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経営を安定させるためには、リピーターを一人でも多く確保することが必要です。それには新規のお客様にお店を気に入ってもらわなければなりません。
お客様に好印象を抱いてもらえるかどうかは、お出迎えから席に案内するまでのほんのわずかな時間で決まります。
ここでは、マニュアル通りの接客ではなく、お客様目線で接客するためのポイントについて見ていきましょう。
第一印象で店の印象も決まる!
初めての店に入るときは、店構えや看板に書かれたメニュー(黒板POP)などを見て「雰囲気もよさそうだし、これ食べてみたい」と思ってドアを開けるのが一般的ではないでしょうか。
店舗に入る前の第一印象
まずは店舗に入る前に、第一印象で選ばれる条件を考えてみましょう。
- 外観が清潔である事
- 活気が感じられる事
- 店外からでもそのお店のウリや特徴が分かり易い事
- 主なメニューや価格などが店外にも提示されている事
などなど、似た様なお店が密集している場所でこそ他店との差別化がとても重要ですが、お客様目線ではこのような基本的な事を押さえておくことが優先されます。
では反対にお客様に敬遠されてしまうお店とはどんなものでしょうか。
- 店の入り口が乱雑で生活感が漂う
- ゴミや空き瓶などが散乱して清潔感に欠けている
- そもそも、営業しているのか閉めているのかすらわからない
- 高級感が漂い過ぎてメニューや価格表も無く敷居が高すぎる
- 何屋さんなのかもわからない
- 店の外から店内を覗くと、活気が無く店主やスタッフがだらけている
これらは一例ですが、このようなお店は、常連さん以外には寄り付きがたい雰囲気が漂っているものです。
店舗に入ったときの第一印象
そして中に入った瞬間、スタッフが笑顔で「いらっしゃいませ!」と迎えてくれたら、「入ってよかった」と安心し、「きっと料理もおいしいに違いない」と期待値はさらに高まります。
しかし、その後スタッフが「こちらの席へどうぞ」とすすめたのが奥の暗い席だったらどうでしょう。窓際の席が空いているにもかかわらず、一方的に末席に誘導されたら「客のことより店の都合を優先するのか」と、第一印象は最悪のものになってしまいます。
このように、お店の第一印象はスタッフの笑顔や身だしなみだけでなく、入店時から席に案内するまでの接客スキルによって大きく左右されてしまうのです。
第一印象が与える影響
たとえば席に案内する場合は、「お好きな席へどうぞ」と自由に選んでもらう方法もありますが、それよりも「窓際の席も空いていますので、よろしければどうぞ」のように、押しつけがましくならない程度にすすめるのがベストです。それによってお客様は「客を大切にするお店」と好印象を抱き、同時に信頼感も生まれてくるため、そこからはお店のいいところを探すようになります。
反対に、一度悪印象をもってしまうと不満がつのってきて、お店の欠点ばかり目につくようになってしまいます。気短なお客様ならそのまま帰ってしまうこともあり得ます。それでは飲食店のスタッフとしては失格です。
一流とかプロといわれる接客員は、「一度来店されたお客様には必ずリピーターになっていただく。そのためにはどうすればいいか」という高い意識をもち、お客様の期待値を超えるサービスを提供できる人のことです。
期待値を超えるサービスというのは、過剰サービスとは違います。サービスのつもりでも行き過ぎてしまうとお客様を恐縮させて、逆に居心地を悪くさせてしまうことがありますから混同してはいけません。
初めてのお客様に好印象を与えるためには、「自分がお客さんだったら」という相手目線で判断することがいちばんです。そのように考えれば、お客様が何を望んでいるか、今何に困っているかを察することができ、声かけのタイミングや提案のしかたなどもスムーズにできるようになるはずです。
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お客様におすすめメニューをしっかり伝えよう
お客様がすでに注文する料理を決めている場合は別ですが、メニューを見ながら迷っているようであれば、席に近づいて行って「本日のおすすめメニューはこちらの〇〇〇でございます」とメニューを指し示し、食感や調理法などについて説明します(事項参照)。
単に「本日のおすすめはこちらです」だけですませるお店がありますが、これではお客様にはなぜおすすめなのかわからず、食べてみたいという動機づけにはならないでしょう。おすすめメニューはリピーターになってもらうための最大の要素ですから、その料理のおいしさが伝わるように説明することが大切です。
料理説明でお客様の興味を引こう
おすすめメニューに限らず、それ以外の料理についてもお客様から食材や調理法などを尋ねられたときに、いちいち厨房に行って聞いてくるようなことのないよう、スタッフ全員が理解しておく必要があります。お客様が知りたい情報と、それに対する応え方の一例をあげてみましょう。
- 食味……甘さ控えめ、甘酸っぱい、まろやか、さっぱり、ピリ辛、濃厚など
- 食感……さくさく、もちもち、ふんわり、かりかり、プリプリ、ジューシーなど
- 量(ボリューム)……ひと口で、たっぷり、一皿でお二人分など
- 相性のよい飲み物……ワインなら赤か白か、日本酒なら甘口か辛口かなど
- 食材・産地……採りたて、新鮮な、今が旬の△△、北陸産、自家製など
- 調理法……じっくり煮込んだ、焼き立て、蒸した、カラっと揚げたなど
これらはメニューブックにも書き込んでおきますが、スタッフの口から直接伝えるほうがおいしさが伝わりやすく、それだけオーダーにつながりやすくなります。
スタッフがメニューの内容についてきちんと説明できることによって、お客様のお店に対する信頼感が高まります。また、お客様の目的に合ったメニュー、たとえば誕生祝いであればそれにふさわしい料理と飲み物を提案することができ、よりいっそう楽しんでもらうことができます。
お手洗いの対応で印象が変わる!
初来店時の接客でもう一つ大事なこと、それはトイレの場所を案内することです。お客様が店内をきょろきょろ見回しているときは、すぐに近づいて行って「お客様、お伺いいたします」とまず声をかけます。
トイレかもしれないと思っても、携帯電話をかけるために外へ出ようとしている場合もありますし、ほかの用事かもしれませんので、ワンクッション置くことが大切です。お客様に「トイレは?」と聞かれてから「ご案内いたします」とトイレのほうへ誘導しましょう。
段差がある場合などは「こちら足元にお気をつけください」と注意を促し、トイレ近くまで来たら「トイレはこの右奥でございます」のように手で示します。この対応があるだけで、いい印象を持ってもらえる確率があがるのです。もちろん、トイレをいつでも清潔にしておくことを忘れずに。
新規のお客様とのちょうど良い距離感は?
接客マナーを考えるうえで、お客様との距離感をどの程度に保つかはとても重要です。初めてのお客様にあまり馴れ馴れしい態度では失礼になりますし、かといってかしこまった態度では緊張させてしまうばかりです。
心理学では、人間には無意識のうちに他人と距離を取って、快適に過ごせる「パーソナルスペース」を保とうとする働きがあるとされています。その距離は大きく4つに分類されます。
- 密接距離(恋人や家族)~45㎝
- 個体距離(友人)45~120㎝
- 社会距離(仕事関係者)120~360㎝
- 公衆距離(演説する人と聴衆の関係)360㎝~
飲食店でのお客様とスタッフの場合は、3の社会距離が適切とされています。これは相手に直接手が届かず、顔の表情の微妙な変化を見るのも難しい距離です。
飲食店の場合、料理や飲み物をお客様に運ぶときは密接距離にならざるを得ませんが、お客様が静かにしていたいと思っているときに話しかけたり、連れのお客様と会話中のところに割り込んだりすることのないよう、パーソナルスペースということを意識した行動を心がけるのも接客マナーの1つといえるでしょう。
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まとめ
新規のお客様が再来店してくれたとしたら、好印象を与えることができたからですが、大事なのはむしろ2回目の接客です。初回で名前まで教えてもらうのは難しいかもしれませんが、顔だけは覚えておくようにしましょう。
そして、再来店したときに「先日はありがとうございました」のひと言を添えれば、お客様は「覚えていてくれた」と感動し、お店の好感度・信頼度は一気に上昇します。それには初来店時にお客様の特徴をメモする習慣をつけることが大切です。
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