CRM戦略とは?具体的な効果や戦略を立てる際のポイント

開業・経営

既存顧客のうち5%を維持すれば、売上が25%改善されるという「5:25」の法則を普段から意識している事業経営者の方は多いのではないでしょうか。この法則から事業を継続・発展させるためには、既存顧客を維持することの重要性が伺えます。

実際に、新規顧客や見込み客からの問い合わせを獲得するよりも、既存顧客の維持に努めた方が収益が大きく、コストも少ない傾向にあります。そこで今回は既存顧客を維持しLTV(顧客生涯価値)を向上させるために有効とされ、顧客関係を良好にする「CRM戦略」について解説します。

CRM戦略の概要

CRM戦略は既存顧客との関係を良好にし、収益を上げるためのマーケティング戦略です。また顧客行動データや売上データを収集して分析するため、安定的なマーケティング施策も考案できます。

CRM戦略とは

顧客との関係を良好にし、中長期的な利益の向上を目的としたマーケティング戦略です。また顧客情報の一元管理や社内での連携が的確に行われるための戦略でもあります。CRMはCustomer Relationship Managementの略で「顧客情報管理」という意味があり、顧客管理システム自体を指すこともあります。

CRM戦略の実施で実現できること

顧客の真相的なニーズの把握

顧客との接点を積極的に設ければニーズを知る機会が多く得られ、深堀りできます。またCRM戦略を支援するツールには、顧客情報の蓄積やデータ分析機能が搭載されています。

(例)顧客の氏名や年齢、メールアドレス、購入履歴など

顧客ごとに適したサービスの提供

ニーズを深掘りすることで、顧客に適したサービスの提供やカスタマーサポートでの対応ができます。また顧客に寄り添った商品やサービスの構築が成功すれば、ブランド価値や顧客単価も高まり、顧客との関係性が良好になるでしょう。

顧客満足度の向上

CRM戦略で顧客のニーズが把握できるため、特定の顧客への効果的なアプローチが可能になります。すると顧客満足度が向上し、自社製品の継続的な利用やサービスのリピーターにつながります。

データに基づいた経営方針の策定

CRM戦略では消費者データの蓄積と分析を繰り返すため、企業の経営状況を可視化できます。その結果、データを用いたマーケティング活動、競合他社より優れたIT戦略の検討や差別化、CRM戦略のシステム化につながります。

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CRM戦略の立て方

本来CRM戦略を立てるならCRM支援ツールを用いるのが望ましいですが、紙とペンのみでも可能です。漠然と戦略を立てるのではなく、目標やターゲット層をある程度絞るのがコツです。

Step1:目標やゴールを明確にする

CRM戦略によって達成したいビジネス上の目標やゴール、売上を明確化します。明確にすべき理由は、CRM戦略が惰性で終わる可能性があるためです。目標やゴールは、数値を用いてできるだけ詳細に定めましょう。

(例)会員数を今月中に50人増やす、売上を前年比より500万円アップさせるなど

Step2:ターゲットとなる顧客層を明確にする

CRM戦略で関係を良好にしたい顧客層を明確にします。顧客層を絞れば、属性ごとに的確なアプローチ方法やニーズに沿った製品・サービスの提案ができます。

Step3:カスタマージャーニーマップを作成する

カスタマージャーニーマップとは、自社製品・サービスを利用する前後における、顧客の行動や感情の流れを表したものです。作成することで、ターゲット層ごとに適切なアプローチ方法やニーズを推測でき、顧客とのタッチポイントを整理できます。

Step4:顧客へサービスを提供するプロセスを設計する

顧客へ製品・サービスを提供し、サポートするまでのプロセスを設計します。設計方法は、作成したカスタマージャーニーマップに、製品・サービスを提供する場面やサービスを受ける顧客などを最適化しましょう。顧客の行動や感情が可視化でき、ビジネスプロセスを設計しやすくなります。

Step5:設計した内容を実行する

設計したビジネスプロセスを実行します。実践する際は、顧客データや営業・販売活動の状況が可視化できるデータを記録しましょう。記録したデータをもとに、目標達成度の確認や改善策の考案ができます。

Step6:KPIを算出し状況を把握する

KPI(重要業績評価指標)を算出し、施策前後の変化を観察しながら効果検証を行います。KPIには、主に売上高やECサイトへのアクセス数、購入履歴などが用いられます。なかにはECサイトへのアクセス数や離脱数など、CRM支援ツールを用いなければ算出できないKPIもあるので注意しましょう。

CRM戦略を実施する際のポイント

CRM戦略を立てて成功させるには前述した手順に沿うと同時に、必要不可欠なものや戦略における考え方があります。これらが欠けると、顧客のニーズを理解または課題が解決できず、CRM戦略の成果が最大化されない場合があります。

データを用いて戦略を立てる

CRM戦略の成功には顧客データや営業データ、販売活動データなどが不可欠です。その大きな理由としてCRM戦略は、主にデータに基づいた顧客分析や施策の提案、改善策の考案を行う「データドリブン」の考え方が主流ということが挙げられます。最終的には、データの収集と管理を効率化し、業務や顧客の生活を良くするDX戦略を考案する必要があるでしょう。

データを効率よく収集するには、SFA(営業支援ツール)の利用や「POSレジ」を用いる方法があります。POSレジとは、顧客が製品・サービスを利用したときの取引情報が蓄積できるレジのことです。POSレジなら、商品が購入された際、会計業務と同時に顧客自身の情報や購買履歴データを収集できます。

これらのデータがあれば、より単価が高い商品やサービスをすすめるアップセル戦略や、同時に他の商品やサービスを購入してもらうクロスセル戦略などに役立てられます。

CRM支援ツールを用いる

CRM支援ツールを用いれば、より詳細なCRM戦略が簡単に立てられます。例えば、企業が抱える課題設定、商談など営業活動の支援、顧客データの一元管理、マーケティングプロセスの可視化などが可能になります。

顧客を育成するという考えを持つ

CRM戦略を成功させるには、企業のアンバサダーとなる顧客の創出が必要です。アンバサダーとは大使や代表という意味があり、企業や製品を愛用し、SNSなどを用いて積極的に広めてくれる顧客を指します。新規顧客を獲得するよりも、優良顧客を育成したほうが利益につながる傾向にあります。またアンバサダーを多数創出する方が、営業や新規顧客の獲得にかけるコストが低く済みます。

アンバサダーを多く創出するには、企業自らが既存の顧客を育成するという考えが大切です。会員サービスを充実させる、アフターサポートを徹底するなど、既存の顧客が何度でも利用したくなるような仕組みづくりをしましょう。

CRM戦略で既存顧客をアンバサダーへ育成する

CRM戦略とは既存の顧客との関係を良好にし、製品・サービスを継続利用してもらうことで売上を上げるマーケティング戦略です。既存顧客の維持および創出は、新規顧客を獲得するよりも利益が大きい傾向にあるため、メリットが多い戦略といえます。

CRM戦略を立てるには、ステップごとに目標やターゲット層を明確にし、カスタマージャーニーマップを作成します。必須ではありませんがCRM支援ツールを利用すれば、データ収集や戦略立案まで自動で行ってくれるため、手間と時間を大幅に削減できます。

またCRM戦略を立てる際は、既存顧客を企業が育てるという考えを持ち、データを収集して活かすことが大切です。会員限定サービスやアフターフォローなどのソリューションを充実させ、顧客満足度の向上を目指しましょう。

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