

古く伝統ある民家の風情はそのままに、内装をリフォームして癒しのひと時を与える「古民家カフェ」。
現在、首都圏はもちろん地方でも古民家カフェは増えており、独特の空間は一つのブームと言えるでしょう。飲食店の中でもカフェ開業は人気が高く、ここ最近のブームに乗って古民家カフェの開業も増えています。
そんな古民家カフェですが、開業して成功させるにはどのような流れを知る必要があり費用はどの程度かかるのか?抑えておく必要があります。
今回は、古民家カフェ開業の流れや費用、成功の秘訣について学んでいきましょう。
古民家カフェの開業の流れ
憧れの古民家カフェを開業させるには、開業にあたり何が必要になるのか、どのような流れなのかを理解しておく必要があります。
ここからは、古民家カフェの開業の流れについて見ていきましょう。
カフェ開業に必要な資格を取得しておく
古民家カフェというのは飲食店ですので、飲食店を開業するのに必要な資格をあらかじめ取得しておく必要があります。
古民家カフェを経営するための必須資格は「食品衛生責任者」であり、最低一人は店舗に資格所有者を置く必要があります。
また、30人以上を収容できる広い店舗の場合はさらに「防火管理者」の資格が必要になります。
資格が無かったでは済まされませんので、必要に応じて資格取得について調べ、早めに対応しておくのが良いでしょう。
どの地域で開業するのか?を絞り込む
古民家カフェは新築のカフェではありませんので、古民家カフェにふさわしい空き家を探す必要があります。
場所は首都圏なのか?関東近県なのか?それとも地方なのか?どのあたりで古民家カフェをオープンしたいか?という目的をハッキリさせておくことが大切です。
また、首都圏だから集客できる、地方は集客が大変といったことは一概には言えません。
カフェをオープンさせ軌道に乗せるにはコンセプトが大切ですので、明確なコンセプトを打ち出すことができれば、地方であろうと集客は問題ありません。
古民家カフェをオープンさせる空き家を探す
どのあたりで古民家カフェをオープンしたいか?目的がハッキリしたら、実際に古民家の空き家を探す作業に入ります。オープンさせたい地域の不動産屋へ出向き様々な情報をもらいながら探していくのが良いでしょう。
もしすでにオープンされている古民家カフェが近くにあれば、そちらのオーナーに挨拶がてら情報を聞いてみるのも良いでしょう。
既にオープンされている方は古民家カフェをオープンさせたいという気持ちがわかりますので、相談に乗ってくれることがあるものです。
そして色々と行動した結果、これはと思う物件を探しだしたら不動産屋との賃貸契約、リフォーム業者との交渉に入ります。
また、賃貸契約したのが飲食店の居抜き物件であれば、状況によっては大規模な改装は必要なく開業資金を抑えることができます。
開業に必要な申請をおこなう
いざ古民家カフェの開業が決まったら、今度は各市役所や税務署に開業するにあたっての申請が必要になります。
食品を取り扱う店舗においては保健所の許可が無ければ営業をおこなうことができませんので、まずは保健所への申請が必要です。
そして、税務署には営業を開始するために「開廃業届」が必要になりますし、店舗がある自治体へは「事業開始等申告書」を提出しなければなりません。
これらの申請は必須であり、申請をおこなわず営業してしまうと税金に関しての控除が受けられなくなったり最悪は営業停止となりますので、十分注意しておきましょう。
カフェに必要な器具を揃える
古民家カフェ開業にあたり必要な器具を一通り揃えておく必要があります。
飲み物を入れたり食べ物を乗せるカップやお皿はもちろん、コーヒーメーカーやジューサー、各種調理器具、冷蔵庫など。
また、レジ用品やオーダー用紙、金庫や電卓、空調機器や音響設備、場合によってはセキュリティシステムなどがあります。
全部が全部必要ではない場合もあるので、店舗としてのコンセプトや店内の状況などによって揃えていくことが大切です。
古民家カフェの開業費用とは
古民家カフェ開業にあたり、いったいどのくらいの開業費用が必要になるのか?とても気になるところではないでしょうか。
金額の多さによっては開業資金をしっかり貯めておく必要があったり、資金を調達する必要に迫られます。
ここでは古民家カフェの開業費用について、いったいどのくらい必要になるのか?学んでいきましょう。
まず、開業に必要な費用はオープンする店舗が賃貸なのか?持ち家なのか?によって変わります。
例えば持ち家の場合、必要な調理場や流し、客席を作る必要があり、さらにカフェに必要な器具を揃える必要があります。
古民家なのでおトイレは最新のものを設置するとして、リフォーム代を含めおおよそ600万円から800万円は必要になるでしょう。
持ち家ではなく賃貸の場合はプラス100万円くらいと考えると良いでしょう。また、駅近など条件が良かったりリフォーム業者によっては費用に多少の開きがありますが、余裕を持って1,000万円くらいあると問題ありません。
立地も重要!古民家カフェの場所を決めるポイント
古民家カフェをオープンする場所にはいくつかのポイントがあり、それに沿ってオープンすることで経営を軌道に乗せることができます。
古民家カフェをオープンする立地はとても重要であり、コンセプトと立地条件にズレがあるとなかなか起動に乗せることができません。
ここでは古民家カフェの場所を決めるポイントについて見ていきましょう。
コンセプトに合った立地であるか?
古民家カフェに限らずカフェなどの飲食店はコンセプトが重要であり、そのコンセプトによって成功が決まると言っても過言ではありません。
ターゲットを若い女性にするのであれば若い女性が集まる立地が重要ですし、地域密着型で活性化を目指すのであれば、そのような地域を視野に入れる必要があります。
コンセプトを改めて見直し、それに沿った立地条件であるか?確認することが大切です。
家賃などは予算の範囲内か?
条件の良い立地であればあるほど賃料は上がる傾向にあり、営業をいくら頑張っても赤字が続いてしまう、ということも考えられます。
コンセプトに沿った立地を選ぶことはとても大切ですが、収益より支出が上回るのであれば、営業自体が長続きしません。
完璧な立地を求めず、予算の範囲内で条件に合う立地を根気強く探すことも重要です。
希望を実現できる立地か?
夢や希望を抱き古民家カフェをオープンしても、実際にはやりたいことがすんなり実現できない場合があります。
例えば地産地消というコンセプトを掲げ、店舗前で食材を売り出そうとしても立地的にどうしても邪魔になってしまい苦情が来てしまうなど、予想できないような事態に見舞われることもあります。
契約する前に、実際の立地を確認しながら自分のやりたいことが実現できるのか?しっかりと見極めておくことが大切です。
古民家カフェを成功させるには
カフェは他の事業と比べ開業しやすいと言われていますが、ただ開業しただけでは軌道に乗せるのは難しく、成功は難しいと言えるでしょう。
古民家カフェを軌道に乗せ成功させるには、いったいどのようなことに気を付け営業していく必要があるのでしょうか。
ここでは古民家カフェを成功させるにあたり、大切なポイントをお伝えします。
古民家カフェのコンセプトを明確にする
すべての事業に当てはまることなのですが、コンセプトがあやふやだとお客様は集まらず、成功にはほど遠くなってしまいます。
コンセプトというのは、いったい誰がお客様になるのか?そのお客様になにを提供するのか?そしてお客様がオープンした古民家カフェに訪れる理由はなにか?という3つのことを明確にする作業です。
このコンセプトがズレている、立地などに合っていないと集客は上手くいきません。しかし、コンセプトがしっかりしていると集客方法などもわかり、成功に近づきます。
接客態度を意識する
これは上記であげたコンセプトに若干触れる内容ですが、ターゲットであるお客様にはどのように接客するべきか?意識することも大切です。
忙しい人をターゲットにしているのであればスピードや効率を意識した接客が大切ですし、ご高齢の人をターゲットにしているのであれば、ゆったりとした会話の多い接客が求められるでしょう。
お客様を取り逃がさないために、コンセプトやシチュエーションに合わせた接客を意識することが先々成功につながるでしょう。
集客の方法を時代に合わせる
チラシを配ったり、古民家カフェのWEBサイトを立ち上げPRすることは大切ですが、これまで通りありきたりの集客方法では経営を安定化させ、大きく成功させるのは難しいでしょう。
集客というのはその時代に合わせた戦略が必要です。いま現在であればInstagramなどの写真サイトに掲載、写真をたくさん乗せられるブログを立ち上げるなど、現在に合わせた集客方法が必要になります。
また、インターネットを活用することも大切ですが、時代を超えて口コミというのは強い集客につながりますので、口コミを起こせる戦略を考えることも大切です。
まとめ
古民家カフェはひとつのブームではありますが、その多くはコンセプトが定まっていなかったり集客できず、早ければ数カ月で閉店してしまうこともあります。
古民家カフェを成功させるにはコンセプトであったり戦略、立地という要素も大切になりますので、しっかりと明確にしておくのが望ましいでしょう。
古民家カフェの開業から成功までの道筋を把握し、楽しく経営が軌道に乗る努力をしていきましょう。