今ある空調設備は用途に合っている?業務用エアコンの選び方

開業・経営

飲食店をはじめとする店舗に欠かせないのが業務用エアコンです。店内を快適な温度に保つことは、働きやすさだけでなく顧客満足度の向上にもつながります。

しかし、業務用エアコンには数多くの種類があるため選ぶのも一苦労です。そうはいっても、設置環境に適さないものを選ぶと熱効率が悪ったり、エアコンの寿命を縮めたりする可能性があります。

そこでこの記事では、業務用エアコンの正しい選び方をご紹介します。

この記事を参考に、自店に最適な業務用エアコンを選んでくださいね。

業務用エアコンとルームエアコンはどう違う?

そもそも、業務用エアコンとルームエアコンはどう違うのでしょうか。そこまで店舗が大きくない場合、ルームエアコンで十分だろうと考える方もいるでしょう。

しかし特に飲食店の場合、小さな店舗でも業務用エアコンを導入することをおすすめします。

では、業務用エアコンとルームエアコンの違いについて見ていきましょう。

冷房能力

1つめの違いは冷房能力です。

ルームエアコンの冷暖房機能は家の中の1部屋を対象としているのに対し、業務用の空調設備はオフィスや店舗など広い範囲を対象としています。

そのため、ルームエアコンに比べて業務用エアコンは冷暖房能力が高いのです。

ルームエアコンは5kW程度の出力のものが多いのに対し、業務用の空調設備はその30倍である150kWという出力を持つものまで販売されています。

形状

ルームエアコンというと、家庭によくある長方形で壁掛け形の形状を想像する方が多いでしょう。

一方で、業務用の空調設備はあらゆる環境や業態に対応するため、壁掛け形以外にもさまざまな形状の機種が開発されているのです。例えばオフィスの天井などでよく見る、「天井カセット形4方向」などが業務用エアコンの代表例といえるでしょう。

業務用エアコンの形状とそれぞれの特徴については、この後詳しく解説します。

床面積で業務用エアコンを決める

ではさっそく、業務用空調設備の選び方について見ていきましょう。

業務用エアコンはルームエアコンと異なり、「馬力」という出力単位を用います。また店舗の床面積によって、最適な馬力は異なります。

大手エアコンメーカーであるダイキンによると、飲食店の場合における床面積ごとの最適な出力は以下のとおりです。

床面積(㎡)

最適な出力(馬力)

1~11

1.5

12~24

1.8

14~26

2

15~29

2.3

17~33

2.5

22~42

3

39~59

4

38~74

5

43~84

6

参考:業務用エアコンの馬力(能力)を選ぶ目安とは? | ダイキンプロショップ

業務用エアコンにかかる熱負荷を考慮する

業務用エアコンを選ぶには、床面積だけでなく空調設備にかかる「熱負荷」も考慮する必要があります。

熱負荷とは、簡単にいうと空調設備の稼働時にかかる負担のことです。熱負荷は、在室者の人数や照明の数、厨房から出る熱やすきま風などによって計算します。

こうした業務用エアコンの稼働効率を左右する要因を列挙し、それらの熱を合計することで熱負荷を算出することができるのです。この計算をしたうえで空調設備を選べば、エアコンに大きな負荷がかかりすぐに壊れてしまうといったリスクを抑えることができます。

熱負荷の計算については、店舗の環境や設備によって変わるため、専門業者に相談して計算してもらいましょう。最適な業務用エアコンを選んでもらうのがおすすめです。

なお、熱負荷から業務用エアコンに必要な馬力を算出する際は、以下の計算式を用います。

必要な馬力(Kw) = 床面積(㎡) × 熱負荷(W/㎡)

業務用エアコンの種類を選ぶ

必要な出力が分かったら、続いては自店により適した種類の業務用空調設備を選びましょう。

ここからは業務用エアコンの種類と特徴についてご紹介します。

セントラル方式と個別分散方式

業務用の空調設備は、大きく分けて2種類に分類することができます。

1つはセントラル方式、そしてもう1つが個別分散方式というものです。

セントラル方式

セントラル方式は1フロアが300坪を越えるオフィスなどでよく用いられる空調設備です。熱源が1つの場所に集中しており、フロア全体を一元管理できるというメリットがあります。

ただし、部屋ごとに室温を調節したり、設定を自由に変えたりすることはできません。

個別分散方式

個別分散方式は可動範囲ごとに熱源が設置されている種類のものを指します。

一般的な飲食店で利用されているものの多くは、個別分散方式の業務用エアコンです。使用範囲が極端に広くなければ、個別分散方式の業務用エアコンで問題ないでしょう。

個別分散方式の場合、複数台あったとしてもそれぞれを個別に設定変更できます。

用途に応じた業務用エアコンの種類

業務用エアコンは用途に応じて分類することもできます。使用シーンごとに簡単にご紹介します。

店舗・オフィス用空調設備

最も一般的なのは、店舗・オフィス用空調設備です。

ルームエアコンに近い操作感で、形状の種類も豊富に展開されています。

ビル用マルチ空調設備

ビル用マルチ空調設備は1つの室外機で、複数の室内機を稼働できるタイプのエアコンです。

室外機の置き場が制限されるときは、この種類を選ぶと良いでしょう。

工事・設備用空調設備

工事・設備用空調設備は、工場など特殊な環境で使用することを想定されたエアコンです。

一般的な店舗やオフィスでこの種類を使うことはまずありません。耐久性や油煙への耐性にすぐれ、稼働効率も高いという特徴があります。

冷凍・冷蔵用空調設備

冷凍・冷蔵用空調設備は食品の製造工場や業務用冷蔵庫など、中低温の環境を再現しなければならない場合に用いられます。

室内機の形状を選ぶ

業務用エアコンには、さまざまな形状のものがあります。設置する場所や、店舗の雰囲気に合わせて業務用エアコンを選びましょう。

ここからは業務用エアコンの形状と、その特徴について詳しくご説明します。

天井カセット形4方向

天井カセット形の空調設備には4方向、2方向、1方向の3種類があります。

天井カセット形は本体を天井に埋め込むタイプのエアコンです。そのため、天井に凹凸を作ることなく設置することができます。

4方向の場合は吹き出し口が4つあるため、全方向に向かってなだらかに気流を広げることができます。温度や湿度のムラができにくく、オフィスや飲食店で最も一般的な業務用エアコンといえます。

取り付ける場合は天井の中央に設置します。

天井カセット形2方向

天井カセット形で、吹き出し口が2方向の業務用空調設備です。

長方形の形をしているので、4方向に比べてどんな部屋にもフィットしやすい形状といえます。細長い部屋や、狭い空間に設置するのにもおすすめです。

天井カセット形1方向

天井カセット形で、吹き出し口が1方向の業務用エアコンです。

部屋の端や角に設置する場合に適しています。4方向や2方向のものに比べてコンパクトなので、どのような形状の店舗にも取り付けやすいでしょう。

天井吊形

天井に吊り下げる形状の空調設備です。

天井をはがして埋め込むなどといった大規模な工事が必要なく、比較的簡単に取り付けることができます。送風口が1か所のみなので、店舗の端や角に設置するのがおすすめです。

壁掛け形

ルームエアコンと同じ形状の業務用エアコンです。

比較的取り付けやすく、工事費を安く抑えられるのが特徴といえます。送風口が1か所しかないため、小さな店舗や事務所への設置に向いている形状です。

床置形

床に置くだけで設置できるタイプの業務用エアコンです。

設置に工事が必要なく、導入は非常に手軽といえるでしょう。天井に付けるタイプの空調設備は、暖房の熱効率が悪くなってしまうような天井の高い空間などにおすすめです。

ビルトイン形

本体と吹き出し口がダクトでつながっているタイプの業務用エアコンです。

本体は天井に埋め込み、吹き出し口の位置はダクトを伸ばして自由に決めることができます。特殊な形の部屋や仕切りや大型家具など、障害物の多い空間にも利用できるのが特徴です。

天井埋込ダクト型

本体を天井に埋め込み、吹き出し口と吸い込み口をダクトでつないである形状の空調設備です。

吹き出し口と吸い込み口のいずれも、ダクトを伸ばすことで自由な位置に設置できます。本体の存在感が少なく、雰囲気を邪魔しない業務用エアコンです。

業務用エアコンの選びの注意点

業務用エアコンはできるだけ長く、壊れないでいてほしいものです。そのため、購入後に後悔するようなことがないように選ばなければなりません。

そこで最後に、空調設備選びに失敗しないための注意点についてご紹介します。

●省エネ性能をチェックする

業務用エアコンのランニングコストをできるだけ抑えるには、省エネ性能をチェックしましょう。

熱効率の高さや、自動運転の性能の高さなど、機種によってさまざまな省エネ機能が付いています。こうした省エネ性能を活用すれば、年間の電気代も低く維持することができるでしょう。

業務用エアコンの省エネ性能は年々上がっています。事実、多くの業務用エアコンが、ここ10年で年間の電気代を半分近くに抑えることに成功しているのそうです。そのため、迷ったら最新機種を購入しましょう。

●室外機の置き場所を確保する

業務用エアコンを設置する際、室外機の置き場所をあらかじめ検討しておきましょう。

購入する機種が決まったら室外機の大きさを把握し、自店のどこに置けるか検討します。室外機を置く場所は、できれば極端に寒暖差のない場所が良いでしょう。

例えば調理場の近くだと、調理で出た熱が室外機の稼働を妨げ、冷房が効きにくくなるといったことが考えられます。またスペースだけでなく、配管や電源が配置できるかといったことも重要です。

●店内の雰囲気を損なわない見た目も重要

業務用エアコンは室外機、室内機共にある程度の大きさがあります。そのため、設置場所と形状によってはかなり目立ってしまうので注意しましょう。特に飲食店は、顧客のくつろげるような雰囲気作りが重要といえます。

例えばウッド調でナチュラルな雰囲気のカフェの天井中央に天井吊型の空調設備があったら、かなり目立つでしょう。これが天井埋め込みダクト型なら、本体は天井に埋め込まれているため、店内の雰囲気を邪魔しません。

このように空調設備を選ぶ際は、店内の雰囲気を壊さないような形状のものを選びましょう。また、設置場所を端にするなど工夫することで、業務用エアコンの存在を目立たなくすることもできます。

●アフターサービスが充実しているかどうか確認する

業務用エアコンは一度導入したら10年近く稼働させることができます。しかし、その間一度も不調がないとは限りません。できるだけ保証期間は長く、アフターサービスを充実させておくに越したことはないでしょう。

アフターサービスの質や期間は、業者によってまちまちです。選ぶときのポイントは、万が一のときにすぐ連絡できる窓口があるかどうか、そして年中無休で修理に対応してもらえるかどうかです。

業務用エアコンを選ぶときには本体のスペックだけでなく、こうしたアフターサービスについても確認しておきましょう。

まとめ

業務用エアコンの選び方についてご紹介しました。

ルームエアコンとの大きな違いは、その出力と種類の多さです。業務用エアコンはあらゆる業態に対応できるよう、さまざまな機種が展開されています。その分、選ぶのが難しく感じるかもしれません。

しかし自店の床面積や天井の形状、確保できるスペースなどを加味すれば、最適な機種が見つかるでしょう。

もちろん、業務用エアコンを選ぶときには熱負荷の計算なども必要となるため、専門業者に相談して、アドバイスをもらうことをおすすめします。

ぜひこの記事を参考に、自店に合った業務用エアコンを導入してください。

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