ハローワーク求人を使って費用をかけずに採用できる!?

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人事イメージ

アルバイトを雇うのに1人あたり安くて10万円のコストがかかるといわれます。求人広告費をはじめ面接や研修にかかる費用、交通費も含めた額を採用人数で割った平均額ですが、5人採用すれば50万円もかかります。しかも、人手不足が深刻な飲食業界では、優秀な人材を確保するための競争が激しくなり、採用コストが年々高まっています。そこでハローワークを活用する手があるのです。

今回は、ハローワークを活用して、コストをかけずに採用率を上げる募集のしかたについて見ていきましょう。

ハローワーク求人の手続きのしかた

ハローワークに求人を出す人

ハローワークは、厚生労働省が設置する公共職業安定所のことです。国民に安定した雇用機会を確保することを目的としており、求職者から手続きの費用や紹介料を徴収することは禁じられています。

民間の人材紹介所や求人情報誌、Webサイトは、広告の掲載期間などによって料金が設定されていて、採用に至らなかった場合でも料金がかかります(次項で詳述)。

採用しても長続きしない場合は再度募集することになり、有料の場合は採用コストがふくらんでしまいます。それを避けるためにもハローワークの活用をおすすめします。ハローワークは都道府県ごとに数か所ずつ設置されている身近な機関です。利用するときは、事業所(店舗)のある地域のハローワークで次のような手続きを行います。

1.事業所登録をする

事業所登録シートの表面に「事業所名」「所在地」「社会保険制度の利用状況」などを記入し、裏面に「事業内容」と「会社の特長」を記入して提出します。事業内容は、業種や店舗数、顧客層、事業展開の状況などを90字以内で、会社の特長は経営方針、地域に貢献する活動などを同じく90字以内で記入します。登録シートは初回のみで、その後は変更がない限り提出する必要はありません。登録がすむと「事業所確認票」が渡されます。

2.求人申込書を提出する

求人申込書には、仕事の内容、雇用形態(正社員かアルバイトかなど)、賃金形態などを記入して提出します。この申込書に記入した事柄が求人広告に載る募集条件になりますから、できるだけ詳細に、わかりやすく書く必要があります。

3.求人情報の公開

提出した申込書は、ハローワーク内に設置されたタッチパネル式の検索端末機で公開されます。希望すれば「ハローワークインターネットサービス」を利用することができます。また、公開のしかたには3通りあります。

  1. 申込書に記載した情報をすべて公開する方法。
  2. 求職者登録をして、検索するときに求職者番号を入力した人だけがすべての情報を閲覧できるようにする方法。
  3. 求職者がハローワークに直接出向かないとその求人広告の存在すらわからないようにする方法。

2や3のように閲覧する人を制限するのは、「応募者が多くて人事担当者がさばききれないから」とか、「経験者と明記しているのに未経験で応募してくる人が多いから」、「求人広告をきっかけに人材派遣会社からの売り込みが激しくなって面倒だから」など理由はさまざまですが、社名や住所、連絡先を表示せずに広告を出す事業主は意外と少なくありません。

4.面接~合否の決定

応募者が決まればハローワークから事業主に電話連絡を取り、面接の日時を調整したうえで応募者に紹介状を渡します。紹介状は助成金などを受給する際にも必要な書類ですから、面接当日に応募者から受け取るようにします。

面接では、募集条件と応募者の希望が合致するかを見極め、合否を決定します。

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5.本人とハローワークへ通知

できるだけ早めに応募者に合否の結果を通知します。ハローワークには、紹介状裏面の選考結果通知に記載してFAXします。なお、求人広告の有効期限は、申し込みの翌々月の末日までとされています。たとえば、9月10日に申し込んだ場合は11月30日までとなります。

ハローワーク以外の求人媒体は?

求人イメージ

人材を募集する方法には、ハローワークのほかにweb媒体と紙媒体があります。ハローワークとの大きな違いは、「掲載料が有料」「求職者が自分で直接応募する」の2点です。それ以外にもいくつかの違いがあります。それぞれの特徴を比較してみましょう。

Web媒体

インターネットが日常的に使われるようになった現代は、webサイトで求人広告を閲覧する求職者が圧倒的に多くなっています。募集する側も、印刷などの手間がかからないのでスピーディーに掲載できますし、いつでもどこででも閲覧してもらえるので、広範囲にアピールできる点がメリットです。

料金は掲載期間と原稿サイズによって異なり、アルバイト募集の場合は1週間で2万円前後が相場とされています。正社員や専門職の募集に特化しているサイトでは、初期費用は無料で、雇用が確定した時点で報酬が発生する「成功報酬型」を取り入れているところもあります。

最近は、無料型をうたうサイトのIndeed(インディード)も登場していますが、これは求人サイトではなく、求人広告に特化した検索エンジンで、Yahoo!やGoogleと同様に、上位の目立つ位置に表示する求人広告は「スポンサー広告」といって有料です。それ以外は無料で掲載できます。

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紙媒体

求人情報誌、フリーペーパー、チラシが紙媒体の主なものです。求人情報誌を発行している会社は現在39社にも及んでいます(公益社団法人 全国求人情報協会HPより)。

求人情報誌

求人広告だけでなくエンターテイメント情報なども盛り込まれている有料情報誌で、求人に関する情報量の多さがメリットです。掲載料金は媒体によって異なり、数万円~数百万円と幅があります。

フリーペーパー

駅やコンビニなどに置かれている無料の求人情報誌で、学生や若い世代を募集したいときに適しています。掲載料金は、最小枠で2万円前後、1ページ全体で40万円前後と比較的割高です。また、地域によっても異なり、都市部ほど高くなります。

ポスティング、チラシ

郵便受けに投入するポスティングは、近隣の住民にアピールしやすいことや、費用が印刷代とデザイン料程度で比較的安価な点がメリットです。子育てを終えた主婦層をパートで雇用したいといった場合に有効です。新聞の折込みチラシも同様の効果がありますが、新聞を定期購読していない家庭には届けることができません。料金は、部数や原稿サイズによって異なり、15万~60万円程度が相場とされています。

ハローワーク求人を使うメリット

ハローワークのメリットを見て喜ぶカフェ店長

厚生労働省では、雇用に関する助成金制度を設けています。申請してすぐ支給されるものではありませんので、開業資金にあてることはできませんが、要件を満たせば1年後くらいに受給することが可能です。飲食店が活用できる助成金には次のようなものがあります。

  • キャリアアップ助成金
    アルバイトで採用し、一定期間を経過したあと正社員に転換すると支給されるもの。
  • 特定求職者雇用開発助成金
    高齢者(60歳以上65歳未満)や、発達障害者、母子家庭の母を1週間に20時間以上30時間未満、1年雇用した場合などに支給されるものです。

キャリアアップ助成金が飲食店におすすめな理由とは?

障害者雇用で飲食店の仕事を。接客やキッチン業務をお願いしてみよう

そのほかにもいくつかの助成金制度があります。いずれも、ハローワークを通して人材を採用した場合に限られます。また、社会保険に加入していることが受給要件ですが、個人経営の飲食店の場合は社会保険の加入は義務ではなく任意のため、雇用保険にさえ加入していれば受給対象となります。このような制度は、ほかの求人媒体には設けられていませんので、スタッフの定着率を高めるためにもハローワークを上手に活用したいものです。

まとめ

ハローワークをおすすめする女性

いかがでしょうか?

求人広告を出しても採用に結びつかなかった場合は、初めから見直してみる必要があります。求職者が選択基準とするのは、時給や労働時間などの待遇面より、経営理念やコンセプトといった企業イメージを重視するといいます。どのように書けばいいか迷うときは、ハローワークでもほかの媒体でも経験豊富なスタッフがアドバイスしてくれますから一度相談してみるといいでしょう。

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