ドッグカフェの開業に必要な資格や許可は?押さえておきたい規定も

開業・経営

犬好きなら、ドッグカフェ経営のオーナーとして起業することにあこがれる方も多いでしょう。通常ドッグカフェには、飼い主が犬を同伴することができるカフェと、店舗にいる犬と触れ合うことができるカフェの2種類の業態があります。

ペット同伴OKなカフェなら、ドッグランなどを併設してワンちゃんも楽しめる内装にすればお客さんに喜んでもらえます。また犬と触れ合えるドッグカフェの場合は、看板犬がいるお店や、捨て犬や殺処分寸前の犬たちについて多くの方に知ってもらいたいなどのコンセプトがあれば、他店との差別化が図れます。

しかし通常のカフェ経営とは異なるため、開業資金調達も大切ですが、スムーズな運営において必要な知識を身につけなければ、経営の成功は難しいでしょう。

ドッグカフェの開業に求められる資格や許可

ドッグカフェは、生き物を取り扱う、または接する特殊な仕事であるため特別な許可や資格が必須です。知らずに経営すると、失敗につながる可能性があります。

動物取扱責任者

ドッグカフェは「第一種動物取扱業の展示(動物とのふれあいの提供を含む)」に該当します。第一種動物取扱業は、動物の展示販売、貸出、保管、訓練などを行う業種などが対象で、登録するには、動物取扱責任者の資格が必要です。

ただし飼い主がペットの犬と一緒にカフェに立ち寄るスタイルであれば動物取扱責任者の資格は不要です。

また動物取扱責任者の資格を取得するには、以下4つの条件のうちいずれかに該当する必要があります。

  • 獣医師免許を取得している
  • 愛玩動物看護師免許を取得している
  • 半年以上の実務経験、または1年以上の飼養に従事した経験があり、かつ1年間以上教育する学校その他の教育機関を卒業している
  • 半年以上の実務経験、または1年以上の飼養に従事した経験があり、かつ所定の資格を取得している

資格例:愛玩動物飼養管理士、愛犬飼育管理士、公認訓練士、トリマー、愛玩動物看護師など

食品衛生責任者

どのようなドッグカフェスタイルでも、飲食店として営業許可を取るためには1人以上の資格保持者が必要です。食品衛生責任者の資格は講習を丸1日受けることで取得でき、講習会の日程と会場は各都道府県の食品衛生協会の公式サイトで確認できます。ただし調理師免許や栄養士の資格を持っている場合は講習会の受講は免除されます。

飲食店営業許可

店内で料理を作ってお客さんに提供する場合に必要な資格です。飲食店営業許可は、管轄する保健所に申請を行うことで取得できます。

ペットフード安全法に基づく届出

店内で犬用のご飯やおやつを作って販売する場合は、ペットフード安全法の規程により農林水産省への届出と帳簿の記載を行う必要があります。また店内での提供だけでなくテイクアウト用として販売をする場合も同様に届出が必要です。

開業届の提出

店舗を開業してから1カ月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)の提出が必要です。必要書類の提出先は納税地を所轄する税務署で、確定申告で青色申告を希望する場合は「所得税の青色申告承認申請書」も一緒に提出します。

【参考サイト】

第一種動物取扱業を営むには登録が必要です(福岡県)

https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/animalhandlingbusiness-type1.html

一般社団法人東京都食品衛生協会

https://www.toshoku.or.jp/training/

飲食店営業の手続き(千代田区)

https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kurashi/shokuhin/tetsuzuki/egyokyoka.html

ペットフードの安全関係(農林水産省)

https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/petfood/

ドッグカフェ開業にあたって把握したい規程

店舗が直接犬を取り扱わないとしても、ペットを同伴できる飲食店では地域によって衛生管理面を重視した細かな規程を設けていることがあるため注意が必要です。

食器に関する規定

カフェ内で犬に水や食事を提供する場合は、犬が使用した食器と人が使用した食器を同じ場所で洗ってはいけません。シンクを2カ所設けるなどして、分けて洗うことが求められます。店舗内にシンクを2カ所設けられない場合は、犬用の食器を使い捨てにできる紙皿などにするといいでしょう。

フードの調理に関する規程

犬用として提供する食材を人用と同じ調理スペースで開封や調理、盛り付けなどを行ってはいけません。犬用のフードを提供する場合、犬用として提供する食材が人の口に入らないようにするため調理スペースを別々にして調理を行う必要があります。にんじん、さつまいも、卵、小麦粉など同じ食材で作る場合には、例外として同じ調理スペースで調理可能です。

手洗い場に関する規程

店内で犬が排泄や嘔吐をすることもあるでしょう。その際、処理を行った人のための手洗い場を確保する必要があります。トイレから出てすぐの場所に手洗い場を設置する方法なら条件が満たせる場合があります。客席やトイレ等の見取り図を保健所に見せて確認を取るといいでしょう。

犬用のトイレスペースに関する規程

店内に犬用のトイレスペースを作ることは禁止されています。必ず排泄を済ませてもらってからの入店案内を行います。ただし入店する前に排泄させたかどうかは、飼い主側の判断に任せられるため、近隣とのトラブル防止のためにも常に掃除等の配慮を忘れないようにしましょう。また犬用のトイレスペースに関しては、店舗を経営する地域により規程が異なる場合があります。詳細は保健所に問い合わせるのが一番です。

【参考】『いわゆる「ドッグカフェ」に対する衛生指導要綱』の制定について(愛知県健康福祉部生活衛生課)

https://www.pref.aichi.jp/eisei/webpress_dogcafe.html

ドッグカフェの開業のためのポイント

ドッグカフェは人間だけでなく動物が関わってくるため、想定外のトラブルが起こることもあります。できるだけ利用者が快適に過ごせるよう、許可や資格以外にも店舗側による配慮やルール作りが求められます。

顧客が安心して犬同伴で利用するためのルールを設ける

「助成金」と「補助金」は同じような意味に感じられますが、厳密には異なります。

人間だけが利用するカフェとは異なるため、店舗でのルールを設けるなど犬同士のトラブルを回避するための配慮やサービスも必要です。

設けるルールの例:

  • 予防接種を受けてもらう
  • 発情期には利用を控えてもらう
  • 店内ではリードを付けてもらう
  • 基本的なしつけを行ってもらう

安心安全な犬用メニューを用意する

近年はアレルギーなどの病気を抱える犬も少なくないため、フードにこだわりを持つ飼い主さんもいらっしゃいます。オーガニックやグルテンフリーの食材の提供やペット用メニューに材料を記載するなどの配慮を心掛けましょう。

手軽に飲食できる飼い主用メニューを用意する

飼い主さんは、食事中も犬の様子を気に掛けることが多いです。そのため両手がふさがると、瞬時に犬を抑えるなどの行動が取れなくなります。片手で食べられるメニューを用意するとよいでしょう。

ドッグカフェ開業なら施設基準や遵守すべき規程に要注意

ドッグカフェは、動物と関わる特殊なお店のため、通常のカフェとは異なり必要な資格や遵守すべき規程があります。

また昨今では犬や猫など動物を取り扱うビジネスへの規制が強いため、適切な問い合わせ先や検索で常に情報収集し、地域からの理解やサポートを得る必要があるでしょう。

【参考情報】

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