大規模なスポーツイベント、例えばワールドカップやオリンピックなど、大型のスクリーンで放映している店舗を見かけます。
イベント放映はスポーツバーなど飲食店にとって集客の糸口になるため、合わせてドリンクやフードの売れ行きも上がりやすくなります。
しかし、実は集客の糸口として放映しているものに著作権がある場合、著作権の侵害として訴えられてしまうことがあります。
また、店舗の雰囲気に合うような映画のDVDを流すことも場合によっては著作権を侵害している可能性があります。
今回は、店舗で流す映像と著作権の関係、そして注意点について見ていきましょう。
著作権侵害とは
著作権侵害という言葉は聞くけれど、あまり身近に感じることは少ないかもしれません。
著作権侵害というのは、著作権に該当している映画や音楽、写真などの著作物を、許可を取らずに無断で使用したり複製したときに罰せられる法律です。
この著作権に関係するものとして、著作者、著作物があります。
著作者とは、写真や音楽、映像、小説などを通して自分の気持ちや考えを表す作品を作り上げた人のことです。
著作物というのは、著作者が作り上げた作品全般のことを指します。
そして、法律によって著作者が作り上げた作品に対して与えられる権利のことを著作権と言います。
この著作権侵害は立派な犯罪となり、罰則は重くなります。
もし自分の作品を何の許可もなく使用された場合、著作者は告訴することで著作権侵害をした者を罰することができます。
著作権侵害にはそれぞれ違いがあり、著作権や出版権の侵害は10年以下の懲役または1000万円以下の罰金が科せられます。
著作者人格権、実演家人格権の侵害については5年以下の懲役または500万円以下の罰金が科せられ、法人などか著作権を侵害した場合は3億円以下の罰金となります。
懲役や罰金については非常に重く、それだけ著作権というのは法律で強く守られていることがわかります。
著作権侵害になるかも?店舗で流す映像の注意点
何気なく店舗で上映している映画や音楽など、お店の特色に合わせてお客様が退屈しないようおこなっていることがほとんどです。
しかし、何気なく上映していてもいつの間にか著作権を侵害しているケースは少なくありません。
ここでは、著作権侵害になってしまうかもしれない店舗で流す映像の注意点について見ていきましょう。
映画や音楽のDVDを上映する
雰囲気づくりやお客様が手持無沙汰にならないよう、何気なく映画や音楽のDVDを流すのは良くあることでしょう。
しかし、実は映画や音楽のDVDを購入してそのまま店舗で流してしまうのは、上映権の侵害となってしまいます。
DVDを購入しているのでどこで流そうと問題ないと思いがちですが、購入した方が得たものはあくまで著作権ではなく、それを個人的に観る権利を得ています。
個人的に観る権利ですので、それを不特定多数の多くの人が出入りする場所で上映することは禁止事項となっており、最悪は罰則が科せられてしまいます。
どうしてもDVDでの映画や音楽を流したい場合は「業務用DVD」の利用を考えましょう。業務用DVDというのは上映したい映画や音楽の著作権を持つ会社の許諾を得ているもので、店舗などで問題なく流すことができます。
パブリックビューイングをおこなう
サッカーワールドカップなどで日本代表が出場する試合のとき、店内にて大型スクリーンで試合を放映しているスポーツバーやレストランがあり、大きく宣伝している時があります。
このような行為はパブリックビューイングと呼ばれ、元々はどこか別の会場でおこなわれているスポーツの試合を特設会場などで大型スクリーンを介し鑑賞する行為を指します。
店内にて大型スクリーンを使い試合を放映している場合、著作権に引っかかる可能性があり場合によっては罰則を受けてしまうケースもあります。
この場合の問題点としては大型スクリーンを使って試合を放映したことです。これが家庭用のテレビで試合を放映し、なおかつ観戦するにあたり観戦料を徴収していないのであれば問題ありません。
スポーツバーやレストランなどの飲食店はお金が動くため、観戦料は徴収していないにせよ、そのような目で見られてしまい罰則の標的になる可能性は拭えません。
もし店舗にてパブリックビューイングをおこないたい場合、確実なのは放映権を所有している会社になりますので、窓口へ問合せしてみることが大切です。
テレビ放送を上映する
居酒屋やカフェバーなどに多いのですが、テレビの放送を家庭用のテレビで上映しているお店があります。
テレビ放送はお一人の来店であったりちょっとした気分の切り替えに見ることがあり、退屈感を感じないものです。
録画ではなくリアルタイムでのテレビ放送上映の場合、こちらは著作権の侵害にならないため問題なく上映することができます。
問題なく上映できるポイントとしては、家庭用のテレビを使っていること、そして観戦料などを徴収していないことです。
パブリックビューイングなど大型のスクリーン使用であれば著作権に引っかかる可能性がありますが、家庭用テレビであればその問題はクリアできます。
また、家庭用テレビでテレビ放送が問題ないと言っても、それはリアルタイム放送の上映のみです。
DVDやハードディスクなどに録画しておき、それを放映するのはリアルタイム放送ではなくなるため、著作権の侵害に該当するかもしれません。
上記のポイントを踏まえ、著作権に引っかからないよう上手に放映していきましょう。
申請方法やライセンス料などの例(ワールドカップとオリンピック)
ワールドカップやオリンピックなど、世界規模の祭典では全世界が熱狂し国民が一体となり、それに伴い視聴率も跳ね上がります。
そんなワールドカップやオリンピックをパブリックビューイングなどで放映したい場合、どのような申請が必要になり、またライセンス料などはどのくらいなのでしょうか。
ここでは放映するにあたっての申請方法やライセンス料などについて見ていきましょう。
まず、パブリックビューイングなどで放映する資格を取得するには所定の実施申請書を記入し、事務局へ提出します。また、そのうえでNHKの放送を使用するのであれば「放送同時公開申込書」という書類をNHKに提出します。
申請書を提出した数日後に事務局よりライセンス料についての請求書が発行されますので、記載されている金額を支払います。
パブリックビューイングなど大型のスクリーンにて上映する場合には営利、非営利問わずライセンス料の支払いが発生しますので、しっかりと把握しておくことが大切です。
また、大会終了後には実施報告書の提出も必要になりますので、こちらもしっかり把握しておく必要があります。
大型スクリーンやプロジェクターではなく家庭用テレビでパブリックビューイングをおこなう際も、場合によって申請が必要になりライセンス料が発生します。
非営利や無償でおこなう場合にはパブリックビューイングには該当しませんので問題ありません。
しかし、営利目的や有償の場合には申請が必要になります。
申請書を提出した後に一旦書類審査があり、審査を通過するとライセンス料の請求書が発行されますので支払いをおこないます。
こちらも大会終了後には実施報告書の提出がありますので、把握しておくようにしましょう。
気になるライセンス料ですが、こちらは会場の収容人数によって変わります。
500人以下の収容人数であれば20万円となっていますが、2万人以上の収容人数であれば365万円となっています。
また、もし映画館のように複数のスクリーンがあるような会場の場合は後日金額が決まるようです。
開催する目的によって手続きやライセンス料が必要となります。
知らなかったでは済まされませんので、事前にしっかりと確認するようにしましょう。
まとめ
店舗にマッチする音楽や映像は雰囲気を盛り上げたり、お客様のちょっとした気分転換になります。
しかし、音楽や映像などの様々なコンテンツは著作権で保護されており、知らずにうっかり放映してしまうと著作権の侵害として罰則が発生します。
今後開催されるワールドカップやオリンピックなど、パブリックビューイングをしっかりと理解したうえで集客に活かしていきましょう。
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