店のうち85.4%が何かしらのキャッシュレス決済を導入していると回答しています。他業種と比較しても高い数字を打ち出していることが特徴です。
出典：「キャッシュレス決済 実態調査アンケート集計結果」（経済産業省 商務サービスグループ キャッシュレス推進室）https://www.meti.go.jp/press/2021/06/20210618002/20210618002-1.pdf
決済手段ごとの導入状況
飲食店が導入しているキャッシュレスの決済手段で多かったのはコード決済（QRコード決済）です。飲食店のうち68.4%が導入していると回答しました。2番目に多かったのはクレジットカードで58.3%です。コード決済もクレジットカード決済も過半数の店が導入しています。
出典：「キャッシュレス決済 実態調査アンケート集計結果」（経済産業省 商務サービスグループ キャッシュレス推進室）https://www.meti.go.jp/press/2021/06/20210618002/20210618002-1.pdf
飲食店でキャッシュレスを導入するメリットとデメリット
キャッシュレス決済導入には、業務効率化や顧客満足度向上など、複数のメリットがあります。一方で、コストや現金化にかかる期間などの課題もあるため注意が必要です。メリット・デメリットを見て、自店舗への導入について判断していきましょう。
メリット
レジ業務がスムーズになる
レジ業務において時間を取られやすいのが、現金の受け渡しに関する作業です。お客様から受け取ったお札や小銭を正確に数え、お釣りの金額を計算し、間違いのないように釣銭を渡さなければいけません。過不足があるとお客様からの信頼を損ねる原因にもなるため注意したいところです。
キャッシュレス化を進めると現金のやり取りが減り、受け取るお金やお釣りの確認をする作業が省けます。会計作業を素早く完了させることができる上、お釣りの金額を間違う心配もなくせます。
また、混雑時でもレジがスムーズに流れるようになれば、多くのお客様に対応できるようになるはずです。従業員が接客に注力できれば、顧客満足度の向上も見込めるでしょう。
集客効果が見込める
キャッシュレス決済サービスの事業者によっては、自社の決済サービスを導入している店舗を掲載していることがあります。決済用アプリの地図情報に店舗の場所と情報が掲載されるため、キャッシュレス決済を利用している人に向けた宣伝効果が期待できます。
また、キャッシュレス決済を多く活用し、あまり現金を持ち歩かないお客様もいます。現金を管理するのが煩わしい、決済で付与されるポイントを活用したいなど、理由はさまざまです。キャッシュレス決済をメインの手段にする人は、現金しか使えない店舗の利用を避けることも。キャッシュレスに対応すれば、こういったお客様の獲得にもつながります。
衛生面での心配を軽減できる
飲食店は食品を扱う性質上、衛生面に細心の注意を払う必要があります。特に、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、飲食店はさらなる衛生対策を求められています。さまざまな人の手に触れる現金の手渡しに抵抗を持つお客様もいるでしょう。
キャッシュレス決済は現金のやり取りが発生しないため、衛生に関する不安を感じにくい点がメリットです。現金支払いを避けるお客様を取り込むために、キャッシュレス決済を導入するのも有効といえます。
デメリット
利用する際に手数料がかかる
キャッシュレスの決済サービスを利用すると、決済代金に対して手数料が発生します。支払先は、決済サービスを展開している事業者です。手数料は決済サービスによって異なります。クレジットカードの場合、代金の3～5%の手数料がかかることが多いようです。電子マネーの一種である交通系ICカードの決済手数料は、3%前後に設定されている傾向があります。QRコード決済の手数料は代金の0～3.74％程度が一般的です。
サービスによっては、期間限定で決済手数料が無料になるキャンペーンを実施していることがあります。キャッシュレス決済導入時の初期費用を節約したいときは、こういったキャンペーンを利用することもひとつの手です。
また、決済手数料だけでなく、月額料金や、売上金額の入金手数料が必要となるサービスもあります。決済代行会社を利用する場合は、そちらへ支払う手数料も必要です。キャッシュレス決済を継続して契約することで、どの程度のコストがかかるのかを調べておきましょう。
売り上げが手元に来るまで時間がかかる
お客様がキャッシュレス決済で支払った代金はすぐに現金化できません。キャッシュレス決済をした場合、お客様は店舗ではなく決済事業者に代金を支払うこととなります。決済事業者が手数料を差し引いた売り上げを店舗に振り込むことで、ようやく売り上げを確保できます。売り上げが振り込まれるまでの時間差が資金繰りの負担になるケースもあるため注意が必要です。
【参考記事】
導入するキャッシュレス決済手段の選び方
そこで、助成金や補助金を利用すれば、返済義務がありません。受給には審査が必要ですが、助成金や補助金を受け取ることができれば店舗の開業はよりスムーズに進みます。
利用者の多い決済手段やサービスを選ぶ
多くのお客様に利用してもらいたいのなら、利用ユーザーの多いキャッシュレス決済を選ぶことがおすすめです。広く使われていない決済手段を導入しても効果が出にくく、損をしてしまうこともあるでしょう。利用者の多い決済手段やサービスを導入すると、より多くのお客様に使ってもらえる可能性があります。新規顧客獲得にもつながるでしょう。
客層や単価を考慮して選ぶ
支払う額に応じて決済手段を変えるお客様もいます。料理の値段が安めの品が多い店の場合は、電子マネーやQRコード決済を選ぶことがおすすめです。上記の決済手段は、少額でも使いやすい気軽さが特徴とされています。
対して、客単価が高く、支払額が多くなりやすい店はクレジットカード決済を導入している傾向があります。クレジットカードは限度額が高く、分割払いに対応しているため、高額支払いに利用しやすいことが特徴です。支払金額が高くなる店ではクレジットカードを使い、ポイントを多く貯めたいと考えるお客様も多いようです。
飲食店の単価や客層により、適したキャッシュレス決済手段は異なります。自店舗の状況を考慮し、導入する決済サービスを選ぶと良いでしょう。
飲食店にキャッシュレス決済を導入するなら「ユビレジ」が便利！
キャッシュレス対応の飲食店は増加傾向にあります。メリットが大きいと感じたら、キャッシュレス化を推進することがおすすめです。
店舗にキャッシュレス決済を導入するなら、ぜひ「ユビレジ」も併せてご検討ください。ユビレジは操作が簡単で、多彩な機能を持つPOSレジシステムです。クレジットカード、電子マネー、QRコードなど、多数のキャッシュレス決済に対応しています。売り上げ情報をはじめとするデータはすべて一元管理でき、店舗運営の効率化にも活用できます。必要なものは、レジ本体となるiPadに加え、スキャナーや決済端末などの周辺機器です。レジの導入費用を抑えたい事業者様にも向いています。
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