お客様に提供した料理や飲み物の中に、髪の毛や虫などが混入してしまう異物混入は、飲食店が抱えるリスクのひとつです。飲食店が異物をわざと料理に入れることはまずありませんし、万が一異物が混入していても、その異物がお客様の髪の毛やホコリだという可能性もゼロではありません。しかし、異物混入は生産者に責任を問われることが多いため、頭を抱えている飲食店の方も多いのではないでしょうか。
異物混入を完全に防ぐことは難しいですが、日頃から対策を徹底することで、異物混入は極限まで減らすことが可能です。そこで今回は、異物混入を起こしてしまったときの対処法と、普段からできる対策についてご紹介いたします。この記事を参考に、ぜひともスタッフ間で異物混入に関する知識を共有してみてください。
異物混入とは
レストランで食事をする際に頼んだ料理やテイクアウトした料理の中に、「食べられない物」、または「明らかに違う食品が混じっている」ことを異物混入といいます。
後者の事例として、真っ白な食パンにくるみがひとかけ入っていたという場合は、アレルギーを除けば大きな問題にはならないでしょう。しかし、前者のような「食べられない物」が入っている場合は、お客様も嫌な気持ちになったり怒りを覚えたり、問題に発展するケースが多いとされます。
「食べられない物」が混入する異物混入には、以下のような例が挙げられます。
- 虫
- 髪の毛
- 衣服の繊維
- プラスチック片
- ガラス片
- 破損した金属類
これらが代表的な異物混入の例です。異物混入は飲食店だけでなく、学校給食を作る給食センターや工場の食品加工現場、そしてスーパーの惣菜を作る場所に至るまで、様々な現場で起こりうることです。生産者側がどんなに注意して対策を行っていても、100%完全に異物混入を防ぐことは難しいのが現実です。
特に飲食店では、料理が運ばれてきた後に舞い上がったほこりが入ったり、お客様から落ちた髪の毛や衣服の繊維が入ったりすることもあります。また、パッケージを開けた際に生まれる破片や調理ムラなどから生じる焦げでも、お客様からみれば異物が入っているということになってしまうのです。
詳しく調べることで、異物混入はお客様が原因であったということが分かる場合もあります。しかし、詳しく調べるには時間的コストが多くかかるうえ、対応に時間がかかることでお客様からの信頼を失いかねません。そのため、異物混入が起こった場合には、すばやく誠実に対応することが求められるのです。
異物混入の原因
レストランで異物混入が起こる原因には、以下のようなものが挙げられます。
- スタッフの髪の毛、制服
- 作業場の備品
- 作業道具の素材、使い方
- 仕入れのダンボールやコンテナ
- ドアが開けっ放し
- 排水溝や設備の掃除が不十分
異物が混入してしまう原因を理解し、異物がなんとか料理に混入しないよう対策を行っている飲食店は多いでしょう。しかし、異物混入は生産時と消費時、どちらの時点において混入するかが分かりづらいという特徴があります。そのため、異物が消費時に混入したとしても、いつ混入したかの根拠がないため、生産者は異物混入に対して謝らないといけません。そのような現実を受け止めながらも、生産者ができる対策をしっかり行うことが大切です。
飲食店できる異物混入対策とは
多くの飲食店ですでに行われている対策になるかもしれませんが、毛髪の混入を防ぐためにも、頭には帽子をかぶり髪の毛が入らないようにしましょう。また、私服での調理は絶対に行わないよう徹底することで、調理場への異物持ち込みを防ぎましょう。制服に問題があれば、すぐに修繕できる環境を整えておきましょう。また、調理場には調理に必要のない余計なものは持ち込まないようにし、調理中に食材や調理器具以外のものに触れてしまう事態を極力さけるようにしましょう。
ホールスタッフも同様に、髪型・制服の着方など、身だしなみに気を配りましょう。
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次に、異物となる原因をしっかり掃除するようにしましょう。排水溝や照明、設備機器の裏側などの掃除をこまめに行うことで、害虫の侵入と繁殖を防ぎます。テーブルの掃除もしっかり行うことで、ホコリなどの混入を防ぐことができるでしょう。
異物混入対策を行うと、仕事中に不便を感じることがあるかもしれません。しかし、異物混入でお客様の信頼を失わないためにも、スタッフ一人ひとりが異物混入に対する理解を深め、徹底した対策を行うことが大切なのです。
異物混入があった場合の対応
お店で出した料理に、髪の毛やプラスチック片などの食べられないものが入ってしまった場合は、すぐにお客様に謝罪するようにしましょう。この時、対応したスタッフだけではなく、店舗責任者などからも改めて謝罪することが大切です。
お客様への謝罪を済ませたら、すぐに新しいものをつくり直しましょう。キッチンには異物混入があったことを伝え、料理の調理には細心の注意を払うようにします。お客様が食欲をなくしてしまった場合には、ドリンクのサービスや料理の代金を差し引くなどして対処するようにします。
お客様の異物混入に対する捉え方には、怒ってこちらの意見を聞き入れず帰ってしまう人と、仕方のないことだと理解を示す人の2通りがあります。前者の場合はとにかく謝罪をし、料理の代金を引くなどの対応で納得してもらうようにしましょう。しかし、中には「食事代は一切払わない」と主張してくる場合もあるでしょう。その際は、悪い評判を広められるリスクがないかを見極め、慎重に対処しましょう。
後者の場合ですと、料理を作り直すことで理解してもらえるケースがほとんどです。しかし、デザートや食後のドリンクをサービスするなど、謝罪の気持ちを形としてあらわすことで、お客様から評価されるでしょう。どちらのパターンであっても、大切なことはお客様を責めたり開き直ったりしてはいけません。異物混入を完全に防ぐことは不可能ですが、あらかじめ異物混入対策を講じたり、異物混入が起こったときに誠実に対応することはできます。
いずれにせよ、お店の責任者が異物混入に対する対応方法を判断することをおすすめします。
また、クレームとは言わないまでも、そのような場面の接客方法については下記を参考にしてみてください。
飲食店のクレーム対応とは?正しい言葉遣いと応対を覚えよう!
まとめ
いかがでしょうか?
異物混入は、食品の生産現場では絶対に避けられない問題です。人が生きている以上、異物混入を完ぺきに防ぐことは難しいですが、日々の対策を徹底することで、異物混入の確率を最小限に抑えることは可能です。万が一異物混入を起こしてしまったときは、お客様に心から謝罪をし、両者が納得できる方法で対処するということを心がけましょう。
小さな飲食店が、大きな工場のような衛生管理や異物混入対策を行うのは大変でしょう。しかし、スタッフ間で「髪の毛が出ているよ」などと声をかけ合ったりなど、小さなことからできる異物混入対策もあります。異物混入の防止は、異物混入に対する危機感や現状をスタッフに共有するところから始まるのです。
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