
飲食店にとって、四季の違いを考慮してメニューを選ぶことは、馴染みのお客様を「飽きさせない」ために配慮するべき必須項目です。また、四季の区別がはっきりしている日本では、古来より体の健康を考え、「季節の旬の食材は必ず食すべし」という習わしがあります。特に春は、一般的に人気の食材が数多く旬の季節を迎えるため、旬の春食材をうまく使えば、客単価アップを狙える機会となります。
そこで今回は、春食材の中の「春野菜」に注目し、春野菜をお店でうまく活用できる方法を検証してみましょう。
春野菜はなにがある?
「春の野菜」と聞いて、いくつ野菜を思い浮かべることができますか。今の世の中は便利になりましたので、オールシーズンあらゆる野菜を調達することが可能です。そのため、野菜に対して季節感を意識しない事も多いのですが、実はかなり馴染み深い野菜も春に旬を迎えるのです。
春野菜の代表例を以下に挙げてみました。
春キャベツ
特徴:寒玉といわれている一般的なキャベツよりも小ぶりで丸く、葉の枚数も少ないです。葉と葉の間隔があいているため、手に取ったときにふかふかした感じがします。葉一枚一枚に多くの水分を含んでいます。柔らかく、食べたときに一般のキャベツ特有の苦味がないため、生食として食すのに適していて、食べやすいと感じる方も多いです。色は鮮やかな淡い黄緑色です。
名前 |
春キャベツ |
収穫時期 |
3月~6月 |
菜の花
特徴:菜の花はやわらかい蕾と、茎、葉の全てを食べることができる花野菜です。栄養価が高く、食物繊維も多いため、旬の時期には必ず食べたい野菜のひとつです。ビタミンC、ビタミンK、葉酸カリウムや鉄、マグネシウムなどのミネラル、βカロテンなど健康維持に欠かせない栄養素がとても高い野菜です。代表的な食べ方として菜の花のおひたしや和え物、てんぷらなどがあります。
名前 |
ナバナ(アブラナ科) |
収穫時期 |
2月~3月 |
アスパラガス
特徴:アスパラガスは疲労回復作用があるといわれています。またアミノ酸のひとつのアスパラギン酸が新陳代謝を促し、疲労回復や美肌効果、利用作用があるといわれています。ビタミンBや毛細血管を丈夫にするといわれているルチンも含まれています。食べ方は茹でてドレッシングをかけたり、肉料理やパスタなどと一緒に調理することもあります。
名前 |
アスパラガス |
収穫時期 |
3月~6月 |
そら豆
特徴:「おいしいのは三日だけ」という言葉があるように、そら豆の鮮度が良い期間はとても短いです。カリウムやミネラルが豊富で美容効果があるともいわれています。食物繊維も多く、便秘予防に効果があったり、ビタミンB1,B2,ビタミンC、亜鉛も豊富に含まれていて、疲労回復、抗がん作用があるといわれています。皮ごと焼いて食べたり、そら豆ごはんにして食べることもいいですね。
名前 |
そら豆 |
収穫時期 |
4月~6月 |
さやえんどう
特徴:さやえんどうはえんどう豆のさやが膨らむ前の、実が柔らかいうちに出荷します。さやえんどうには非常に多くのβ-カロテンが含まれています。抗酸化作用があり、アンチエイジングや免疫力を高める効果があります。食物繊維やビタミンCも含まれているので、美肌効果や疲労仮服にも役立ちます。さっと湯がいたり、バターで炒めて食べるなど手軽に調理できるのも人気のひとつでしょう。
名前 |
えんどう豆 |
収穫時期 |
3月~6月 |
さやいんげん
特徴:歯ごたえのある緑の野菜、さやいんげん。さやいんげんにはアスパラガスと同じ、アミノ酸のアスパラギン酸が含まれていて、高血圧予防になります。またビタミンB1、B2にはスタミナアップ、疲労回復効果があります。さらにさやいんげんに含まれるβ-カロテンは、免疫力を高め風邪やがんの予防に効果があるといわれています。基本的に茹でて食べることが多いです。
名前 |
さやいんげん |
収穫時期 |
3月~9月 |
タケノコ
特徴:タケノコは、食物繊維が多くまたカリウムも多く含んでおり、ナトリウムの排出を促す作用があります。便秘やむくみの解消、高血圧の予防に効果があります。さらにカロリーが少なく、血糖値の上昇予防やコレステロールの排出を促す働きがあるといわれています。タケノコを食べる前にはアク抜きを必ず行うようにしましょう。
名前 |
タケノコ |
収穫時期 |
3月~9月 |
新じゃがいも
特徴:新じゃがはふつうのじゃがいもよりも水分が多く、皮が薄いのが特徴です。そのため皮のまま食べることが可能です。ビタミンCが豊富で、疲労回復や美容にも良いといわれています。また新じゃがはねっとりとした食感があるため、皮ごと揚げてフライドポテトにしたり、蒸かしてバターをのせて食べるというシンプルな食べ方も人気があります。
名前 |
新じゃが |
収穫時期 |
3月~7月ごろ |
新たまねぎ
特徴:普通のたまねぎよりも皮が薄く、みずみずしいのが特徴です。また独特の甘みがあり、苦み、辛みが少ないため生で食べられるのも新たまねぎの特徴といえるでしょう。新たまねぎには含硫アミノ酸という成分が含まれていて、血液をさらさらにする効果があるので、肥満や糖尿病の予防になります。注意点として普通のたまねぎよりも水分が多い分、日持ちしません。また水にさらすと栄養素がなくなってしまうため、サラダやソテーで食べるようにしましょう。
名前 |
新たまねぎ |
収穫時期 |
3月~5月ごろ |
ニラ
特徴:出荷が始まったころのニラは柔らかく、香りが強いのが特徴です。ニラにはβカロテンやビタミンA、ビタミンC、カルシウム、リン、鉄などが含まれています。またニラ特有の香り成分であるアリシンは、ビタミンB1と結合することで吸収を高め、代謝機能、免疫機能を向上させ、疲労回復効果もあります。
名前 |
ニラ |
収穫時期 |
5月~9月ごろ |
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春野菜の特徴

春野菜には、具体的にどのような特徴があるのでしょうか?
健康に良い成分を含む物が多い
春野菜の代表的な特徴は、「苦み」「香り」「辛味」が挙げられます。たとえば、「苦み」には溜まった老廃物を外へ排出し、代謝を促進する効果が期待できます。「辛味」には解毒作用、免疫増強作用、血行促進作用があります。「香り」には、精油効果によるリラクゼーションや、同じく免疫力UPなどの効果があります。3種類いずれの要素にしても、体に良質な効果がふんだんに盛り込まれています。冬の間は寒いため、人間の体は縮こまり、代謝も落ちています。代謝の落ちた体にとって春野菜を摂取することは、春からの体調改善に絶妙な効果をもたらします。そのため、春野菜は四季の野菜の中で最も健康に良い成分を含んでいるといえるでしょう。
彩りが綺麗な野菜が多い
料理は見た目も肝心と言います。ましてや料理を提供することでお客様から対価を頂く飲食店にとっては、料理の「彩り」「盛り付け」に趣向を凝らすことは必須といえます。その分、さやえんどう、そら豆、菜の花などの春野菜には彩りの濃い食材が多いため、見た目の華やかさを演出しやすい食材と言えるでしょう。
春野菜を使うメリット
上記に挙げた野菜の中には、オールシーズン手に入るものも多くあります。では、わざわざ「春野菜」としてお客様に提供する意義はあるのでしょうか?
ヘルシー嗜好の女性客受けを狙える
周知の通り、人気の飲食店に共通していることは、「女性客の囲いこみ」に成功しているお店です。美容と健康のことを日頃から意識している女性は、外食にも「ヘルシーさ」を求める傾向にあります。特に旬の野菜を使った料理は、女性客のヘルシー嗜好に応えるメニューとして最適なのです。
盛り付けでSNSからの集客を狙う
春野菜には彩りの濃い物が多いため、料理の盛り付けが他の季節以上に華やかにしやすい特性があります。当然のことながら、料理の盛り付けを綺麗にすることは、お店に来店してくれたお客様に対して、視覚的な満足度を感じてもらうことに繋がります。また、昨今はスマートフォンの発達によって、お店の宣伝プロモーションにFacebook、インスタグラムなどのSNSが欠かせないものとなっています。
そのため、「インスタ映え」という言葉が流行しているように、彩り、見た目の綺麗なものをインスタグラムにアップする人が増えている傾向にあります。SNSは、お客様の来店動機を作る、集客に効果的なツールなのです。
春野菜を使ったメニューを紹介
春野菜を使った人気メニューをいくつかご紹介します。以下のメニューを参考に、ぜひとも春にぴったりのメニュー作りをおこないましょう。
春野菜の天ぷら
春野菜料理の定番である「春野菜の天ぷら」は、居酒屋や家庭料理を提供している飲食店で人気のメニューです。菜の花をはじめとした、主に「苦み」を活かした食材がぴったり合います。苦み成分の苦手なお客様でも、天ぷらにすることで美味しく召し上がって頂けるでしょう。また、ビールやお酒との相性も絶妙な定番メニューです。
- 使用する春野菜:菜の花、セリ、うど
白魚と春野菜のピザ
何種類もの春野菜をふんだんに使った贅沢なピザは、旬の魚介類の白魚とも相性抜群です。ピザは老若男女問わず人気のメニューのため、カフェ、バー、レストランはもちろん、居酒屋に至るまで幅広いお店で活用できます。
- 使用する春野菜:タケノコ、そら豆、菜の花、さやえんどう、ヤングコーン
ジェノベーゼ風ポテトサラダ
ポテトサラダは、飲食店で幅広い客層から人気のメニューです。人気のポテトサラダに春野菜を使うことで、定番+変わり種のアレンジメニューとして、オーダー数アップが見込めるでしょう。また、ポテトサラダは作り置き保存ができますので、早めの提供がしやすいことも、お店にとってはありがたい点です。
- 使用する春野菜:新じゃが、さやいんげん
サラダチキンと春野菜のサラダ
最近手軽にサラダチキンを入手できます。カロリーも低く、女性に人気なサラダチキンと春野菜を一緒に取り入れることでよりバランスよく健康的なメニューにできます。
- 使用する春野菜:さやいんげん、菜の花
そら豆のビシソワーズ
春ならではの味わいを楽しむことができます。新鮮なそら豆を使用することで、高い栄養価をそのまま取り入れることができます。
- 使用する春野菜:新じゃが、そら豆
まとめ
いかがでしょうか?
春野菜は種類も多く彩りも良いので、春野菜を使ったメニューを考案するだけでワクワクしてしまいますよね。季節感のアピールができ、健康にも良いので、店舗にもお客様にもWin-Winの存在と言えるのではないでしょうか。お店の特性を生かした独自の春野菜メニューを、ぜひ考案してみてください。
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