飲食店の場合、忙しい時間帯とひまな時間帯の差が大きいことから、人件費を調整するために時給制のアルバイトを雇用するのが通例です。アルバイトとはいえお客さまとダイレクトに接する仕事のため、お店のイメージアップにつながるような人材が望まれます。
そこで、できる限り優秀なアルバイトを採用するために、面接官として押さえておきたいポイントを紹介します。
飲食店アルバイトに求めることとは
飲食店アルバイトへ求めることについて考えてみましょう。店内が混み合うときにテキパキと仕事をこなしてくれるアルバイトがいれば、お店にとってのメリットは測り知れないものがあります。そういう人材を獲得するためには、まず面接時に応募者をしっかり見極めることが大切です。飲食店におけるアルバイトの採用面接において重要なのは、どれだけ仕事ができるかを見るよりも、どんな人物かを見る"人物評価"です。
ベテランの面接官の場合、最初にチェックするのは「顔を上げているか」、「表情が明るいか」、「声がはきはきして聞き取りやすいか」といった基礎的な態度です。この3つがそろっている人には素直さや意欲が感じられ、即戦力にはなれなくても、仕事を覚えるのが早く、やがて力を発揮してくれる可能性能性十分と見ることができます。逆に、仕事ができそうに見えても「アルバイト慣れ」しすぎている人は好ましくありません。こういう人は、手抜きをしたり何か起こると人のせいにしたり、つまり無責任な行動をとることがあるからです。
まず第一印象で大まかな人物評価を行い、それから具体的な応答へと進めていきます。このとき大事なのは、第一印象が悪かったからと早々に面接を打ち切ったりしないで、最後まで礼を尽くすことです。自店に応募してくれたということは、自宅あるいは学校が通勤しやすい距離にあり、将来お客さまになってくれる可能性があるからです。あまりにも適当な扱いをすると、良くない風評を立てられることがあるので気をつけなければなりません。
飲食店アルバイトの履歴書はここに着目しよう
市販の履歴書には生年月日、姓名 学歴、職歴、免許・資格、得意学科、志望動機、家族構成などを書く欄があります。
アルバイトの場合は正社員の応募と違って、ある程度の不備は許容範囲と見ることもできますが、すべての欄に丁寧に記入されているものは、それだけで誠実さや責任感の強さがうかがえます。それに対し、姓名にふりがなをつけていない、写真を貼っていない、職歴を書くべきところが空白のままといった履歴書は、いかにもルーズでマナー知らずといった感じがします。職歴は、学生でまだ働いたことがないという場合でも、そのことを示すのが大事なのであって、職歴欄には「なし」または「ありません」と書くことが正しい記載方法です。志望動機や得意学科、趣味などを書く欄は、自分をアピールするところです。短い文章から物事に取り組む姿勢が伝わってくるものであれば、積極性や向上心の強さなどを推し測ることができます。
まずは、履歴書全体を読んでみて、疑問に思うところはメモをしておいて、面談のときに「これは具体的にどういうことですか?」と尋ねるといいでしょう。なかには履歴詐称ということもあり得るので、後々のトラブルを防ぐ意味でも疑問点は明らかにしておきましょう。
飲食店のアルバイト面接の進め方
面接に要する時間は、そのときの状況によりますが30分前後が適当です。あまり短すぎても適切な判断ができませんし、長すぎても集中力が欠けて大事な点を見落としてしまう恐れがあります。
では、飲食店のアルバイトの面接はどのように進めればよいか、その基本的な手順を説明します。
1 面接場所へ案内
自店で行う場合は、前もって座る席を決めておきます。応募者の席は面接官の真正面ではなく、できればL字型になる位置に座ることで、応募者に威圧感を与えず、話がしやすくなるものです。
2 挨拶と自己紹介
まず「このたびはご応募いただき、ありがとうございます。私、店長の〇〇です」とお礼を述べて自己紹介をします。名刺の用意があればこのとき差し出します。続いて、相手の緊張をほぐす意味で天気やニュース、スポーツなどの雑談を軽く交わします。
3 仕事内容の説明
気持ちが少しほぐれたところで、「それでは、当店の仕事内容を説明します」と、営業時間や具体的な仕事内容について説明し、それとともに店のコンセプトや経営理念について、あまり堅苦しくならないよう、それでいて共感を得られるようにしっかり伝えるようにしましょう。
4 給料や待遇面の説明
仕事内容のあとに「今回、○○さん(応募者)を採用させていただいた場合、時給は○○○円を予定しております」と提示し、交通費やその他の諸手当があればもらさず説明します。
5 応募者への質問(本題)
自店のシステムについての説明が終えたら、履歴書を見ながら本題の面接に移ります。ここでは、次の5点は必ず質問し、意思確認をすることがキーポイントです。
- 質問1.志望動機について
- 「なぜここを選んだのか」「何のために働くのか」「収入はどれくらい必要か」という質問をすることで、相手の仕事に対する本気度がわかります。
たとえば、志望動機が「学校から近いので」という単純そうなものでも、「学業とアルバイトを両立させるために、できるだけ近いところにしたくてこちらを選びました」ということであれば目的意識の高さがうかがえます。そのため、履歴書だけでなく表情や態度を見ながら話を傾聴することが大切です。 - 質問2.勤務日について
- 週何回、何時間働けるか、勤務日以外に急な出勤をお願いしたいときに対応してもらえるかを聞いておきます。「大事な予定がない限り出勤するようにします」という人は協調性があると判断できますが、「無理です」と拒否する人は、正当な権利とはいえ、自己中心的な性格と思わざるを得ません。
- 質問3.前職を辞めた理由(アルバイト経験者の場合)
- 辞めた理由を正直に話すとは限りませんが、人間関係のトラブルが原因だったことが察せられる人は、コミュニケーション能力が弱い傾向があります。飲食店はとくにコミュニケーションが大切になるため、コミュニケーションが得意でない方を採用しても長続きする確率は低いでしょう。
- 質問4.周囲の理解を得ているか
- 主婦の場合は子どもが急病になったりしたときに世話をしてくれる人がいるのか、会社勤めをしている人はアルバイトが就業規則に反しないかどうか確認しておきます。
- 質問5.趣味や特技について
- どんなことをしているときが楽しいか、喜びを感じるかといったことを知っておくと、採用後の指導・管理に生かすことができます。
6 応募者からの質問
以上のことを確認できたら、「それでは、〇〇さんのほうから何かお聞きになりたいことはありませんか?」と逆に質問を促します。仕事の厳しい面などを聞かれた場合、言いにくくても隠さずに話しておきましょう。
7 今後の予定と挨拶
質問がなくなれば面接は終了です。その時点で合否が決定していたとしても即答は避け、「今回は10名近い方からご応募いただいておりますので、面接の結果は明日ご連絡いたします」のように伝えます。そうすることで合格した人は「10人の中から選ばれた」と自信がつき、それが仕事のモチベーションを高めるきっかけにもなります。
一方の不合格だった人も、「応募者が多かったのだからしかたがない」と早く割り切ることができるでしょう。すべて終了したら「では、追ってご連絡いたしますので、よろしくお願いします」と挨拶をして、出入り口まで見送ります。
これでだいたい20~30分ですが、仕事の説明が込み入ったりすると1時間以上かかる場合があります。そのへんは応募者の様子を見ながら、あまり負担をかけないよう臨機応変に対応することが望まれます。
まとめ
面接の場では、こちらが採点するだけでなく応募者も同じように採点しています。面接官の段取りが悪くて長い時間待たせたり落ち着きのない雰囲気では、採用の通知をしても逆に辞退されかねません。
数ある募集広告の中から当店を選んでくれた応募者に失礼のないよう、これまで説明したポイントを念頭に置き、気持ちに余裕をもって面接に臨むようにしましょう。
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