飲食店の経営者や店長の方は、集客をどのように増やせばよいのかについて、日々頭を悩ませている場合が多いのではないでしょうか。かつて効果のあった折込チラシなども、新聞の購読率の低下や読者の高齢化によって投資効率が極端に落ちてきているため、仮に実施しても経費割れしてしまう可能性が高くなってしまいました。そのような中、広告メディアとして伸び続けているのがインターネットです。そして、インターネットはスマホの発売以降、高齢者にもユーザーが広がって、基本的に飲食店情報を含むあらゆる情報はネットからという時代になりました。
そのような時代において、競合に負けないように集客を行い、店舗を安定成長させていくためには、やはりネットの活用は外せません。特に、飲食店をユーザーに紹介し予約の誘導を図るグルメサイトは、飲食店の販売促進において必須のツールと言えます。
そこでここでは、グルメサイトの中でも大手である「ぐるなび」について徹底検証し、活用方法を探ります。
ぐるなびとは?
現在の日本では、ぐるなび、ホットペッパーグルメ、食べログ、Rettyと4つのグルメサイトが覇権を争っていますが、ぐるなびはその中で最も早い、2000年2月にサービスを開始した老舗のサービスです。食べログなどのグルメサイトは、スタート時は無料で飲食店を掲載し、口コミを載せる情報サイトの性格が強かったのですが、ぐるなびはサービス当初から、飲食店の経営者から広告として出稿してもらい、飲食店情報をぐるなびサイトに掲載するという方式を採用しており、それは今も継続しています。
一方、ユーザー側にとってのぐるなびの現在の位置づけは、「ネット上の無料で使えるクーポンの掲載された飲食店情報誌」です。つまり、ほかのサイトで口コミなどを確認して目指す飲食店を決め、ぐるなびで詳しい料理内容やコース、あるいは割引を確認し、ぐるなびからネット予約をして同時にクーポン利用するという、情報誌のような使い方をしているのです。
こうした状況を踏まえると、飲食店側としては、ぐるなびの提案する販売促進や季節キャンペーンを利用しながら、ぐるなびの中で店舗を目立たせ、予約につなげるという努力を常に行う必要がある広告媒体と言えるでしょう。
ぐるなびの基本情報と特徴は?
ここではさらに踏み込んで、数字的な面も含めてぐるなびの特徴についてご紹介いたします。グルメサイトとしてのぐるなびの基本情報は以下の通りです。
基本情報
- 登録店舗数:約14万件 ※うち有料店舗約6万店
- 利用者数:5200万人/月 ※登録ユーザー数200万人
- 主なユーザーの属性:40代男性
- 店舗の登録費用:無料プラン1種類と有料プランの2種類
- 主な販促機能:クーポン発行機能、予約機能、季節やイベントごとの特集ページ
ぐるなびの特徴
ぐるなびの特徴として、以下のことが挙げられます。
- 1点目は、4つのグルメサイトの中では最も歴史が古いこともあり、ユーザーへの浸透度が高い点です。ただし、古い媒体のイメージがついてしまっているため、ユーザーは40代以上の男性が多くなっています。若い女性は食べログや、Rettyで飲食店探しをしているのが実態とされます。
- 2点目は、営業マンがマンツーマンの営業を行っている点です。ぐるなびはインターネットビジネスではあるものの、マンツーマンの営業体制を持っており、4サイトの中では稀有な存在です。ほかの3サイトは、自サイトの会員獲得のために主にネットでの宣伝しか行っていませんが、ぐるなびは全国に営業マンを配置し、彼らが訪問営業をかけて契約をプッシュしています。
そして、月5万円以上のプランに登録している飲食店には、営業のほかプランニングを担当する販促プロデューサー、そしてぐるなびの100%子会社であるぐるなびプロモーションコミュニティーのスタッフ3人体制で、その店舗に合った年間販促プランなどを提案してくれます。
また、シーズンごとにホテルなどの会場を借りて、自社の販促プランの広告も兼ねて、販促方法や好調な飲食店経営者の講演会を実施するというような、「リアルな」サービス展開をしているのもぐるなびの特徴です。
この後ご紹介するぐるなびPROも、飲食店サポートをビジネスにしていくという一環で実施されているものです。 - 3点目は他のグルメサイトとの連携です。ぐるなびはいくつかのサイトと連携していますが、特に目立つのは、飲食店の格付けガイドとして世界的に権威のあるミシュランが運営している「ミシュランガイド・デジタル」との提携です。ミシュランガイド・デジタルとは、ミシュランガイドをインターネット上で閲覧、検索するサービスのことで、このサービスの運営はぐるなびが行っています。ミシュランガイド・デジタルに掲載しているメニューなどは、すべてぐるなびから自動で転載しているものです。ミシュランガイド・デジタルそのもののアクセス数はさほど多くありません。しかし、ミシュランが権威であることは間違いありませんので、ぐるなびの会員になり、ミシュランで星やブグルマンなどを獲得できれば、それも1つの集客の後押しになるでしょう。
- 4点目は、外国語対応が充実している点です。ぐるなび以外のグルメサイトではほとんど英語対応だけですが、ぐるなびは6か国語の外国語ページの作成が可能のため、インバウンド対策としては非常に有効です。
- 5点目は、もう1つのグルメサイトの雄である食べログとの比較によって、特徴をあぶり出しましょう。
まず、食べログに掲載されている店舗数82万件に対して、ぐるなびは14万件です。これは、食べログは無料が主体、ぐるなびは有料会員が主体という差によるところが大きいでしょう。これによって月間利用者も、食べログの7500万人/月 に対してぐるなびは5200万人/月と約1.5倍の差をつけられています。
ただし、食べログは基本的にキャンペーン情報がありません。たとえば、年末に宴会特集のページを作って、各店舗の宴会メニューを掲載するなどの「売り」が強い販促はありません。そのため、販促はあくまでユーザーの自主的な行動に頼ることになります。その点ぐるなびは、プッシュ型の広告で自店舗を売り込むことが可能です。
一方で食べログには、よいことも悪いことも載っているという点で信頼できる口コミがあるのに対して、ぐるなびは、基本的に飲食店発の情報がメインとなるため、「いいことしか書いていない」と思われる弱みがあります。こうした理由から、「店選び」の点では食べログに負けているのです。 この一長一短が、ぐるなびと食べログの違いだと言えるでしょう。
ぐるなびの加入方法や費用は?
ぐるなびに店舗情報を掲載するためには、ぐるなびの会員になる必要があります。会員になるためには、ぐるなびのWEBサイト内にある「ぐるなび掲載のご案内」ページの「資料請求・お問い合わせフォーム」から問い合わせを行いましょう。
その後、フォームに入力した情報をもとに、ぐるなびの担当者から掲載に関する連絡が入ります。その際に、会員になった場合のサービスや料金についての説明がなされ、掲載に関する商談がスタートします。
ぐるなびの会員には、以下の異なる料金プランが用意されています。プランによって、ぐるなびから受けられるサービスの内容も値段も異なります。店舗規模や繁盛状況によって値段は変動いたしますので、あくまでも基本的な料金として参考にしていただければと思います。
ぐるなび会員料金プラン
- 販促正会員プラン、料金:50,000円〜/月額
- ビギナー会員プラン、料金:10,000円/月額
- エントリー会員プラン、料金:無料/月額
飲食店の味方!ぐるなびPROとは?
ぐるなびには飲食店にとって強い味方があります。それがぐるなびPROです。
飲食店を経営していくうえでは、いろいろな業種、つまりサプライヤーと付き合わなければなりません。食材供給会社、人材派遣会社、求人広告代理店、印刷会社、厨房機器供給会社、消耗品卸会社などです。新規開業や新たな支店を考えているのであれば、不動産会社、店舗管理会社、店舗デザイナー、フードコーディネイターなどとの付き合いも必要となります。大手のチェーンであれば、先方から商談の提案をしてきますが、小規模チェーンや個人店の場合は、自分で取引先を探し、その中で最も条件がよいところを選別するという仕事が必要になり、こうした仕事は非常に時間を取られる業務です。しかし、利益や料理の質に直結するものばかりですから、どれも手を抜くわけにはいきません。
ぐるなびPROはそのような飲食店側のニーズを1つのサイトだけで、つまり「ワンストップ」で探し、調べ、交渉できるというサービスです。1人で電話帳やネットや展示会で人脈づくりをしていた経営者や店長にとっては、非常に仕事が効率化できるものなのです。ぐるなびPROには、ぐるなびが「リアル」の研修会や講演会で流していた情報も入っていますので、そこにアクセスすれば今度の忘年会シーズンに向けて何をしなければならないのかと言った点までわかります。
ぐるなびPROの具体的なサービス
では、ぐるなびPROにはどのようなサービスがあるのかという点について簡単に紹介します。
・経営、販促ノウハウ
「ぐるなび通信」という小冊子が有料会員になると送られてきます。有料会員なら、ネット上でバックナンバーまで見られます。販促情報が盛りだくさんに載っています。
・料理、食材、仕入れサービス
日頃の食材の仕入れ先や、今人気の食材の紹介とその仕入先などが紹介されています。さらに、その食材を使ったメニュー提案もあります。現在特集化されているのは、「ふるさと食材図鑑」というタイトルで展開している、全国の市区町村独自の食材紹介です。珍しい食材などを探すのであれば非常に重宝するでしょう。
・ぐるなび大学
ぐるなび大学とは、ぐるなびが提供しているツールの活用方法、経営ノウハウ、繁盛店事例などを研修会形式で情報提供してくれるサービスです。たとえば、「ぐるなびの店舗ページの作り方」「忘年会シーズンの繁忙期対策」などです。
・経営サポートサービス
ぐるなびと提携している、店舗運営上活用できるサービスや機材を扱っている会社を紹介してくれるサイトです。もちろん、それらの会社にとってもここで飲食店という顧客の集客ができますから、言ってみれば飲食店とサプライヤーの「お見合いの場」です。具体的には、成果報酬型求人サービス、軽減税率対応POSレジ提案、飲食店従業員向け福利厚生サービス、税務申告向け記帳代行サービス、全国共通お食事券発行サービスなどです。
・新規オープン、リニューアル支援サービス
新たな業態を開発する、新規オープンする、リニューアルするという場合に必要な知恵、機材、施工などに関わる会社を紹介してくれるサービスです。もちろん、通常営業時におけるコストダウンやクオリティアップのために活用することも可能です。
具体的には、店舗コンセプト開発コンサルティング、店舗デザイン、銀行やファイナンス、店舗設備やインテリア関連販売、広告・看板・印刷を行う印刷会社、飲食店向け広告代理店、求人紹介会社、人材派遣派遣会社、什器・展示用機器販売、調理用機器販売、ドリンクディスペンサーなど飲料提供機器販売、冷却・加熱機器販売、清掃代行・衛生管理サービス、洗浄機器関連販売、食器・包材・容器関連販売、ユニフォーム販売など幅広く用意されています。
・不動産サービス
賃貸サービス大手のHOME'Sと組んで、「ぐるなびPRO 飲食店物件探し」というサービスを展開しています。これは、飲食店を開業したいオーナー様向けに、店舗を探すサービスです。また、店舗を撤退するために居ぬきで売りたいというというオーナー様のための「ぐるなびPRO 店舗居抜き売却」というサービスまであります。
ぐるなびPROの登録は簡単。費用も無料!
ぐるなびPROは、利用できるサービスが非常に多く、登録しておけば何らかの活用ができるでしょう。重要なのは、ぐるなびの有料会員であれば、無料でぐるなびPROのサービスを利用できることです。
ぐるなびPROを利用するには、有料会員に付与される管理画面からぐるなびPROに入り、会員登録を行えばすぐに利用可能となります。ぐるなびは店舗としての登録ですが、ぐるなびPROは個人としての登録になりますので、特にその店の経営者や店長ではなく、たとえば仕入れ担当者などでも登録は可能です。
まとめ
いかがでしょうか。
ぐるなびは飲食店の販促としては外せないものだと言えるでしょう。また、ぐるなびの有料会員ならどなたでも使用できるぐるなびPROは、特に少人数で運営している、経営者が店長でありスタッフであるような飲食店にとっては、非常に役に立つサポートサイトです。
ぐるなびの有料会員となり、積極的に活用することでバックヤードの仕事はできるだけ効率化、アウトソーシング化して、本来の仕事である調理と接客に集中できるようにしましょう。
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